第181回「忘年会ピアノ。音が出ない!」 [2006.12.28]
 ついに、今年も今週で終りとなりましたね〜。月並みな言葉ながらほんとにあっという間でした。皆さまはいかがだったでしょうか。
 ところで、前回のコラムは(〜最近は頼まれて弾く機会が増えたような気がしてます。今回はそんなエピソードのいくつかを。)という書き出しで始めながら、結局(マスターの「やっと入籍」を祝う会でノ)の1話だけで終わってしまいました。

 だから、というわけでもないですが今回はその続きです。

●八雲会忘年会で…
 行きつけの喫茶店のママが世話役をしている八雲会。その忘年会が今年は早々と11月末にホテルで開かれる事になりました。実はこの八雲会、私にとって苦い経験が…というよりすっかりご迷惑をかけてしまった因縁の会なのであります。去年の総会。事前にピアノ演奏を頼まれて準備もしっかりしていたのですが、当日になって突然の腹痛に見舞われドタキャンしてしまった!という前科。(そのいきさつはバックナンバー第145回〜147回を見てくださいね〜)

 今年は事前にママからピアノの依頼も無く…。
「さすがにママも去年の一件で懲りたかな。私もすっかり信用なくしちゃったし。今年はおとなしくしておこう。」
 と思いながら当日を迎えました。

 開宴30分前。会場に着いてホテルの玄関を入ろうとした時、携帯が鳴りました。見るとママからです。
「はい、私です。」
「あ、an弾手さん?今どこ?」
「今着いたところですよ。あと30秒で受付に行きま〜す。」
「ピアノ弾いてくれないかなぁ。急いで司会の人と打ち合わせしてほしいんだけど。」
「ひぇっ!どういうこと?」
「だから〜」
 なんて、歩きながら話しているうちに受付が見えてきます。はいはい、ママが受付の後ろに立って携帯を耳に当てているのが見えます。
「は〜い、いま目の前にいますよ!」
 というわけで二人とも携帯を切って続きは対面トーク!
「司会の人があそこにいるから、急いで打ち合わせしてきて!」
 で、司会者との打ち合わせ内容は…
・会場にお客さんが揃ったら部屋の照明を暗くしてピアノにスポットを当てるので、なにか1曲弾いてほしい。
・1曲終わったら司会者が私のことを紹介するので簡単に自己紹介してほしい。
・その後、続いて1〜2曲弾いてほしい。
 ということでした。

 まー、先日のライブの店の「やっと入籍を祝う会」でのピアノ演奏は1時間前の依頼だったけど、今度は会場に着いてからの依頼かぁ!こうも直前の依頼が続くと、こちらもなんだか感覚が麻痺してくるというか、それが当たり前みたいな気になってくるというか、人間の慣れとは怖いものです。
「もう、時間が無いですね。すぐ会場に行ってピアノさわってみます。」

 会場を覗くと、大屋根を開いたグランドピアノ。さっそく掛けて弾いてみます。
 すると、びっくり!
「ひえ〜っ、なんだぁこのピアノ!音が出ないっ!」

 これまでいろんなところでいろんなピアノを弾いてきたけど、こんなピアノ初めてだぁ!
 全然鳴らない!響かないっ!
 慌ててピアノの中の弦のところを覗いてみます。別に変った様子はありません。覗きながら鍵盤を押してみます。ちゃんとハンマーは弦を叩いています。ダンパーもちゃんと上がっています。なのに!音が鳴らない!どういうこと?これじゃ演奏にならないよ〜!

  あー、あと5分もしたらお客さんが会場に入ってくるぞ。このままなら早く受付に戻ってこのピアノじゃ弾けないってママに断ってこなくちゃ。
 会場を見回すと向こうの方にホテルの会場係りの人が出たり入ったり、最後のチェック中です。
「どうしよう、あの人に聞いてもピアノのこと分かるかなぁ。分かる人を呼びにいったりしてたら、もう時間切れになっちゃうぞ!」
 焦りながら、もう一度ピアノの中をよーく覗いてみました。
「ん?これはなんだ?」
 ハンマーが弦を叩く辺り、弦の裏側にチラッと白いフェルトが見えるではありませんか。ん?ひょっとしてこれか?どうもこれが弦を押さえてるみたいだぞ。消音装置か?
 ということは、このフェルトを外す装置がどこかにある?

 急いでピアノの中や外、鍵盤の周りを見回しますがそれらしい物も見当たりません。アップライトピアノの場合は確かどれかのペダルで消音フェルトを操作するようになっていると聞いたことがある。3本のペダルをそれぞれ踏みながら試してみます。ダメ…。全く変りません。

 はて、困った。刻々時間は過ぎていきます。焦りながら鍵盤の方からピアノの下に手を入れて探ってみると…、左端の奥のほうになにか触るものが。しゃがんで覗いて見ると小さな黒いレバーのような物が見えます。これか!レバーを押したり引いたりしてみます。そしてもう一度鍵盤を弾いてみたら…。やったぁ!音が出る!消音装置が外れたようです!

 ほっとする間もなく、お客さんがパラパラ入り始めました。さっきの司会者との打ち合わせではお客さんが揃ってからまず1曲、ということでしたが、まあいいや、指慣らしを兼ねてこのまま何か弾いていよう。
 この前からさんざんやってるコード進行のアドリブ弾き♪アルペジオ中心にタラタラと音を出しながらこのピアノの鍵盤の重さや音の響き具合を感じてみます。それにこうやって音を出しているうちにさっきまでの焦った気持ちを落ち着かせなくちゃ、ですね。
 ちゃんとした曲を弾くまでの15分間、適当に音を出してみる、というのも本番前のリハーサルみたいで、こうして指と気持ちをほぐすにはちょうどいいかも、ですね。

 …という訳で、受付での突然の依頼と消音装置の掛かったピアノ初体験。一時は焦りまくったan弾手でしたが、なんとか本番を乗り切れてやれやれの今年の八雲会忘年会なのでした。

 さてさて、今年もan弾手のつたないコラム、お読みいただいてありがとうございました!そしてたくさんのメール、ありがとうございました!皆さまからのお便りを読ませていただきながら、いろんな所でいろんな方が、いろんな思いでピアノを楽しんでいらっしゃることを感じて、私もとても励みになりました。
 音を楽しむピアノ。自分のペースで気ままに楽しむ鼻歌ピアノ。Andante(歩くような速度で)、暮らしの中で楽しむピアノ。そんな初心を思い出しながら、来年もピアノと付き合っていけたらいいなぁと思っています。そしてそして、たくさんの皆さまの声に励まされながら、皆さまとご一緒にピアノ楽しんでいけたら、もっとうれしいです。

 来年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
 皆さま、どうぞよいお年を!

