天草市立倉岳小学校
県劇つながる学校
 コンサートや施設見学のほか、アウトリーチ事業などで県立劇場と深く“つながる”学校をご紹介します。今回は、文科省「児童生徒のコミュニケーション能力の育成に資する芸術表現体験(芸術家派遣)」<学校申請方式>を平成27年度に実施した天草市立倉岳小学校の井立伸一校長先生にお話を伺いました。

それぞれが考えた木の板を打つ動きを
つなげてメロディーを奏でる。
「人は言葉ではなく、心でお話ができると教えてもらった」―体奏(※1)家 新井英夫さんのアウトリーチに参加した児童の感想です。平成26年度、熊本県立劇場のコーディネートで新井さんにお越しいただきました。心と身体の力を抜いたことで生まれる児童たちの自由な発想、いつもにない動き・表情に普段の授業では得難い効果を感じています。いつもは目立たない児童が一目置かれるようになったりと児童たちの間でも新たな発見の連続です。演劇やダンスのアウトリーチ事業に取り組むようになったのは、アウトリーチプログラムを組み立てる熊本県立劇場のリージョナルシアター事業に関わってから。それからは学校がかわっても毎年実施してきました。一校でも多くの学校に実施してほしいとの思いから平成27年度は別に学校申請方式で実施しました。前任校ではどうしても実施したかったので東京まで申請書の書き方を教えてもらいに行った思い出があります。これからも続けたい、とても素敵な事業です。
不知火海に浮かぶ御所浦の島々を眼下に臨む風光明媚な天草上島に位置する倉岳小学校。
目の前にいる子どもたちを心豊かに育てたい。私たち教員がしなければいけないことは、児童一人ひとりの良さや素晴らしさを“引き出す”ことです。感受性のある、心豊かな子どもに育ってもらうため、これからもいろいろなアプローチで児童たちと心通わせていきたいと思っています。
※1:新井さんがご自身のダンスを表現するために創った造語


熊本県立劇場広報誌「ほわいえ」Vol.179より

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