お客さんをダシにしながら前半を乗り切ったライブトークも、いよいよ後半に差し掛かってきました。
先ほど弾いたダニー・ボーイを、超簡単コード奏法でだんだんピアノ曲の形にしていくステップの実演です。
@まずは右手でメロディー単音のみのダニー・ボーイ。
A続いてそのメロディーに左手でルート1本だけ加えたダニー・ボーイ。
B更に左手でルートと5度を適当にはさんだダニー・ボーイ。
C更に右手にもメロディーの下にコードの構成音を所々入れたダニー・ボーイ。
ってところでダニー・ボーイ簡単コード奏法の出来上がりっ!
「ほら、簡単でしょ。コード奏法は大人になってからピアノを弾きたい人にはピッタリなんです。3ヶ月で1曲、人前で弾けるようになります。」
おっ、最前列に掛けた女性3人グループの方、私の話に一つひとつうなずきながら熱心にメモを取っていただいてます!
あ、向こうの席のかわいいお嬢さん(注:小学生位?)さっきから私のほうにニコニコしながら手を振ってくれてる!(話はほとんど聞いてないみたいだけど…)
私もお返しにニコニコして手を振り返します!…なんか変かな(汗)
失礼、話を戻しましょう。理屈っぽい話はこれくらいにして、この後は次第にピアノ効用実践編に入っていきます。
「素人ピアノの効用!ピアノが弾けるとどんないいことがあるでしょうね?」
例えば、夜の街でピアノがあるお店に入った時。
「ちょっと1曲…」
なんて言ってポロポロッと弾けたらカッコいいですよね〜。例えばこんな曲なんか…、とピアノに向います。
ミスティー♪〜
「それから、人前でなくても、自分が弾きたい時、気分に任せて曲を奏でる楽しみってありますよね」
「私はこれを自分で勝手に鼻歌ピアノと呼んでいます。」
浜辺の歌♪〜
峠の我が家♪〜
「また、自分が1人で弾くだけでなく、ピアノを弾きたい、というたくさんの人達と同じ思いや体験を共有していく楽しみもありますよね。」
夜の街のアマ、プロ、ホームページや本の読者の方との出会い、交流の楽しみ…。その実例ご紹介。
「それから、実は私の母が要介護老人でして。多少認知症も入っております。」
「その母がですね、休みの日に私が家でピアノを弾いているとニコニコしてそばにやってくるんですよ。で、母が知っていそうな昔の歌や唱歌なんかを弾くと嬉しそうに大きな声で歌うんです。難しい歌詞もしっかり覚えてます。いつもはベッドで辛そうに横になっているんですがこの時ばかりは1時間くらい平気でピアノの横に掛けてとても生き生きした表情なんですね。」
音楽療法って私には専門的なことは分かりませんが、ボケ防止に音楽はやっぱりいいのかも知れません。
「それに、昔の唱歌って、とてもいい歌がありますよね。メロディーといい、歌詞といい、改めて聴いてみるととても味わい深いです。」
「そんな曲を少し弾いてみましょう。」
さくら♪〜
たなばたさま♪〜
花かげ♪〜
「この花かげっていう曲、歌詞を読んでみると、お月さまを見上げながら、嫁いで行ったお姉さんの事を偲んでいる、とても寂しい歌なんですね〜」
弾きながら、ピアノにセットしたスタンドマイクで曲の紹介をしていきます。
「もう一つ十五夜お月さんという曲。こちらも一人ぼっちの境遇を歌った哀切こもった歌です。」
十五夜お月さん♪〜
里の秋♪〜
冬景色♪〜
「冬景色。冬の田園の朝、昼、夜の光景を歌った曲です。情景が目に浮かぶようですね〜」
冬の夜♪〜
「吹雪の夜に親子が囲炉裏を囲んで語り合っている、暖かい歌です。」
ここまで弾いて、手元の時計で残り時間を確認します。
あと20分。かなり押してる!一応用意していたいくつかの話題、カット!まとめのテーマへと話を進めます。
よく「ピアノが弾けたらいいよね。弾けるようになりたいね。」って言う言葉聞きますよね。そして決まって「でも、今さら始めるのも大変だし…」
果たしてそうでしょうか?
「弾きたい」そう思ったとき、その夢はもう半分実現しているんです。後の半分は?そう、小さな一歩を踏み出す事、そこから全てが始まります!今日、この会場に集まっていただいたのを機会に、ぜひその小さな一歩を踏み出してみてください。きっと、新しい世界が開けると思います。
…なんて、自分の体験談を交えながら持論をご披露。
「ではここでもう少し曲を弾いてみましょう。お父さんのためのピアノ曲集の中から最初の曲と最後の曲です。」
この広い野原いっぱい♪〜
誰もいない海♪〜
弾き終わると、ピアノの前に掛けたまま、まとめのトークに入っていきます。
「ここ、清和高原のレストランにピアノがやってきました。そして、今日はここで皆さんとピアノの話をする事が出来ました。これを機会に、皆様もぜひピアノに親しんでみてください。」
ここから、トークとともに循環コードを使いながらピアノを弾き始めます。ピアノの音を背景にしながら、エンディングの語りを決めよう、という構想です。ただ、これを実際に人前でやるのは初めて!うまくいくかどうか、ぶっつけ本番の試みです。
Key=Gの循環コード♪〜パラパラ弾きながら〜
「若い人は、彼女、彼氏を口説いてみてください。年配の方はぜひボケ防止に励んでください。そして何より、自分の指先からメロディーが流れ出す喜び、感動を体験してください。
(♪〜)
哀しい時、楽しい時、疲れたとき、嬉しい時、ぜひピアノと語り合ってみてください。きっと素晴らしい人生のひとこまを実感する事が出来ると思います。
また、親しい方と一緒にピアノのある一時を過ごしてみてください。きっと今まで以上に味わい深い時間を体験できると思います。」
ここからKey=Cの循環コードに転調♪〜
「ここ、山都町清和高原に、こうしてたくさんの子どもたちの思い出が詰まったピアノがやってきました。これから、このピアノを囲んで、たくさんの人達が音楽を楽しめるような、素晴らしい時間がいっぱい生れる事を期待しています。
(♪〜)
そしてまた、清和文楽と、美しい星空と、おいしい食べ物と、素晴らしい自然と、暖かい人の心にあふれたここ清和高原が、いつまでも皆様の心のふるさとであり続けることを、願っています。」
(♪〜)
「では最後に、皆様とご一緒に『ふるさと』を歌って終りにしたいと思います。いかがでしょうか。」
で、そのままKey=Fに転調して、「ふるさと」のイントロに入る構想でした。(でした。)
ところがっ!
ここで全く予想もしなかったハプニングが起きたのでした!
(続く→随時更新)
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随時、このコラムの中で取り上げてみようと思います。このコラムはコード奏者超初心者から中級の入口位の方を想定していますので、その範囲ならどんな内容でも結構です。メールお待ちしています!
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