(続く→随時更新)

an弾手(andante)

■Q&Aコーナーのご質問を募集しています。
 随時、このコラムの中で取り上げてみようと思います。このコラムはコード奏者超初心者から中級の入口位の方を想定していますので、その範囲ならどんな内容でも結構です。メールお待ちしています!
piano-roman@kumamoto-bunkanokaze.com

ちょっと、ひと言。
 毎日、仕事で使っている手帳。ハンディサイズのやつをいつもスーツのポケットに入れています。今年のページも残り少なくなってしまいました。いつもならこの時期はもう新しい手帳を使っているはずなんですが、今年はまだ買い出してないぞ〜。今年の手帳に来年の予定をあれこれ記入しています。
 ここ数年使っているこのタイプの手帳、前年の11月から翌年の3月まで記入ページがあって便利です。それまで使っていた手帳は、年末になると翌年の1〜2月の予定が書けないし、だからといって新しい手帳に変えると当面の年末の予定が書けない、ということで不便でした。でもこれは11月から翌年版の新しい手帳が普通に使えるし、年末になっても次の3月まで予定が記入できます。随分書店の手帳コーナーを回って見つけた手帳で、気に入っています。このタイプの手帳、あまり見かけないようで、皆さん不便に感じてないのかなあ、と不思議です。
 ともあれ、真っ黒く書き汚した手帳を見ていると、この一年がよみがえってくるようです。さて、来年の新しい手帳にはどんな予定が書き込まれていくんでしょうか。
 
−an 弾手−


第182回「2007年新企画のお願い!」 [2007.1.4]
 明けましておめでとうございます。
 おかげさまでこのan弾手のピアノ奮戦記も、新しい年を迎えることが出来ました。思えば2002年8月に第1回を書き始めてからあっという間に4年4ヶ月以上が過ぎた事になります。この間、お読みいただいたたくさんの皆さま、本当にありがとうございました。皆さまに読んでいただいたお陰で、私もこれまで続けてくる事が出来ました。感謝の気持ちでいっぱいです。皆さまからのメールやBBSの書き込みがどんなに私を勇気付けてくれたことか。それがなかったら、もうとっくにこのコラム、頓挫していたと思います。

 それにしても、皆さまからのお便りを拝見していると、大人になってからピアノを弾いてみたい、と思っておられる方が本当にたくさんいらっしゃるな〜と改めて感じます。
 そして、その中でも
 「大人になってからピアノ弾きたいと思っているのは自分だけではないんだ。」
 「もう無理かもしれないと思っていたけど、このコラムや他の人の話を読んで希望が湧いてきた。」
 「こんな感動的な体験をした!」
 「ピアノを始めて、人生の新しい楽しみが出来た!」
 などのメッセージには私もとても共感するところがあります。
 私自身と同じ思いの仲間がたくさんいらっしゃるということはとても心強いですし、多くの読者の方もきっと同じ気持ちをお持ちではないかなぁ、と思います。

 そこで今回の本題なんですが。(前置きが長くなっちゃいました!)

 2007年の新企画!「読者の皆さまの体験レポート(私のピアノ体験談)大募集!」で〜す!

 なんじゃそりゃ?と言われそうですが…(汗)

●企画の趣旨は、簡単に言うと
 読者の皆さまから「大人になってからのピアノ体験」をお寄せいただき、このコラムの中でご紹介しあおう、というものです。
 いろんなところでいろんな人がいろんな形でピアノを楽しんでいるのをお互いが紹介しあって励ましあえれば、と思います。
 「そんなもの、書きたい人が掲示板に書けばいいじゃん」
 という考えもあるかもしれませんが、掲示板に突然自分の体験談なんか、書きにくいですよね。
 これまでにもan弾手宛にはたくさんの体験レポートをいただいていますし、そのうちのいくつかはご本人のご了解を頂いてこのコラムでもご紹介してきましたが、今回それをあらためて大々的に募集してみよう、という趣旨なんです、というかan弾手の思いつきなんですけど…。
 いかがでしょうか。ご賛同いただける方は、ぜひ、あなたの大人からのピアノ体験レポート、送っていただけませんでしょうか!(お願いしま〜す!)

 この企画、じつは発表するのがとても怖かったんです。反響なかったらどうしよう…って。でも、新年を機会に、ダメもとで思い切ってお願いすることにしました!反響なくて企画倒れになるかも知れませんが、その時はごめんなさい…

 お寄せいただいたレポートは一応私のほうで確認させていただいてから、なるべく早い時期にこのコラムの中で特集を組んでみたいと思います。

 では改めて、お願いしたい内容を整理してみますね。

 ●あなたの「大人になってからのピアノ体験談」をお寄せください。
 ●以前ピアノをされていて、改めてまた始められたという方もよろしくお願いします。
 ●内容は問いません。どんなに短くても、どんな長編力作でも結構です。
 ●何を書いたらいいのか分からない方は…
・ピアノを始めたきっかけ
・どんな風にやっているか(独学、教室、先生に付いて、…)
・なにかエピソード(感動した事、うれしかったこと、困った事、など…)
・練習で工夫している事
・やってみての感想…
   などなど、どんなことでも結構です。また、以前のan弾手コラムもご参考にされてください。→バックナンバー第139回141回157回158回167回179回など。
もちろんこれらは例えばの例ですからこれにこだわらなくてもお好きなように書いていただいて結構です。
 ●お名前(本名でもハンドルネームでも構いませんがan弾手コラムで公表させていただく場合があることをご了承ください)、性別、お歳(40代、50代などでも構いません)、ご職業、お住まいの地域(都道府県のみで構いません)をお書き添えください。
 ●レポートはメール(メール本文、又はワードなどの添付)でお送りください。
 メールアドレス→piano-roman@kumamoto-bunkanokaze.com
 ●締め切りはとりあえず平成19年1月末を第1次締め切りにしたいと思います。
 ●すみませんがご応募やコラム掲載へのお礼はありません。みんなが勇気や希望をもらってお互いにピアノへの思いを新たにすることが出来たら、それが何物にも替えがたいお互いへのプレゼントだと思っていただけたらうれしいです。

 以上です。
 改めてお願いします!出来るだけたくさんの方にピアノ体験談をお寄せいただいて私にも元気をください!そして全国(世界中)のたくさんの方にあなたの元気を分けてあげてください!自分なんか…、この程度では…、なんて思わなくていいですよ。始めたばっかりの方、既にバリバリ人前ピアノの方、あるいはまだ始めてないけどこれから始めようと決心したばっかりの方、などなど、出来るだけ色々な環境、立場、経験の方に参加していただきたいと思います。みんなで盛り上がりましょう!そして、自分のピアノへの思いを再確認しましょう!

 ご応募はこちら
 piano-roman@kumamoto-bunkanokaze.com

(続く→随時更新)

■Q&Aコーナーのご質問を募集しています。
 随時、このコラムの中で取り上げてみようと思います。このコラムはコード奏者超初心者から中級の入口位の方を想定していますので、その範囲ならどんな内容でも結構です。メールお待ちしています!
piano-roman@kumamoto-bunkanokaze.com

ちょっと、ひと言。
 本当に新年になっちゃいました。
 今年のお正月はいかがお過ごしだったでしょうか。私は恩師の家訪問、同窓会、ライブの店の忘年会、遅れていた年賀状書き(!)、自宅のトイレ磨き、で年が暮れて、新年は帰省してきた子供達と家族で初詣の後、自宅でちょこっと弾き初めしながらごろごろ。その後1人会社に出て年末に終わらなかった自分の机周りの資料整理〜っ(正月休みに何やってるんだ!)、なんてやってるうちに仕事始めとなってしまいました!
 さて、今年はどんな年になるかなぁ。
 
−an 弾手−


第183回「2007年新企画!途中経過ご報告」 [2007.1.16]

 みなさまのピアノ体験談をお寄せください、って、前回(第182回)にお願いしました2007年新企画! 正直なところ、反響なかったらどうしよう…って心配していたんですが、早速何人もの方からメールをいただき、うれしいです!ありがとうございます!

ピアノを始めて半年という43歳のアラさん。初メールでのご投稿、ありがとうございます!

電子ピアノで9ヶ月のイチカワさん。しばらく振りです!

ピアノ歴2年余りの森田さん。今年の暮れには70歳になられるんですね。ピアノへの思いのこもったご投稿、ありがとうございます!

5歳からピアノを始めて紆余曲折、いまや作編曲にもチャレンジ中の自称「中年おばさん」?長文の大作、ありがとうございます。新しい世界、楽しみですね!

