今年の冬は思いのほか寒〜い。
お正月を故郷熊本で過ごし、そして東京に戻った時、今年は一枝の百合の花を求めた。いつもの杉並区、おじさんとおばさんの近所の八百屋さん。格好なんてつけていない、正真正銘の八百屋さん。でも、ここでは、そう、花も売っている。
で、チェコでは、パリのキオスクみたいな街角の露店で、必ず花を売っていて、
『これが心の潤いをあらわす。若者がガムでも買うように、気軽に花を一本買っていったりする』と、ある時、雑誌で読んだ。
ヘヘン! 今、私はちょっと自慢したくなる。--私は野菜を買うついでに、花も買える。
さて、ひさしぶりの百合の香は思いのほか強く、ちょっとつきはなすようなツンとした香り。そのあと、苦いような甘いような、何とも春を思い出させる香りが...。
『冬来たりなば春遠からじ』(冬になり、春ってそう遠くなんだろうか?)
--If winter comes, can Spring be far behind?--
何と、高校の頃に暗記したのではなかったか?(...できなかったかな?)
冬のさなかにこそ、不思議とこれを感じる。
けれど今、既にその気配を百合の香から感じている、何とも気の早い自分。
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