TVの天気予報を見ていると、九州はもう、夏の気配でしょうか? 実は私は今、東北にいます。狭い日本とは言え、桜前線はここでは遅く、たった今、4月後半にやってきました。東京や九州ではとっくに終わってしまった季節の時間差を感じるのもまた、新鮮なものです。
仕事の関係で、1年ほど山形県の米沢市に滞在することになった。引っ越してからまだ1ヵ月もたっていない。25年間東京に暮らしたが、引っ越す時は25年前がまるで昨日のことのようで、時とは不思議な感触をもっているものだなあと思った。そして今、慣れないながらも、ここの生活が私にくれるさまざまなものに感動している。
仕事で目を使う私は家ではほとんどラジオなのだが、東京で慣れ親しんだJ-WAVEというラジオ局も、なんとこのマンションが契約しているケーブルのおかげで見事にクリアな音で聞く事ができる。そして目の前に広がる月山を望める風景。まるで絵に描いたような北日本の風景だ。そんな、雪舟の水墨画のような見事な空間のひろがりと日本情緒を眺めながら、東京からのラジオで「都心に暮らす」とか「NY情報」などのトークを聴いていると、とても得しているような気がしてくる。
こんな言葉が浮かんで来た。
「住めば都」
「郷に入っては郷に従え」
どこにいてもそれぞれの暮らしがあり、人間はそれを工夫しようとするのかもしれない。でも、ここの風景には何も足してはいけないような、何かがあるように思う。都会には都会の魅力があるように。 |