歌謡教室を主宰しながらピアノ弾き語りを楽しまれている津川さん。私も津川さんのHPで勉強させていただいています!

ピアノを始めてもうすぐ2年のてびちさん。暮らしの中に溶け込んだピアノとのお付き合い、ステキですね!

投稿予約をいただいたピアノ歴3年のkouさん。ブログ読ませていただいています。ごく普通の日常生活の中でのピアノ日記。そんなごく普通のピアノ体験記、楽しみに待っています!

毎月レッスンの定期ご報告を頂く80歳の「年金生活者?」様。ご自分でコードを工夫しながらメドレーアレンジまでされているご様子、いつも楽しみに読ませていただいています!今回も体験レポート、ありがとうございます。

 等など、皆さまからのご投稿の内容はそのうちにまとめてご紹介したいと思います。
 というわけで、まだまだたくさんのご投稿、お待ちしています!

 企画趣旨を、再度掲載させていただきますので、どうかよろしくお願いしま〜す!


●2007年の新企画!「読者の皆さまの体験レポート(私のピアノ体験談)大募集!」

 この企画は読者の皆さまから「大人になってからのピアノ体験」をお寄せいただき、このコラムの中でご紹介しあおう、というものです。
 いろんなところでいろんな人がいろんな形でピアノを楽しんでいるのをお互いが紹介しあって励ましあえれば、と思います。
 これまでにもan弾手宛にはたくさんの体験レポートをいただいていますし、そのうちのいくつかはご本人のご了解を頂いてこのコラムでもご紹介してきましたが、今回それをあらためて大々的に募集してみよう、という趣旨なんです、というかan弾手の思いつきなんですけど…。
 いかがでしょうか。ご賛同いただける方は、ぜひ、あなたの大人からのピアノ体験レポート、送っていただけませんでしょうか!(お願いしま〜す!)

 お寄せいただいたレポートは一応私のほうで確認させていただいてから、なるべく早い時期にこのコラムの中で特集を組んでみたいと思います。

 では改めて、お願いしたい内容を整理してみます。

 ●あなたの「大人になってからのピアノ体験談」をお寄せください。
 ●以前ピアノをされていて、改めてまた始められたという方もよろしくお願いします。
 ●内容は問いません。どんなに短くても、どんな長編力作でも結構です。
 ●何を書いたらいいのか分からない方は…
・ピアノを始めたきっかけ
・どんな風にやっているか(独学、教室、先生に付いて、…)
・なにかエピソード(感動した事、うれしかったこと、困った事、など…)
・練習で工夫している事
・やってみての感想…

   などなど、どんなことでも結構です。また、以前のan弾手コラムもご参考にされてください。→バックナンバー第139回141回157回158回167回179回など。
もちろんこれらは例えばの例ですからこれにこだわらなくてもお好きなように書いていただいて結構です。

 ●お名前(本名でもハンドルネームでも構いませんがan弾手コラムで公表させていただく場合があることをご了承ください)、性別、お歳(40代、50代などでも構いません)、ご職業、お住まいの地域(都道府県のみで構いません)をお書き添えください。
 ●レポートはメール(メール本文、又はワードなどの添付)でお送りください。
 メールアドレス→piano-roman@kumamoto-bunkanokaze.com
 ●締め切りはとりあえず平成19年1月末を第1次締め切りにしたいと思います。
 ●すみませんがご応募やコラム掲載へのお礼はありません。みんなが勇気や希望をもらってお互いにピアノへの思いを新たにすることが出来たら、それが何物にも替えがたいお互いへのプレゼントだと思っていただけたらうれしいです。

 以上です。
 改めてお願いします!出来るだけたくさんの方にピアノ体験談をお寄せいただいて私にも元気をください!そして全国(世界中)のたくさんの方にあなたの元気を分けてあげてください!自分なんか…、この程度では…、なんて思わなくていいですよ。始めたばっかりの方、既にバリバリ人前ピアノの方、あるいはまだ始めてないけどこれから始めようと決心したばっかりの方、などなど、出来るだけ色々な環境、立場、経験の方に参加していただきたいと思います。みんなで盛り上がりましょう!そして、自分のピアノへの思いを再確認しましょう!

 ご応募はこちら
 piano-roman@kumamoto-bunkanokaze.com

(続く→随時更新)

■Q&Aコーナーのご質問を募集しています。
 随時、このコラムの中で取り上げてみようと思います。このコラムはコード奏者超初心者から中級の入口位の方を想定していますので、その範囲ならどんな内容でも結構です。メールお待ちしています!
piano-roman@kumamoto-bunkanokaze.com

ちょっと、ひと言。
 今日、仕事で博多まで行ってきました。駅でちょっと時間があったのでぶらっと書店へ。とりあえずは新書のコーナー。講談社の「40歳からのピアノ入門」が、ちゃんと並んでるかどうかチェックです。
 おっ、ありました!2冊。1冊は書棚に差し込んで背表紙が見える状態。あと1冊はというと、しっかり表紙が見えるように陳列してありました! まあ、単なる自己満足ですが…。一応、お客さまの目に触れやすい状態で陳列してあると嬉しいものです。
 で、ついでに目に入ったのがNHK出版の生活人新書で「団塊フリーター計画」という本。帯に「何をするか」NO!「どう生きるか」YES!とある。
 最近は団塊世代論が巷にあふれていて、またか、という気がしないでもないけど、ついつい手を伸ばして買ってしまいました。同世代のことをどんな組み立てでどんな本に仕立ててあるのか、気になるところではありまして…。
 
−an 弾手−


第184回「お互いに夢は大きく!?スナックでご対面の巻」 [2007.2.6]

 年頭からお願いしていました皆様のピアノ体験談、それぞれに思いのこもったメッセージをお寄せいただき、ありがとうございました!感謝感激です!!
 とりあえず1月末を仮締め切りということにしていましたので、今までのところで一旦まとめてみたいと思います。でもあくまで「仮締め切り」ですから、この後も引き続き皆さまからのメール、好評受付中です!よろしくお願いしますね!
(初めてお読みの方はバックナンバー第182回183回をご覧下さい。)
 で、このページでのメッセージのご紹介は、スミマセンがもうしばらくお待ちください。なるべく早く、ご紹介のページを作りたいと思っています。

 という訳で、今回はちょっと夜の街ネタでお茶を濁しま〜す。

 夜の街ネタ、と言っても、またまたピアノ弾いた、って話じゃないですよ。
 しばらくご無沙汰していたスナックのママからメールが来ました。
「今度の金曜日、街に出てませんか?ちょっと寄れません?」って。
 ここまでだったらいつもの営業メールなんですが…。今回はその後がありました。
「ぜひan弾手さんに会ってほしい人がいるんです。その人が今度の金曜日に店に来るって。」
 ほぉ〜、会ってほしい人、ねぇ。ちょうどその日は仕事の会合で夜の街に出る日だ。
「9時過ぎだったら寄れるかもしれないけど。」って返信します。
 …しかし。会ってほしい人、って言われてもねぇ。結局はちょっと手の込んだ営業メールかなぁ。まあ、それはそれでいいか。久し振りだし。な〜んて半分失礼な事を考えながらも、本名じゃなくan弾手さんに、と言われるとやっぱり気になります。

 さて、当日。会合が9時過ぎに終りました。
「行けるのは9時半過ぎになるけど。」とメール。
「11時までここで待ってるって。」と返信。
 へぇ、その人本当に来てるんだ。それじゃ急いで行かなくっちゃ。

