Vol.53 お昼時考 [2007.2.22]

 会社のお昼は11:50から12:35の45分間きっかりである。
12時より少し早く出られるのが唯一の救いだが、この時間はかなりタイ
トなもの。でも、どうにか一番心地良いリズムを見つける事ができた。
45分という時間に店に入って食事をするのは何かとあわただしく、むし
ろ私には食事するというより『休む』ということが重要なのに気づいた。
朝食をとれば11:50からのお昼にはそんなにおなかも空かないのだった。
 過ごし方には大きく3つある。
ひとつには同僚と過ごす。ふたつにはビルの地下にあるリフレクソロジ
ーで仰向けに寝転んで足揉みをしてもらう。みっつには空のひろがるカ
フェで過ごす。

 私のお気に入りはこの『みっつめ』
カフェは歩いて6分ほどかかるが、神宮前という立地の中、2Fにある
ソファ席に身体をうずめると目線の先にはちょっとした空が広がり、
カフェをつつむような木々には鳥が遊ぶ。実はそこはスターバックスな
のだが、東京のスタバでも、設計に成功した例だと思う。3方に大きく
とられた天井から床までのガラス窓。ソファ席は窓側に空にむかって8
席が並べられている。足下はカーペット。禁煙だし、お客のほとんどは
一人で勉強したりしながらゆったりと過ごしている。何より、東京の真
ん中とは思えない窓からの風景がうれしい。あの木々は樫かナラだろう
か。ブナかもしれない。こんもりと心地よく常緑樹である。そこにかわ
いらしい雀や野鳥が 来ているではないか。空を見上げると、高く鳥が
気持ち良さそうに飛ぶのが見える。快晴の日には心も晴れ晴れとする。
雨の日でも店内の落ち着いたジャズが風景とコラボして心に絶妙な潤い
をくれて、仕事の間の短い時であることも忘れられる。
こんな風にしていると時折同僚から連絡が入り、いっしょにくつろぐ。

 今の職場のビルも古いが地下にリフレクソロジーがあるのはうれしい。
ここに行くのは相当疲れた時。2人しか入れない小さな店だが、仰向けに
なって温水の満たされたマットの上でほのかな香りの中、フットマッサー
ジをしてもらうと確実に20分間は桃源郷だ。

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 一日過ごす中、いつもどこかに心地よさを探している私である。
-END-
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