いやぁ、G&Aコーナー、って言葉、久し振りのような気がしますね。
ご質問のメールは時々いただくんですが、ここにご紹介するのはしばらくご無沙汰でした。
今回は本連載コラムと拙著「お父さんのためのピアノ教室」の読者、m&mさんからのご質問をご紹介しましょう。
(m&mさんからのご質問)
an弾手さん、第61回「アナタも鼻歌をピアノで歌えるようになる(!)ためのコード奏法超入門講座」(その8)左手で伴奏のパターンをつくろうを読ませていただき大変参考になりました。ありがとうございます。
そこで質問なのですが、この左手伴奏パターンでいろいろな曲をピアノ弾き語りで楽しんでいると、 スムーズにいかないコードがでてきます。C/Eのオンコードなどです。
例えば〔keyがC〕のポップスの8ビートの曲を歌いながら弾くとき、1小節を右手でコードCのド・ミ・ソで押さえ、左手でCの1オクターブをドからドと人差し指でソの五度で弾くと、五度のソはコードC内の音なので理解できるのですが、1小節をコードがC/Eのオンコードの場合、右手でコードCのド・ミ・ソで押さえ、左手でEの1オクターブをミからミと人差し指でシの五度を弾くと、音が外れます。
C/Eのようなオンコードを1小節左手伴奏パターンで弾く場合、左手のEの五度は何を押えるのでしょうか?カンタンにコード理論的にどう考えればよろしいでしょうか?よろしくお願いいたします。
(an弾手からの回答)
はい、m&mさん、ご質問ありがとうございます。
オンコード(分数コード)の時の左手の弾き方のご質問ですね。
まず、m&mさんがおっしゃっている本コラム第61回の該当する記事をここに再掲してみますと…
…左手をオクターブに開いてルートに置きます。その時の人差し指を見て下さい。どの鍵盤に来てますか?コードCだったらG、コードAmだったらE、コードDmだったらA、コードGだったらDに来てませんか? もし、ちょっと指がズレる人がいたら、少し修正して、上に書いた位置に人差し指を乗せて下さい。そして、この指の形を感覚的に覚えて下さい。
この人差し指が乗っている鍵盤が各コードの5度の音になっています。ですから、各コードのルートをオクターブでつかめば、同時に自動的に5度の音もつかんだことになります。
5度の音はメジャーコードもマイナーコードも同じですから、この手の形はメジャー、マイナー気にせず使えます…
…ということで、簡単に言うと左手のパターンとしてコードのルートを小指、親指(1オクターブ)でつかむと、自動的に人差し指がそのコードの5度の音の鍵盤に乗りますよ、ということを書いています。ここまではいいとして、m&mさんのご質問はオンコードの時に左手をこのパターンで弾くと5度の音がはずれておかしくなるんだけど、というご指摘ですね。
一般的にオンコードの意味は、大別すると2つの場合があります。
1つ目は分子でコード、分母でベース音を指定している場合。
2つ目は分子、分母ともそれぞれ別のコードを指定している場合。
(これは2つの違うコードを重ねることで、ジャズなどの複雑なテンションの入ったコードを単純に表記する場合などに使われます)
ご質問のケースは1つ目の、分子でコード、分母でベース音の場合と思います。
この場合、分母の左手はあくまでもベース音なので、Eの音を弾くことになります。つまり、Eというのはコードネームではなく音名なのです(最低音をEにしなさい、という指示)。Eというベース音をどういうリズムで入れていくかは曲の流れや前後の関係の中で判断します。
但し、上記の奏法と違ってコードを左手だけで弾いているような場合は、左手はEが最低音になるコードの転回形を弾く事になります。つまり、C/Eの場合は(最低音がEになるCのコード、という意味で)低い音からE、G、Cとつかむ、などのパターンが考えられます。ただ、くどいようですがこの場合でもC/Eの分母のEはあくまでも最低音をEにしなさい、ということを言っているだけで、そのほかの音の押さえ方を具体的に指示しているわけではありません。
オンコードを使う目的としては、例えばコードCの場合にずっとベース音をC音で弾いているとサウンドが単純になる場合にコードCを転回形にして変化を付けたい場合や、あるいは前後のベース音が順次滑らかに動くようにしたい場合(例えばベース音がF→E→Dと動くとか)などがあります。
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(m&mさんから)
an弾手さん、ありがとうございます。誠に勉強になります。
>分母の左手はあくまでもベース音なので、Eの音を弾くことになります。
>つまり、Eというのはコードネームではなく音名なのです。
この回答で、私は満足いたしております。
「お父さんのためのピアノ教室」(体験的コード奏法超入門)とってもありがたい書籍で、私のバイブルの一冊としております。これからのan弾手さんのご活躍応援しております。
またよろしくお願いします。
m&m
(an弾手より)
ありがとうございます。こちらこそ、よろしくお願いします。
また、何かありましたらいつでもお便りください!
(続く→随時更新)
an弾手(andante)
■Q&Aコーナーのご質問を募集しています。
随時、このコラムの中で取り上げてみようと思います。このコラムはコード奏者超初心者から中級の入口位の方を想定していますので、その範囲ならどんな内容でも結構です。メールお待ちしています!
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