 店のドアを開けると…
 えっ、なんだぁ?花金というのに20人くらいは入れる店内にお客さんがポツンと1人。カウンター席に中年のおじさんとママ。前に女の子が3人。他に誰もいないので、そのおじさん独占モテモテ状態。
「あ、いらっしゃい!久し振り! ほら、こちらの方。ご紹介しますね!」
 という訳で、その方とご対面と相成りました。

 お話を聞いたら、なんとその方、私の本の読者様でしたぁ!ありがとうございます!
 なんでも、前の週にこの店に来て、最近ピアノを始めてね、ってお話をされたらしい。
 それを聞いたママが、
「ピアノだったらうちのお客さんでan弾手って名前で本を書いた人がいますよ。」
 そしたらその方、
「えっan弾手!?いや、実は僕がテキストに使っているのがan弾手の本なんだよ!」っていう風につながったらしい。

 いやぁ、それはそれは。私の拙い本を使っていただいて恐縮です!
「びっくりしました。あの本(お父さんのためのピアノ曲集・フォークソング)の著者が熊本の人だったなんて。出張先の書店であの本を見掛けてちょっと気になってたんです。で、熊本に帰ってから近くの書店に行ったらそこにもあった。それですぐに買って始めました。ピアノは家に誰も弾いていないのがあったからですね。
 若い頃、ギターでフォークソングを弾いた事があったのでコードには馴染みが有りました。でもコードでピアノを弾くということは思いもしなかった。で、あの本でやってみたらすぐ弾けた!まさに目からウロコでしたよ。今はピアノを弾くのが楽しくて楽しくて。朝、出勤前に弾いて、夜帰ってからまた弾いて。」
 う〜む、私がコード奏法にハマッた頃にそっくりだ!でも私はさすがに出勤前に弾く余裕は無かったなぁ。 「始められてからどの位になりますか?」
「いやぁ、まだ2週間です。でももう2曲弾けるようになりました。あの〜、せっかくですからちょっと質問していいですか?」
「ええ、どうぞ!」
「左手はあの楽譜通りに弾かなくちゃいけないですか。自分ではちょっとリズムを変えてみたいところがあるんですが。」
「どうぞどうぞ変えてください!あの楽譜はあくまでもひとつの演奏例ですから。好きに変えていいんですよ。」
「そうなんですね、よかった。それから、いま左手のパターン(3)を練習しているんですが…」
「ああ、15度のパターンですね。」
「はい。あれでCは分かったんですが、Cmの時はどんな風に弾いたらいいんですか?」
「マイナーコードは3度の音を半音下げます。15度のパターンでは10度の音を半音下げます。CmだったらE♭の鍵盤を弾きます。」
「それじゃ左手パターン(3)では中指でE♭の黒鍵を弾けばいいんですか?」
「その通りです!」
 って、目の前に本も鍵盤もなく、言葉だけでこれだけの話が通じるって、すごい!若い頃ギターをやっていたとはいえ2週間でここまで理解されるとは驚きです。
「今日は著者に直接お話が聞けて嬉しいです。」
「私こそ、私の本でピアノが弾けるようになったと言っていただいて嬉しいです!」

 考えてみれば、私の知らないところで、こうして多少とも私の本をきっかけにピアノを楽しまれている方が沢山いらっしゃるんでしょうね。そう思うととても嬉しいです。当初、自分ひとりだけのピアノとの関係だったのが、こうして沢山の方のお陰で社会的な広がりを持つ事が出来るようになって、本当にありがたいと思っています。ありがとうございます!

 で、二人の会話を横で聞いていたママ。
「この店、そのうちにもう少し広い場所に移ってピアノ置くから、その時は専属ピアニストで弾いてくださいね!」
「えーっ、まだピアノ始めて2週間だよ。そんな先の事は。」
 いえいえ、どうせ遊びですから。そのくらいの大ぼらを楽しむ気持ちでちょうどいいかもですね、ご同輩!

 続けて、ママがひと言。

「お互いに夢は大きく持ちましょうよ!目標があった方が頑張れるから…」

 半分は自分自身に言い聞かせるような口調に、女一人でこの店を切り盛りしている若いオーナーママの本音をチラッと覗いたような気がしたのは、私の考え過ぎだったでしょうか。

(続く→随時更新)

an弾手(andante)

■Q&Aコーナーのご質問を募集しています。
 随時、このコラムの中で取り上げてみようと思います。このコラムはコード奏者超初心者から中級の入口位の方を想定していますので、その範囲ならどんな内容でも結構です。メールお待ちしています!
piano-roman@kumamoto-bunkanokaze.com

ちょっと、ひと言。
 立春を迎えたと思ったら、いきなり暖かくなりました!
 今日(2月5日)は3月末の陽気だったとか。夕方6時に車を運転していて温度計が17度でしたもんね。このまま春になるとは思えませんが、季節の移り変わりの速さには今更ながらため息(?)をつくばかりです。
 ところで、今度の日曜日に清和物産館で「清和高原冬野菜deフランス料理」というイベントがあるらしく、参加の呼びかけがあったので申し込んでおきました。数日前まで「今、清和は雪国です」と聞いていたので、山道が凍結していたらどうしよう、って軟弱な心配をしていたんですが、この陽気なら大丈夫そうですね。
 さて、清和の冬野菜がどんな風にフランス料理に化けるのか、楽しみにしとこ。
 
−an 弾手−


第185回「信じる」

[2007.2.13

 それまでピアノを弾いた事が無かった37歳の男性が、4ヶ月間でNHK学校音楽コンクール中学校の部の合唱課題曲のピアノ伴奏を独習でマスターして伴奏する。そんなことが可能でしょうか。
 そんな無謀とも思えることを約束してしまった人がいます。約束の締切日は3月9日。実際はコンクールで弾くのではないのですが、卒業式までに自分の伴奏でクラスの生徒たちと合唱をしよう、と約束してしまった担任の先生です。

 え、突然何の話かって?
 実は先日、その先生からメールを頂いたんです。私の「40歳からのピアノ入門」をお読みになったらしい。
「4ヶ月で何とかしようと思っていたがあっという間に3ヶ月が過ぎ、まだ前奏が片手で何とか弾ける程度。あと1ヶ月間、コード奏法にチャレンジして伴奏が弾けるようにならないだろうか。」
 という趣旨でした。
 もちろん、コード奏法で合唱曲の伴奏をするのは可能ですが、今からコードのイロハを勉強しながらそれなりの合唱曲の伴奏を1ヶ月足らずの間に独学で仕上げる、というのは(大丈夫、出来ますよ、って普段ならすぐ言ってしまいそうな私でも)さすがに絶望的に思えます。先生の手元にあるピアノ楽譜は伴奏用の2段譜らしい。もちろんコードが振ってあるわけではないのでまずコード付けの作業から必要です。コードを付けても、それをどんな風に弾いたら伴奏になるか、具体的に教える人がいないと手も足も出ないでしょう。
 直接お会いしてお話が出来れば、可能性も含めて何をどうすればいいか私も判断のしようがありますが、何せ神奈川県にお住まいで、熊本在住の私にはそれもかないません。

 この先生、どうしてこんな無謀とも思える約束を生徒としてしまったのか。しかし、メールでそのいきさつをお聞きして、私はすっかり感動してしまいました。いじめや学校の不祥事ばかりが報じられている昨今ですが、学校の現場では先生と生徒さんとのこんな心温まる話があったんです。

 以下、先生から頂いたメールの一部です。

 うちの中学校では毎年秋に合唱コンクールがありましてわが3年2組はこの曲でチャレンジし、金賞を目指しました。毎日の練習で伴奏する生徒を見ていて、自分もこんな風に伴奏できたら気持ちいいだろうなあと思っていました。

