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当時の鈴木健二館長は就任当初、熊本の文化や芸能を知るために県下九十八市町村をめぐりました。その折に発掘したのが、波野村中江地区に伝わる岩戸神楽でした。天の岩戸やヤマタノオロチなどの神話を物語る壮大な神楽ですが、三十三座の中には廃れかけていたものもありました。それを熊本県立劇場の演劇ホールで完全復元することになり、その舞台はNHKの衛星放送で全国に生中継されたのです。
岩戸神楽保存会のわずか17名で、一昼夜の公演ができるだろうか。そんな心配をよそに、1月27日午後2時にスタートした神楽は、気迫に満ちたエネルギッシュな舞を見せ続け、28日10時50分に幕を閉じました。超満員の観衆の拍手は鳴りやまず、劇場全体が感動の嵐に包まれました。
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