コンサートや施設見学のほか、アウトリーチ事業などで県立劇場と深く“つながる”学校をご紹介します。今回は、11月12日に邦楽家の菊央雄司(三絃)、横山佳世子(箏)、小林鈴純(尺八)を招いてアウトリーチ事業を開催した、津奈木町立平国小学校 立道美保子先生にお話を伺いました。
全校児童が参加したアウトリーチ事業では
大きな声で初めての地歌に挑戦。
平成13年まで在任した平国小学校に戻ってきたのは3年前。児童・教師合わせて99名いた当時から10年余りで児童数は激減し、現在、21名が在籍しています。数は少なくなりましたが子どもたちはとても明るく元気です。年齢に関係なく遊び、上級生は小まめに下級生の面倒を見ています。地域との関わりも強く、小学校と校区民が一緒になって開催する運動会は、各地区から選手が出場、お年寄りの方も参加できる種目もあり保護者に限らず多くの方が楽しみにされています。
初めて来られた方から思わず歓声があがるのは、校舎の玄関から望む不知火海。アウトリーチ事業の下見の時、菊央さんが2階音楽室からの眺めを一目見て、「会場はここ!」と即決されたほどです。
不知火海の絶景を望む小高い山の上にある平国小学校。
10年程前におられた校長先生が音楽の先生で箏を購入されていました。しかし、扱える教師はなかなかいません。今回、初めて箏をはじめとした邦楽器の演奏を間近に聴いた子どもたちはたくさんのことを感じ取ったようで、演奏後は止めどなく質問が飛び出してきました。特に演奏されたみなさんが10〜12歳の時に楽器を始めたとの話。地方にいる私たちには縁遠いものと思っていた邦楽をグッと身近なものに感じられたようです。
熊本県立劇場広報誌「ほわいえ」Vol.164より
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