 本番を数日後に控えたある日、生徒を発奮させるために、もし金賞をとれたらみんなが卒業するまでに自分が伴奏するから、と約束してしまった(!?)のです。
 結果、金賞はとれなかったのですが、コンクールの後、伴奏の生徒からクラス全員のメッセージ入りの楽譜をプレゼントされ、
 「金賞はとれなかったけど、すばらしい合唱だった。これは十分に金賞に値する。みんなは、これから受験勉強を頑張る。先生はピアノを頑張るから」
 と宣言してしまったのです。

 というわけで、卒業までに私の伴奏でみんなで歌おうということなのです。
 勝算は、というと妻が音大出身で家にピアノがあって練習し放題ということ、まだ4ヶ月あるから素人でもなんとかなるだろうという甘い考え、だけでした。
 しかし、妻に言わせると
 「簡単な曲ならともかく、素人がいきなりフラットが5つも付いてるような曲は無理。私は教えられないよ」
 と、とりつく島もなく、4ヶ月という時間も中3の担任で進路事務に追われる毎日で瞬く間に過ぎ、現在に至った次第です。

 3ヶ月やっても前奏が片手でなんとか弾けるようにしかならず、残り1ヶ月、このコード奏法に賭けてみようかと考えました。 ただ、昨日も書いたとおり、楽譜はピアノ伴奏用です。

 最初、私にも無謀に思えた先生の約束。でもクラス全員の寄せ書き入りの楽譜を先生にプレゼントしてくれた生徒さんたち。生徒の受験勉強の頑張りを自分も一緒にピアノで頑張ると宣言した先生。この3年2組の皆さんには、ぜひ素晴らしい思い出をつくって卒業式を迎えてほしいなあと、思います。
 先生のチャレンジは、3月9日に向って、今、現在進行中です!私は遠くに離れていて何も出来ませんが、可能な限りのお手伝いと応援のエールを送りたいです。これをお読みの読者の方も、ぜひ応援してくださいね!

 ちなみに、その課題曲のタイトルは「信じる」。
 先生と生徒さんたちが中学生活を通して一緒に育んできた大切な何かを象徴しているような気がしませんか?

(続く→随時更新)

an弾手(andante)


■Q&Aコーナーのご質問を募集しています。
 随時、このコラムの中で取り上げてみようと思います。このコラムはコード奏者超初心者から中級の入口位の方を想定していますので、その範囲ならどんな内容でも結構です。メールお待ちしています!
piano-roman@kumamoto-bunkanokaze.com

ちょっと、ひと言。
 この前の日曜日、山都町・清和物産館で開催された「清和高原冬野菜deフランス料理」という会に参加してきました。東京の一流シェフを招いて、清和産の野菜を使った料理を楽しもう、という趣旨です。
 会場は、去年の秋ピアノお披露目会が開かれた郷土料理館。ひょっとしたら、と思ったんですが、案の定「ピアノ弾いてください」という話に。声を掛けていただけるのはありがたいことですが、本番では思わぬハプニング続出!(汗)。その顛末は近いうちにコラムでご紹介出来れば、と思っています。
 心配した天候にも恵まれ、ぽかぽかと春のような陽気。周囲360度ガラス張りの会場の外には、のどかな早春の光にあふれた山村風景が広がり、美味しい料理と共に久しぶりにのんびりした時間を堪能させていただきました。ピアノ演奏以外は…。
 
−an 弾手−


第186回「読者の皆さまの体験レポートご紹介!」その(1)

[2007.2.20]

ジャジャーン!お待たせしました!

 今年初めから募集しておりました「読者の皆さまの体験レポート(私のピアノ体験談)大募集!」。1月末の仮締め切りから随分時間が経ってしまいましたが、やっとご紹介させていただきます!
 レポートをお送りいただいた皆さま、ありがとうございました!
 レポートは送れないけど、他の人の体験談は楽しみにしてます、とメールをくれた皆さまも、ありがとうございました!
 みんな人それぞれ。でも、みんなピアノに寄せる思いはどこかで通じるものがあるような気がして、読みながら温かい気持ちになりました。


 ●まずは、an弾手に定期的にメールを頂く中の最高齢者。御歳80歳の中川貴様。ピアノを始められてからまだ数年のようですが、毎月1回、ピアノ報告メールが届きます。いつもユーモラスに謙遜のお言葉を書いていらっしゃいますが、どうしてなかなか、ご自分でメドレーアレンジにも挑戦されるなど、工夫しながらピアノを楽しまれているようです。
 an弾手さんから、特別企画に参加するようお誘いがありました。昨年一年間、色々教えて頂いたり、励まして頂いたり、時には愚痴っぽい話にお付き合いを願ったりして、散々ご厄介をお掛けしたのですから、こんな時に協力申し上げなければ「男がすたる」と、一寸粋がってみたものの、ですが-----。
 さて、何を書こうかなあ???〜 →(全文を読む)


●次はピアノを始めて半年ほどのお父さん。千葉県にお住まいの43歳の会社員の方です。
現在、3月18日の発表会に向けてZONEの「glory colors風のトビラ」という曲を練習中とか。私の「鼻歌ピアノ」に共鳴される一方、ピアノ解説書で色々な練習の方法を研究されるなど、なかなか勉強熱心な方です。
〜先週日曜日に偶然、図書館から借りてきた本「ピアノ・テクニックの基本」(ピーター・コラッジオ著・坂本暁美訳)を読み進めるうち、「レッスンにおける初見の重要性」を読み、雷に打たれた思いがしました。ここでは「譜面の初見能力を高めるべきで、演奏を機械的反復で学んではだめ」と書いてあるではありませんか。これまで私がやってきたことは〜 →(全文を読む)


●こちらは今年70歳になられる森田義徳様。お母様の嫁入り道具のグランドピアノを修理して練習を始められ2年余。周囲も驚く上達ぶりで、ミニコンサートもご計画とか。今年のクリスマスには森田様が奏でるジングルベルが聴かれそうです。
〜今年暮れには満70歳、まさかピアノに挑戦しようとは夢にも思わなかったし、周囲も一様に驚いているようだ。妻は「パソコンのキーがあれだけ打てるのだから、ピアノだって!」と、当初激励したのが、「でも、本当にこれほど弾けるとは思わなかった、努力は認める」と楽屋裏からのほめ言葉になる。〜 →(全文を読む)


 ●こちらは、ピアノ歴9ヶ月、東京のイチカワ様。
 家電量販店の楽器コーナーでキーボードに触ったのがきっかけでピアノの虜に。その後、独学からやがてピアノ教室に通い始め、自分でピアノを演奏する楽しみを見つけられたようです。
 ピアノ体験と言っていいのか分かりませんが……。何しろ、私がいつも練習しているのは、電子ピアノなんですから。ピアノを弾いてみたいと、思ったのは、家電量販店の楽器コーナーで、キーボード:ピアノの音色を鳴したのがきっかけでした。今にして思えば、おもちゃのような物だったので、それなりの音でしたが、音色の美しさに惹かれ、後に、キーボードを購入。それから〜 →(全文を読む)


●ところで、前回のコラム(第185回)にご紹介しました、ある中学校3年2組の先生のお話、まさに「私のピアノ体験談」ですね。それも3月9日に向けての現在進行形の話でしたので、前回急遽ご紹介しました。その後、新しい進展がありましたらまた続きをご紹介するかもしれません。

 ということで、まだまだ他にも体験談頂いていますが、長くなりますので引き続き次回にご紹介することにします。どうぞお楽しみに!
 ありがとうございました!

