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鱧は小骨が多く、骨切りが必要。小骨は皮ぎりぎりまで伸びているので、専用の包丁で皮一枚を残し、数ミリ間隔で身と骨を切る。「ジャキジャキ」「シャクシャク」とリズミカルな音が出て小気味よい。包丁は骨を切っても欠けないよう厚い。重量感もある。ご主人が私にどうぞとその包丁を持たせてくれた。手入れが行き届いていて、長く、いかつい。恐る恐る手にする。包丁は板前さんの命。そんな大事なものも加わっていたのか、ほんとずっしりと重かった。 |
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コースの一品「茄子そうめん焼鱧」。焼鱧は、わざわざ天草産と徳島産の食べ比べという趣向で調理してくださった。残念ながら味の違いはわからなかったが、心遣いがうれしかった。茄子はカツラムキにして短冊に切り、葛をつけて湯引きする。つけ汁は、出汁・薄口しょうゆ・みりんが4:1:1に酒少々だとご主人の直伝。熊本にも京都にも有名な自慢の茄子がある。「肥後紫」VS「加茂茄子」。肥後紫が手に入れば、茄子そうめんで食べ比べをしてみようかな。 |
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