ひのくに高等支援学校
県劇つながる学校
 今回は、県立劇場がコーディネートする「文科省コミュニケーション教育事業」に参加している、ひのくに高等支援学校の宮原真由美先生にお話を伺いました。
※演劇家の柏木陽(あきら)さんと熊本の演劇人がワークショップを行いました。

(ワークショップの風景)
“おっちゃん”こと柏木陽さんとの
じゃんけん真剣勝負に挑む生徒たち。
 本校に通ってくる生徒たちはコミュニケーションに課題があったり、自己表現が苦手だったりといったところがあります。今日の柏木さんの芸術表現活動ではノリノリで参加している生徒と、初めてのことに戸惑っている生徒がいました。不安や緊張、恥ずかしさ、語彙の少なさもあって、ある生徒は一括りに「めんどくさい」と表現してしまうんですね。柏木さんは丁寧にそれを拾って本人に考えさせる場面を作ってくださっていました。とてもありがたかったです。自分のこととして周りでハッとした生徒もいたのではないでしょうか。課題を抱える生徒たちには芸術表現活動はいい機会ですね。私たち教員もいい勉強をさせていただきました。
(学校全景)
県内唯一の高等特別支援学校。遠隔地から通う生徒のための寄宿舎を併設している。

 県内唯一の高等特別支援学校として平成13年に開校した本校には、現在105名の生徒が在籍しています。ここは“出口の学校”です。生徒たちのほとんどが、卒業後社会に出て就職するというはっきりした目標を持っています。園芸科、工芸科、クリーニング科、窯業科の4つの専門学科では、働く習慣や態度、技能など働くための基本的な力を身につけるために学んでいます。その彼らの作業能力にはびっくりします。3年間の学校生活を経た生徒たちは、入学した当初とはまるで違って、私の目からみても驚くほど逞しく成長していきます。


熊本県立劇場広報誌「ほわいえ」Vol.177より

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