(続く→随時更新)

an弾手(andante)

■Q&Aコーナーのご質問を募集しています。
 随時、このコラムの中で取り上げてみようと思います。このコラムはコード奏者超初心者から中級の入口位の方を想定していますので、その範囲ならどんな内容でも結構です。メールお待ちしています!
piano-roman@kumamoto-bunkanokaze.com


ちょっと、ひと言。
 2月も、もう20日。年度末ですね。
 年度末が近づくとお役所関係の見積もり依頼が増えます。このところ仕事はそっちのけで毎日見積もりばっかりやってる感じ。まあ、それも仕事なんですが…。更に、発注が決まると今年度の仕事なので納期は3月末。それはそれで大変です。いえいえ、贅沢は言ってられませんね。忙しいって事はありがたいことですから。
 しっかし…、納期の無い仕事をいくつも抱えて頭の中がパニック状態!
 さて、今日はこれからあと3本、見積もりしなきゃ。
 (ごめんなさい!今回はぼやきネタでしたぁ)
 
−an 弾手−


第187回「読者の皆さまの体験レポートご紹介!」その(2)

[2007.3.6]

 さてさて、前回に引き続き、読者の皆さまの体験レポートご紹介その(2)です。
 前回と同じように数名の方をまとめてご紹介しようかとも思ったのですが、実は今回ご紹介のレポート、大変な力作でして…。これだけで通常のan弾手コラムの数回分の分量がありますので、今回はお1人だけにさせていただきます。


●今回は埼玉にお住まいの、ハンドルネーム「白と黒」さん。自称、中年おばさんです。
 メールを頂いてびっくりしました。すごい!方です。なにが、って、そのピアノに懸ける思いとパワー!そして行動力!
 若い時からのピアノ経験もお持ちのようですが、正統なクラシックのレッスンには馴染めず、自己流の音遊びの中でピアノと付き合ってこられたらしい。そして、最近、某有名なピアノの先生に出会われて新しい自分の世界を広げられつつあるようです。私、an弾手など及びも着かないような才能とパワーをお持ちですが、レッスンや人前ピアノなど出たとこ勝負の中で自分の世界を広げておられる感覚が、どこか私のピアノ体験と共通するところもありそうで楽しいです。また、レッスン内容のお話もとても参考になりますよ。

 〜ちょうどそのころ職場の慰安旅行がありました。(2004 10 豪華客船飛鳥クルーズ 横浜→四日市)またべたなんですが、その客船のシネマボックスで流れていたのが「船上のピアニスト」。いやあ、感動しちゃって、そのまま食後ピアノラウンジに行ったのがいけなかったのですね。
 大好きなカクテルXYZをひっかけて、ほろ酔いになって抑制がぶっ飛んでいたために「船上のピアニストごっご」がむくむくとしたくなり、このミーハーかつ中年の強気おばさんは飛鳥専属のピアニスト(外国の方、コミュニケーションは英語で)にねだって一曲弾かせてもらいました。
 実に「ええきもち」でしたよ!!。なりきりピアノというのは酒の酔いの手伝いもあってとってもリラックスして弾けるものですね
 いやあ驚きました。弾いたのは手前味噌の我流ピアノソロでフレディーマーキュリー作私編曲のlove of my life.
 ピアニストの方も気分が乗ったみたいで、ビートルズの曲やらフォークソング(日本のではなくていわゆるトラディッショナルなやつ)いろいろピアノ演奏してくれ、それにあわせて私も歌う!というとっても楽しいピアノラウンジジャックのひと時でした。〜 
(全文を読む)


(続く→随時更新)

an弾手(andante)

■Q&Aコーナーのご質問を募集しています。
 随時、このコラムの中で取り上げてみようと思います。このコラムはコード奏者超初心者から中級の入口位の方を想定していますので、その範囲ならどんな内容でも結構です。メールお待ちしています!
piano-roman@kumamoto-bunkanokaze.com

ちょっと、ひと言。
 この「ちょっと、ひと言」欄にはなるべく季節の話題を書くようにしています。そうしておくと後で読み返した時に季節の移り変わりが分かって、その時の気分や時間の流れのようなものがフウ〜ッと思い出せるんですよね。
 ところが、です。このところ季節の話題が書きにくい。この前の日曜日はまるで初夏の暑さで、家の中で思わず靴下を脱いだらこれが気持ちよくて。ずうーっとそのまま素足で過ごしてしまいました。
 しかし、週が明けたら今度は突然寒くなった。真冬の寒さに逆戻り。まあ、これが本当の気温なんでしょうけど、全く季節感がないったらありゃしない。
 そう言えば今、テレビでスキー場や琵琶湖の異常を報じていました。異常気象で地球が足元から崩れていく話、百年とは言わなくても少なくとも何十年かは先の事かと思っていたら、案外もう今年あたり始まってるんじゃないか、と思えなくもなくなってきた。
…今日は啓蟄です。
 
−an 弾手−


第188回「3年2組の先生、卒業式で遂にピアノ伴奏!」

[2007.3.20]

 バックナンバー第185回の「信じる」でご紹介した、ある中学校の3年2組の先生のピアノ挑戦レポートです。

 合唱コンクールに向けて練習に励むクラスの生徒を励まそうと、「もし金賞をとれたらみんなが卒業するまでに自分が伴奏するから」と約束してしまった担任の先生。実はピアノが弾けないのに!
 そして、コンクールでは金賞は取れなかったものの「みんなの頑張りは金賞に値する!」と、本当に合唱曲のピアノ伴奏に挑戦することを宣言してしまった先生。約束の卒業式までに残された時間は4ヶ月。

 そして、あっという間に3ヶ月が過ぎ、残りひと月足らずになった時に、私、an弾手にメールを頂いたのでした。
「まだ、前奏がやっと片手で弾ける状態です。あなたのコード奏法(?)とやらを使ってあと1ヶ月でなんとかなりませんか?」
 正直、私も焦りました。ずっと横についていれれば何か少しはお役に立てることがあるかも知れない。しかし、その中学校は神奈川県。私は熊本。それに曲のタイトルは「信じる」と聞いても、どんな曲なのかさえも分からない。1ヶ月といえば4週間。
 私がヘタな事を言ってあれこれやってもらっているうちに時間切れになる可能性、大です。

 そこで、神奈川県にお住まいのピアノの先生に応援を頼む事にしました。
 以前、私のコラムを見てメールを頂いたのがきっかけでお知り合いになったピアノの先生です。若い女性の先生ですが、実は昨年の夏、ご主人と一緒に熊本まで来られてご対面!お食事とピアノバーでのひと時をご一緒させていただき、その後もご主人共々すっかり親しくさせていただいていたのです。
 ご紹介するとしたらこの方しかいない。(というか知らない)
 でも、後で知ったのですが、3年2組の担任先生とそのピアノの先生の教室(ご自宅)は電車で2時間も離れていたんですね!すみません、担任先生、往復4時間もかけて通っていただいたなんて!

 そして遂に約束の日、3月9日。卒業式!
 さて、その結末は?

 以下、先生ご自身から頂いたご報告メールです!

