こんにちは、Y.Iです。
私にとって2度目のピアノ発表会が2月11日にありました。小学校の教室くらいの会場にスタインウエイのグランドピアノ。
実は前日の土曜日にリハーサルができるというので出かけていきました。本番と同じ会場で同じピアノで練習できます。私が着いた時には先に、同世代(40代半ばくらい)の男性が弾いていました。
お互いに観客になって聴きあいましょうということになって、私の先生とその男性、その方の先生と観客は3名。たったこれだけでも急に緊張してしまいました。いつもの調子とはうって変わって、とちりまくり、途中何度も止まって「こんなはずでは…?」という思いと、その男性はゆっくりではありましたが無難に弾き終わって、あまりのレベル差に落ち込んでしまいました。
聞けばこの教室の発表会はもう6〜7年目の参加だそうで、そういえば昨年「イエスタデイワンスモア」を弾かれたことを思い出しました。以前は男性はその方ひとりだったそうですが、年々増えてきたそうで、今年は私を含めピアノの男性は4名です。
結局、家に帰ってからと翌日の朝と残りの時間で何度も繰り返し練習し、自宅ではこれだけ弾けるのになぜ人前では? という一抹の不安をかかえて本番を迎えました。
午後2時開演、演奏者の年齢は大学生から白髪初老の男女まであわせて25組。はじめバイオリン、ハープ演奏、リコーダー、独唱に合唱と出演者の顔ぶれと構成は昨年とほぼ同じ。ピアノは13人で今回初参加が2名。うち一人はまだ若い男性です。この方がピアノのトップバッターでした。
サザンの「いとしのエリー」を演奏されました。途中までは順調でしたが、後半でパッタリ止まってしまいました。また少し前の所から弾き直されましたがやはり同じ所で止まってしまいます。
その時です、会場から誰ともなくハミングが聞こえてきます。必死に音符を思い出そうとする男性に見かねて先生が出て行かれて、最後は先生との連弾でみんなでハミングになりました。ちょっと感動的なシーンでしたね。恥ずかしそうに席に戻る男性に喝采の拍手が送られたことは言うまでもありません。
この方のおかげで会場が和やかになったように感じました。思えば私も昨年は習いはじめて6ヶ月で無謀にも初参加し、手は震え、冷や汗びっしょりでなんとか弾きおえたことを思い出します。
今年はすこしは慣れたとはいえ、やはり自分の順番が近づくにつれ、緊張は高まります。
私の出番は最後から5番目、いよいよ名前と曲が呼ばれました。
「アドロ」、70年代にアルゼンチン出身の歌手グラシエラ・スサーナが日本語で歌って、のちに山口百恵さんがカバーしたことで有名になりました。ボイスレコーダーを持参していたので、録音しました。途中まではなんとか間違うことなく進みましたが、アルペジオを3ヶ所ほど入れますが、この時隣の鍵盤を一緒に押さえてしまうミスを何回かやってしまいました。エンデイングに近いところになって、2度ほど一瞬止まってしまいましたが、そのまま続けて最後のコードを弾き終わってまたアルペジオをゆっくり上がっていって終わります。
後から録音を聞いてみると自分がミスタッチと思ったところはあまり気にならなく、反対に所々妙に強くキーをたたいているところとか、うまく継ないだと思ったところがフッと音が切れているのがはっきりわかったり、弾いている本人と観客の側とでは聞こえる感じが異なることが驚きでした。
まあ前日のリハーサルよりは格段上のできだったので、一応合格点かなと思います。さすがに私の後に登場の方々は皆お上手で、最後の奏者は女子大生でしたが、ショパンのワルツ7番をおそらくノーミスで弾かれて、発表会のトリにふさわしい華やかな雰囲気で終了となりました。
その後に慰労テイーパーテイではお互い悲喜こもごもで、またの再会を約束して解散となりました。昨年ほどの感激には及びませんが、ピアノを続けてきてよかったなとポカポカの日差しに心地よい安堵感を感じながら帰路につきました。
家に着くと家族は出かけていて、後から帰ってきた妻の「どうだった?」の問いかけに興奮気味で「カクカクシカジカ」と話しますが、「フ〜ン」という程度の反応でねぎらいの言葉はありません。しかし、日頃の努力を知っているせいか、文句も言わず下手なピアノの音に我慢してくれる家族にはこちらの方が感謝しなければいけない立場なのかもしれません。
かくして私の2度目の人前ピアノ発表会は終わりました。まだ念願の夜のライブバーデビューは機会がありませんが、レパートリーも次第に増えていますし、あとは場数をこなすことだなあと思っています。まだ当分レッスンも続けますし、クラシック系の曲にもチャレンジしてみたいとも思っています。
稚拙なレベルながらもピアノが弾けるということはなんと幸せなことでしょうか。多くの中年ピアノ弾きが増えることを願いながら、ほかの方の投稿記事を楽しみに待っています。これからもよろしくお願いします。