県劇人
Vol.21
中川 裕司/なかがわ ゆうじ
(アンサンブル・ラボ・クマモト 代表)

 スポットライトを浴びる主役の陰で、舞台袖や楽屋を走り回るスタッフたち。これらの人々にスポットを当て、舞台づくりの魅力や苦心談などを連載しています。

中川 裕司(なかがわ ゆうじ)
平成14年に結成された熊本で最も新しいオーケストラ、アンサンブル・ラボ・クマモト。Laboratory(実験室)の名のとおり、音楽とそのあり方を試行錯誤しながら、より良い演奏会につなげて行きたいという思いでオーケストラを立ち上げ、今も代表を務める中川裕司さんにお話を伺いました。

団の構成メンバー、活動状況を教えてください。
 創立当初は40人くらいでしたが、今では約80人のオーケストラになりました。9割以上が20代から30代で、“アンサンブル・ラボ”を唯一のオーケストラ活動の場としている人も随分と増えました。
 練習は、月に2回、日曜日に行っています。他のオーケストラとの違いは、団員の中で練習指揮者を立てることをせず、全ての練習にプロの奏者を招いて指導を受けていることですね。

今回のコンサートの聴きどころは?
 今回は、ピアニストとしても活躍されてる鈴木優人さんを指揮者としてお招きしているので、モーツァルトのピアノ協奏曲第20番は独奏者も兼ねて指揮をしてもらいます。もう1曲は、“モーツァルトの再来”と称えられたショスタコーヴィチの交響曲第5番ですが、この2曲は同じニ短調なので、そのあたりも聴き比べていただけたらと思います。

運営上のご苦労についてお聞かせください。
 一人で音頭を取って立ち上げたこともあって、今でも会計と広報など以外の雑務はほとんど一人でやっています。他のメンバーには音楽に集中してもらいたいという気持ちなので裏方の苦労は気になりませんが、人手が必要な本番当日は自分もステージに立つので身体が足りないのが悩みです。

熊本県立劇場広報誌「ほわいえ」Vol.93より

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