 こんにちは

 昨日、卒業式が終わりました。
 以下、その報告です。
 まず3月7日。

 この日は学年集会というのがありまして、なんと学年124名の前で「信じる」を弾くことに!成り行きでそうなってしまったのです。しかも体育館のステージの真ん中のグランドピアノで館内の照明を落とし、スポットライトを浴びて!
 一流のピアニストの方には申し分ない状況なのですが、ずぶの素人にはとっても荷が重い。でもan弾手氏の「人前ピアノの効用」を考え、ありがたくやらせていただくことにしました。ただし、自信のある前奏のみ。その後の部分は、「完成するのは9日だから」と言い張ってしまいました。
 とりあえず、何とか弾けて、みんなから同情の(!?)拍手をもらい、ステージを下りました。

 そして迎えた3月9日。
 卒業式後の最後の学級の時間に、いよいよです。

 みんなの歌に合わせて弾くから、ということにしてもらい(情けない!)、歌に合わせて弾いていったのですが、途中で付いていけなくなり歌だけ進行。見るに見かねて本番で伴奏をやった生徒が助けてくれました。自分が右手を弾き、彼女が左手を弾くという何とも情けない形となりました。
 そして何度も練習して完璧にしておいたラストだけ、「ジャン」と弾いて無事(!?)終了しました。

 そんな伴奏でも大きな声で歌ってくれた生徒たちに感謝、感謝です。

 そして、いつか行われるであろう同窓会のときに、さらにパワーアップしたピアノを披露すると約束しました。(大丈夫か?)
 気が付くと他のクラスはすでに校舎を後にし、在校生の花道へと向かっていました。

 こうして4ヶ月半にわたった私のチャレンジは幕を閉じた・・・・のではなく、これからも続くのです。がんばります。

 本当に今までいろいろとありがとうございました。

(an弾手)
 いやーやりましたね!先生!
 内容はともあれ(?)生徒さんとの約束を見事に果たされたんですね!
 それに卒業式の前々日には学年全員の前でスポットライトを浴びてソロピアノ!
 そして当日は途中から生徒さんと連弾?!まさに師弟「信じ」合っての演奏だったのではないでしょうか。
 
 で、生徒さんの反応は?

 うーん、卒業に向けてこちらが一生懸命練習してきたことは認めてくれていたようなので・・・。それに応えなくては、と大きな声で歌ってくれました。
 ただ、子供たちも「信じる」は合唱コン以降ほとんど歌ってなかったので・・。本番のステージの合唱に比べると雲泥の差がありましたね。自分の伴奏のレベルにちょうど合っていたというか・・・(笑)
 終わった後、すぐ在校生の見送りで下校しなくてはならなかったので詳しい感想は聞いていないのですが・・。恐くて聞けなかったというのもあるんですけど。

 本番で伴奏した女の子からは
「ピアノは私なんかよりうまい、愛情たっぷりの演奏ありがとうございました」
 という大絶賛のメールを翌日もらいましたが。(明らかにお世辞ですが)

 余談ですが、3年2組の学級通信に『「信じる」完成? 未完成?』なる連載をしていた(?) 関係で卒業式前日に生徒の保護者から
「先生のピアノ、楽しみにしているのですが、聴けるのでしょうか」
 というお手紙までいただき、
「いやー、とても人にお聴かせできるような代物では、ございません」
 と丁重にお断りさせていただいた、ということもありました。

(an弾手)
 そうですか、大絶賛のメールですか!
 それに保護者の方からもお手紙を。すっかり名物先生ですね。
 きっと、生徒さんにとっても、もちろん先生ご自身も素晴らしい卒業の思い出になられたのではないでしょうか。これを機会に、たくさんの想いを秘めたピアノとの永いお付き合いをぜひ始められてみませんか。

 それは、ぜひ。
 これからは、「趣味はピアノです」と堂々と言いたいと思っています!

 いろいろとありがとうございました。

(an弾手)
こちらこそ、大きな感動をありがとうございました!
それに、私の突然の依頼に快く応えていただいた神奈川のピアノの先生、ありがとうございました!

(続く→随時更新)

an弾手(andante)

■Q&Aコーナーのご質問を募集しています。
 随時、このコラムの中で取り上げてみようと思います。このコラムはコード奏者超初心者から中級の入口位の方を想定していますので、その範囲ならどんな内容でも結構です。メールお待ちしています!
piano-roman@kumamoto-bunkanokaze.com

ちょっと、ひと言。
 今日(3月19日)は、カメラマン、アシスタントと3人で早朝から福岡へ。ある仕事先の会社案内の撮影でした。営業会議、製造ライン、品質管理、研究開発、配送など、約30カットの場面を、なんとか夕方までかけて撮りました。モデル代わりの社員の方に集まっていただいて会議の場面を作ったり、カメラに写り込む壁のポスターや、余分な荷物、パーテーションなどを片付けたり、工場の配管のホコリを雑巾で拭いたりと、時計を気にしながらのバタバタ肉体労働!どんよりした天気だったこともあり、16時を回ると今度は日没との競争でした!
 しかし、デジタル化のお陰で撮影もスピーディーになったものです。ひところのフィルム撮りだったら倍以上の時間が掛かっていたはずです。
 すっかり日が落ちた帰りの高速道路。疲れたけどちょっとだけデスクワークから離れてしばしの気分転換(?)にもなったかな。さてさて明日はまた、年度末の仕事がいくつもこんがらがった会社へ出勤だなぁ。
 
−an 弾手−


第189回「読者の皆さまの体験レポートご紹介!」その(3)

[2007.4.3]

 今年初めから募集しておりました「読者の皆さまの体験レポート(私のピアノ体験談)大募集!」。1月末の仮締め切りからあっという間にもう4月になってしまいました!
 今回、やっとその(3)のご紹介にたどり着きました。早くからレポートをお寄せいただいた皆さま、遅くなってしまって申し訳ありません。

今回はお二人ご紹介します。

●まずは鹿児島にお住まいのY.Iさん。2005年6月に拙著「お父さんのためのピアノ教室」(ドレミ楽譜出版社)を手にされたのをきっかけに45歳でピアノを始められ、2ヵ月後には近くの教室にレッスンに通い始められたという、熱心な方です。
 これまでにもこのan弾手コラム第139回、第157回でお便りをご紹介させていただきました。
 今回は今年2月のピアノ発表会に出られた時のエピソードをお寄せいただきました。

 〜実は前日の土曜日にリハーサルができるというので出かけていきました。本番と同じ会場で同じピアノで練習できます。私が着いた時には先に、同世代(40代半ばくらい)の男性が弾いていました。
お互いに観客になって聴きあいましょうということになって、私の先生とその男性、その方の先生と観客は3名。たったこれだけでも急に緊張してしまいました。いつもの調子とはうって変わって、とちりまくり、途中何度も止まって「こんなはずでは…?」という思いと、その男性はゆっくりではありましたが無難に弾き終わって、あまりのレベル差に落ちこんで〜 →(全文を読む)

● こちらも大人になってピアノを始められたkouさん、秋田在住の女性の方です。
ピアノを始められたいきさつからレッスンについての思いまで、詳しいレポートをお寄せいただきました。ご自分のブログで、楽しいピアノ日記も公開されています。

 こんにちは。
 遅れてしまいましたが、取り留めのないレポートをまとめてみました。(笑)
 では、始まり〜☆

 ピアノと真剣に向き合うようになって、もうじき3年が過ぎようとしています。
 コツコツと前向きにトライしているつもりですが、実力はなかなか付かず、自信をもって暗譜で弾ける曲は未だにありません。(苦笑)
 こんな私ですが〜 →(全文を読む)

 Y.Iさん、kouさん、ありがとうございました。
 環境や方法はちがっても、それぞれにピアノを楽しむという気持ちは一緒なんだなぁ、と思います。私も色々な人とのピアノつながりに励まされながらこれからもピアノを楽しんでいきたいですね〜。よろしくお願いします!

