Vol.21 台風晴れ [2004.6.30]
 梅雨。昨日まで真夏のような東京でしたが今日からやっと梅雨もよう。
今年はそんなこともありませんが東京の梅雨は雨が降ると時々寒いンですよ。熊本からこちらに来たころ、梅雨時にセーターを着たことがあってびっくりしたものです。熊本での梅雨はベッタリとまとわりつく制服と、足下から降って来るような雨の記憶だったので...。それでも今年の東京はとてもムシ暑いです。しかも何と、台風がもう3つも来ましたよね。
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 せっかくの日、明日友達と一週間の疲れをいやす食事の予定なのに、雨かもしれないという。 しかも天気予報では、まだようやく梅雨の季節だというのになんと、台風がきている、と言っていた。でも、どうやら台風は日本の沖、はるかかなたを通過中のもよう。そして、当日、天気予報はウソで晴れた。でも、まてよ、確かに晴れている。でもなんだかおかしい。部屋を開け放っても、何か暗い。とっても晴れているのに。

 ひさしぶりにちょっと激しいレニークラヴィッツを聴こうと窓をしめると、窓ガラスがまるでサングラスのように暗く感じる。だから空を見てみた。晴れた日のいつものように、たっぷり日ざしがはいってくるのに、実は空には真っ白い輪郭の黒い雲。そして晴天。台風ならではの空だ。きらいじゃない。ミステリアスだ。なのに雨が絶対降出さないのが特別にいい。

 なんだか、この空が私の心のような気もした。丸反対が同居している。でも、晴天。なんだかいまだに何かを心配したり、急にガックリしたり。でも、晴れている。こんな自分だから、いまだ宙ぶらりんでも満足しているのかも。台風と晴天が同居している。でも、晴れている。とっても。こんな日は、しばらく聴かなかったレニークラヴィッツが心地よく響く。

 あれ、こんなこと思ってたら、さっきまで、それでも絶対降り出さなそうな雨が、今すぐにでも降り出しそうな空になっちゃった! 本当に空模様と心は似ている。何が起こるかわからない。でも、その根拠は絶対どこかにある。それは遠くても、今日の空のように何かがそこにあるから何かが起きる。そして又、それは自分と呼応している。明日からこの事をちょっと思いだしてみようかな、なんて感じた今日の台風晴れ。

 そんなこと考えていると、友達からメールが入った。「おはよー! 今日はビール日和になりそうじゃない?」
 楽しみにしていた友達との食事は、傘も持たずに最高だった。そんなある日の空のお話でした。
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