県劇人
Vol.5

 スポットライトを浴びる主役の影で、舞台を支えるスタッフや名脇役、そして仕掛け人。
 楽屋や舞台袖を縦横無尽に走り回るこれらの人々にスポットを当て、舞台づくりの魅力や苦心談などを連載します。

松本眞奈美(劇団市民舞台)
9月29日、30日に、県立劇場演劇ホールで開催されるオペラ「南風吹けば楠若葉」。この公演の演出助手で、衣裳、小道具も担当する劇団市民舞台の松本眞奈美さんにお話を伺いました。

劇団市民舞台では、どういった活動をなさっていますか?
 主に演出と脚本を担当しています。役者として出演するのは4年に1回くらいなので、自分では“ワールドカップ役者”と呼んでいます(笑)。

今回のオペラでは、具体的にどういった作業をなさっていますか?
 メインの仕事は演出助手ですが、衣裳、小道具のためのプランニング、時代考証から素材集め、管理、製作まで全てやっています。いわば、演出家の小間使いですね。

今回のオペラ制作に関わるなかで、ご苦労なさっているところを教えてください。
 ズバリ!予算と時間が限られていることですね(笑)。オペラは演劇(ストレートプレイ)と違い合唱団員など出演者の数が多いのですが、その方々を限られた時間でまとめ、限られた予算で衣装や小道具をそろえる工夫をしなくてはなりません。が、それもまた腕のみせどころと思っています。

今回関わっていらっしゃる仕事のなかで、観客の皆様に是非見ていただきたいところは?
 小道具や衣裳は、時代考証に基づいて作っていますが、舞台に載せる時には敢えてそれを崩す時があります。「その時代に、そんなの無かったのでは?」などと言わず、それを楽しんで見て欲しいですね。

熊本県立劇場広報誌「ほわいえ」Vol.77より

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