県劇人
Vol.1

 スポットライトを浴びる主役の影で、舞台を支えるスタッフや名脇役、そして仕掛け人。
 楽屋や舞台袖を縦横無尽に走り回るこれらの人々にスポットを当て、舞台づくりの魅力や苦心談などを連載します。

佐藤淑子(衣装制作)
4月15日、コンサートホールでオペラ「マクベス」全幕を上演した熊本シティ・オペラ協会。そこで創立当初から舞台衣裳を担当している佐藤淑子さんに衣裳制作についてお話をうかがいました。

舞台衣裳の制作に携わるようになったきっかけは?
 父がモダンバレエを教えていたので、小さい頃からモダンバレエやピアノ、合唱などをやっていました。父が亡くなった後は、バレエではなく合唱を続けたのですが、仕事が洋裁だった関係で、合唱団の衣裳製作にも携わるようになりました。

これまでに最も印象に残った公演は?
 99年に、ハンガリー国立歌劇場の舞台装置や衣裳を使って上演した「アイーダ」ですね。ヨーロッパから船便で送られてきた衣裳を補修したり、専門学校の生徒さんに手伝ってもらって、合唱団の衣裳を100着以上も縫ったりしましたが、ハンガリーから来た衣裳スタッフと一緒に仕事ができたことはとても勉強になりました。

衣裳製作で苦労していることは?
 合唱団の衣裳は演出家のイメージが固まってから本番までの短い間に手直ししたり、製作したりしなくてはならないことです。

最後に、衣裳担当者として喜びを感じるのはどんな時?
 無事に公演が終わった時、ホッとすると同時に言葉では言い表せない充実感を味わいますね。

熊本県立劇場広報誌「ほわいえ」Vol.73より

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