県劇を飾る

昭和31年(1956)/第41回院展出品作
紙本額装 152.5cm×137.8cm
 
   
 
  vol.7  
      「虹 鱒」
堅山 南風 (1887〜1980)作
 
         
      演劇ホールのホワイエには、一幅の日本画が掛けられています。
これは、熊本市出身で、昭和期を代表する日本画家の一人である堅山南風の作品です。
 
             
         
 
 熊本市生まれの堅山南風は、23歳で上京し、山鹿出身の歴史画家、高橋広湖の門下生となります。27歳の時、第7回文展(現・日展)に出品した《霜月頃》が横山大観の推挙で二等賞(事実上の最高賞)を受賞したのを機に大観を師と仰ぎ、大観らが再興した日本美術院に参加します。昭和43年(1968)には文化勲章を受章。93歳で亡くなるまで日本画壇の中心的存在として活躍しました。熊本県立劇場にある《虹鱒》は、清冽な水中で水底に影を落とす2尾の虹鱒を描いた日本画で、南風69歳、円熟期の作品です。現在この《虹鱒》は、院展発祥の地、五浦(現・北茨城市)にある茨城県天心記念五浦美術館で開催中の「没後30年堅山南風展」のため、茨城に出張中です。貸し出し期間中の10月1日〜12月15日の間は、レプリカ(写真)が展示されています。

(資料提供:熊本県立美術館)
 
 
     


熊本県立劇場広報誌「ほわいえ」Vol.115より


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