(続く→随時更新)

an弾手(andante)

■Q&Aコーナーのご質問を募集しています。
 随時、このコラムの中で取り上げてみようと思います。このコラムはコード奏者超初心者から中級の入口位の方を想定していますので、その範囲ならどんな内容でも結構です。メールお待ちしています!
piano-roman@kumamoto-bunkanokaze.com

ちょっと、ひと言。
 遂に新年度になりましたぁ!
 って言いながら、まだ旧年度をいっぱい引きずってますが…。
 今日、仕事で街なかを車で走ったら、熊本市内はいつの間にかあちこちの桜が満開です。それに緑色の葉っぱがチラチラ混じって、すでに葉桜になりかけてますね。
 頭の中の半分は旧年度の仕事を抱え込みながら、後の半分は新しい季節を感じながら、さて、今週も一気に駆け抜けて行かなくっちゃ、ですね!
 
−an 弾手−


第190回「清和高原冬野菜deフランス料理」de人前ピアノ!

[2007.4.25]

「あれっ、音が出ない!ミの音が出ないよ〜!」
 久し振りに再会した清和高原・郷土料理館のピアノ。いきなり音の出ない鍵盤に焦ってしまいました。
 高原の冬野菜を使ったフランス料理の会でピアノ演奏を頼まれてやって来たのはいいけれど…。

 昨年10月にピアノお披露目会のトークライブをさせていただいた清和・郷土料理館の館長から電話があったのは今年始め。
「2月に清和高原冬野菜deフランス料理っていうイベントをするんですけど…。東京・飯田橋のフランス料理店のオーナーシェフに来ていただくんですよ!ご参加いただけませんか?」
 そうそう、私も数年前、上京の折に立ち寄らせていただいたことのあるお店のシェフです。
「ぜひ、参加させてください!」
「それでお願いがあるんですけど…」
 えっ、お願い?館長のお願い、って、まさか…
「はい、そうなんです。ピアノ弾いていただけませんか?」
「えーっ!でもフランス料理の会、なんでしょ?私、ピアノ弾いてたらお料理食べれないじゃないですかぁ!」
「いえ、食事の時に弾いて頂くんだったらギャラ払わなくちゃいけませんし。開宴前の、お客様が入場なさる時に30分位でいいんです。後はan弾手さんもしっかり召し上がっていただいて。」
 要するにギャラ無しで食事代はしっかり払ってくださいね、ってこと?
 まーいいですけど。ギャラ頂くほどのピアノじゃありませんし。しかし、せっかくの料理の味をぶち壊さないようにしないとですねー。

 って訳で。やって来ました、2月11日。春まだ浅き、ここ清和高原の郷土料理館。
 13時開宴ということで、12時過ぎには到着して館長を探します。あ、いらっしゃいました。しかし、なんか忙しそうです。
「すみません、いま厨房の中でバタバタやってました!それにスタッフの最終打ち合わせもこれからなので。」
「じゃ手短に。13時開宴だそうですがその前に館長さんの挨拶などありますか?」
「はい、私から挨拶とシェフやお料理のご紹介等を10分ほど。」
「じゃ、12時30分からピアノ弾き始めますから12時50分位になったら館長さん、トークを始めてください。ピアノはそのバックでBGM的にコード進行を適当に弾きますね。そして頃合を見ながらピアノはフェードアウトして私も自分の席に着きますから。」

 そこまで打ち合わせして、ピアノの前に座ります。試しに鍵盤を少し押さえてみたら…。
 えっ、真ん中のミの音が出ない!やばっ、今日、用意してきた曲を思い浮かべてみると、みんなミの音は使うよなぁ。ま、1オクターブあげて弾くとか、なんかごまかしを考えなくちゃ。

 この日の演奏の構想はこうです。
 フランス料理の会とは言うものの、ここ清和高原の冬野菜が主役だし、早春の山里の雰囲気が出せたらいいかなぁ。冬から早春にかけての唱歌のメドレーにしよう。(って言うか、実はフランス料理みたいなオシャレな曲を30分も続けるのは自信がないっ!というのが本音ではありますが)
 曲は「冬景色」「冬の星座」「早春賦」「どこかで春が」……。
 1曲3分としても曲の間に間奏風のコード進行を長めに挟んでいけば、4曲でも20分は充分持ちそうです。
 12時30分になりました。ピアノの音を出し始めます。鍵盤はなるべく真ん中あたりを使わないようにして中央のミの音を避けながら弾いてみます。やがてお客さんもパラパラ入り始めました。ピアノはアップライト。ガラス張りの壁に向って置いてあるので演奏している私からは客席の様子が見えません。しかし背中の方からザワザワ、ガタゴトお客さんが会場に入ってきて歩き回ったり席に着いたりしている気配が伝わってきます。弾き始めて10分を過ぎる頃にはだいぶ客席も埋まってきた様子です。

 3曲目、「早春賦」を弾いている時です。近くの席の女性のお客さんがピアノに合わせて小さな声で歌い始めたではありませんか!

♪はる〜は な〜のみ〜の かぜ〜のさむさや〜
 たに〜の う〜ぐい〜す うた〜はおもえど〜

 おー、いい感じだ。

 続いて4曲目、「どこかで春が」

♪ど〜こ〜か〜で は〜る〜が
 うまれ〜てる〜 
 
 また、歌ってくれてます!
 あー、いいなぁ。 
 ピアノの前の総ガラス張りの壁の向こうには、山里ののどかな風景が早春の明るい光の中に広がっています。

 12時50分になりました。4曲終わって館長さんとの打ち合わせ通り、コード進行を軽く流しながらいつでもマイクの声が入ってこれるようにします。
 1分…、2分…、3分…?、なかなか館長さんの挨拶が始まりません。ん?トコトコと館長さんがピアノの横へやって来て小声でささやきました。
「すみません、厨房の準備がまだ手間取っているのでもう少し曲を弾いていてください。」
 えーっ!まだソロピアノを引っ張るの!予定外だぁ
 少しピアノの音量を上げてメリハリ付けながら何とか時間稼ぎです。
 5分ほど過ぎて、やっと館長さんの挨拶が始まりました。ほっ…。
 しばらく館長さんのバックでBGMを続けた後、私のこともわざわざ紹介していただいたので軽く会釈してやっと自分の席へ移動です。

 ふっ、何とか一仕事を終えて、後はおいしいフランス料理を頂くだけ!

 2月の清和高原。
 事前に館長さんから
「会場は天井が高くて総ガラス張りなので暖房もあんまり効きません。ピアノの鍵盤は凍ってます!」
 と脅されていたのでしっかり着込んで来たのに、その日はなんだか春のようなのどかな陽気。

 キラキラと総ガラス張りの外に広がる早春の風景を眺めながら、高原冬野菜のフランス料理を味わうゆったりした時間。その後、食事途中に突発した想定外演奏ハプニングも、今思えばごく自然な出来事の一つとして記憶に溶け込んでしまったような、そんなおおらかな空気を堪能させていただいた午後のひと時ではありました。
 いつもながら、素人ピアノおじさんにこんな素敵な体験をさせてくださる館長さんには感謝です!

(続く→随時更新)

an弾手(andante)

■Q&Aコーナーのご質問を募集しています。
 随時、このコラムの中で取り上げてみようと思います。このコラムはコード奏者超初心者から中級の入口位の方を想定していますので、その範囲ならどんな内容でも結構です。メールお待ちしています!
piano-roman@kumamoto-bunkanokaze.com

ちょっと、ひと言。
 ゴールデンウイークを目の前にして、木々の芽吹きがすごいですね〜!今日、熊本場内を車で走ったら、雨に濡れた楠の若葉が目に染みるようでした。
 熊本城といえば今年は築城400年とかで、来年春までのロングランイベントが開催されています。この「くまもと文化の風ドットコム」でもトップページにバナーが登場しました。そこから400年記念事業の公式サイトにリンクしていますからよかったらご覧下さい!
 
−an 弾手−
バックナンバーリストに戻る   ピアノ奮戦記に戻る