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Vol.129 |
テニスエルボー |
[2014.11.28] |
今年最高の素敵なニュースは錦織圭選手の快挙だろう。
情報化の名の下に、知らなくてもいいようなニュースや辛すぎるニュースの渦巻く中、あんなに素敵なニュースはなかったと思う。
そして、そのころ、私はテニスもしないのにテニス肘(テニスエルボー)になってしまった。いわゆる50肩の肘版と言えばわかりやすいと思うが、『箸より重い物が持てない』状況でとてもとても不便。身体は少しでもバランスが崩れると、本当に日々、いかにバランスを保って我々は生きているかを思い知らされる。
そのあとの、私の11月は怒濤の11月だった。
まず、18年ぶりに大好きな友達がバハマから来日。彼は18年前まで約10年間日本にいて、本当に日本のダンス界に尽力したダンサー。日本のほぼすべてと言っていいほどのスタジオやダンサーに影響を与えた事は間違いない。
私がなぜ、そのような人と『友達』と言える親交を深められたのかは自分でも謎だが、それが出会いや運命というものだろう。
この来日は私との会話から実現した。だから私は、彼とその生徒たちを繋ぐべく奔走した。ちょっと動けばその後は大きなうねりとなって、自然に暖かで心の通い合う渦が生まれるのには、やはり彼の持っているものそのものを見る想いだった。恵まれた身体の芯に基本とバランスと才能をしみ込ませた彼だからこその、踊りだけではない大きなムーブメントがあった。ダンサーたちが踊りながら会話する瞬間を目撃した。そして、また今後の流れさえもついてきた。
その次の週はロンドンからの友達の来日。同じデザインする者同士だが、彼女は私より12歳も年上だ。少年のようにおもしろおかしい彼女。私よりうんと本能のままに生きているなと思った。
そして私のテニス肘はまだ直らないが、時の流れにも変わらない何か。続いて行く何か。自然に、そして感じながら、考えながら、まだまだ成長しながら私も生きているんだなと思えた。
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-END-
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