数字が語る「舞台ウラ」   2秒 今月の数字  
  熊本県立劇場コンサートホール  
vol.5
   
 
熊本県立劇場コンサートホールの残響時間。
綿密な音響設計のもとに、最適な残響時間が設定されています。
 

   クラシック音楽の源流の一つは、教会音楽です。特にバッハやモーツァルトの時代には、教会のような響き(残響)を計算に入れて作曲されているのではないか、と推測されるものがあります。残響が音楽に与える影響は計り知れないといえるでしょう。
 コンサート専用に造られた当ホールでは、専門家の綿密な計算のもとに音響設計が施されています。2秒という数字は、客席が80%埋まっている時の残響時間です。空席では2.3秒。お客さまが入ると、この0.3秒分が吸収されて、最適の2秒という残響時間が生まれるのです。当ホールの天井が教会のように高い理由も、残響時間を考えた上でのことなのです。

 


熊本県立劇場広報誌「ほわいえ」Vol.101より


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