今回は、9月1・2日に演劇家 柏木陽(あきら)さんと俳優で介護福祉士の菅原直樹さんを招いてアウトリーチ事業を開催した熊本保健科学大学保健科学部リハビリテーション学科の木村伊津子教授にお話を伺いしました。
グループ別に多彩な情景を演じる。
回数を重ね、より描写も鮮明に。
演劇を通して医療・福祉で求められるコミュニケーション力を高めるために、講義の一環としてワークショップを開催しました。作業療法士を目指す学生40名が参加し、グループごとに複数の人間が出入りする架空の場を演じたのですが、コミュニケーションの違いで見えてくる場面や人間関係が変わる演劇ならではの表現を体験学習しました。
学生たちが、演劇をとおして生き生きと120%の力を発揮していることに感動しました。芸術には身体と心の緊張を和らげ潜在能力を引き出す力があることを改めて感じています。
セラピーの現場には、以前から絵画や音楽、ダンスなどの芸術が取り入れられてきました。健康回復を目的に粘土や描画に苦しい思いを表現したりこころの傷を癒したり。今回は演劇的思考を現場で役立てようと、プロに指導いただく機会を得て、学生たちは芸術とセラピーの関わりをさらに深く学ぶことができたのではないでしょうか。
直径132mのフラットな平屋のキャンパスは独創的なデザイン。
初めは若くて経験がなくても、患者さんの辛さや希望を一緒に受け止めて半歩でもともに進むことができる作業療法士になってほしいですね。患者さんの持つ可能性を見出せるような視点や感性を、ワークショップを通じて育てていきたいと思います。
熊本県立劇場広報誌「ほわいえ」Vol.172より
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