Vol.1 SNAP their fingers [2002.10.28]
 もう、ビデオにもなってる映画、『ラヴ ジョーンズ』や『スラム』などで、もしかしたら観てる人もいるかもしれない。ポエトリーリーディング。もとは遠くギリシャ時代から、詩の朗読というのはあるみたいだけれど、ここ数年、日本でも一部の人たちの間で、そのスタイルは始まってるらしい。本当は、日本には和歌や俳句というすごいスタイルがあるけれども。

 さて、昨今のポエトリーリーディングには、大別すると2つのタイプがあるようだ。
ひとつは、ビートニク世代の流れをくんだ詩の朗読タイプ。そして、ポエトリースラムと呼ばれる、もともと、たしかシカゴの黒人たちの間ではじまったスタイル。ポエトリースラムは「言葉」そのものが大事な「要素」で、話し言葉の詩に伴奏がついたスタイル。そのあとは、どんなものとも結びついていくけれど、ラップとも違う、音楽とも違う、演劇とも違う、そして朗読とも違う。そこから先は、やる人そのものが問題になってくる、そんな自由なスタイルの表現方法だ。『スラム』という映画に出てたソウルウイリアムズが今、一部では有名になっている。東京に彼が来た時に行われたポエトリーのイヴェントにはドラゴンアッシュの古谷クンも来ていたらしい。
 ポエトリーリーディングにまつわる、ちょっとステキな話がある。ブルックリンに住むジャズドラマーの友達が教えてくれた。
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 ある日、NYのブルックリンにある、ブルックリンムーンカフェというお店で、いつものようにリーディングが行われていた。きっとその日のリーディングがあまりに良かったのだろう、みんなとても興奮して、拍手かっさいの嵐になってしまった。けれど、住居といっしょになったそのカフェには、苦情が出てしまったそうだ。そこで、みんながとった行動は?そう、以後拍手のかわりに親指と中指で鳴らす音、それで喝采を送ろうというもの。ほの暗いカフェでパフォーマンスの後、みんなの気持ちが高揚していて、そして、みんなが指を鳴らす、それは又、新たに違った感動が生まれるものだった。ただ、今もまだその方法が続いているかどうかはわからないけれど。

 これは、例えばNYの生み出すオリジナリティーのひとつ。世の中ではきっと毎日どこかいろんなところでチャーミングな出来事が起こっているにちがいない。
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