皆さんはピアノの練習でピアノの前に坐った時、どんな気持ちでピアノを弾き始めますか? 今日はそんな話です。
と、その前に。
小惑星「Ryugu」(リュウグウ)を目指して、現在宇宙空間を飛行中の「はやぶさ2」をご存知でしょうか? 小惑星到着が2018年、そこで観測・地下物質サンプリングのあと、2020年末(東京オリンピック後)、地球に帰還予定だそうです。
突然、宇宙の話から始めてしまいましたが。
先日、私が所属している異業種交流会で卓話していただいた、日本工機(株)元社長の話です。
その方は私の大学の先輩で、大学の同友会などで時々お顔を見掛けていました。今年の新年会でもお会いし、その時立ち話でそんな現在進行形の夢のある宇宙の話を聞いて、これは是非、異業種交流会で卓話をして頂きたいと思ってその場でお願いしたら、快く引き受けていただきました。
話は宇宙のことだけでなく、日本工機(株)の前に執行役員などを務められた日油(株)がらみで油の話も。ひと言で油と言っても、工業用や爆薬から、食用、化粧品用など多岐に渡る話とその開発裏話。「はやぶさ2」は、小惑星の地表に人工クレーターをつくる装置を日本工機(株)が開発してJAXA(宇宙航空研究開発機構)に提供しているのだとか。
現在進行形で宇宙を飛行している、夢のある話でした。
その中で印象に残った言葉が「好奇心」。
「仕事は、常に好奇心を持って新しい世界に挑戦していく気持ちが大切ですね」と。
これって、仕事に限らないですよね。
例えばピアノ。
〜って、やっとここで宇宙からピアノの話になります(笑)。
自分のことで恐縮ですが、私が大人になってからピアノを始めたのも、好奇心といえば好奇心? たまたまカーラジオの番組で聞いた「コード奏法」という言葉に「好奇心」を動かされ、放送局に電話し、その番組に出ていたライブバーのマスターの店のドアを初めて開いた瞬間も「どんな所だろう?」と、好奇心満載でした。
これまで何度も書きましたが、その後の夜の街での飛び入り演奏、このコラムの連載開始、何のツテもなかった中央の大手出版社へのコンタクトから出版の実現、セルフプロデュースライブの開催等々、思えばいつも自分が知らない世界への「好奇心」が根底にあったのは確かです。
これはまた、日頃のピアノの練習にも当てはまると思うんです。
皆さんはピアノの練習でピアノの前に坐った時、どんな気持ちでピアノを弾き始めますか?
「昨日までやったこと(先生から教わったこと)がちゃんと出来るか?」
「このテキストのこの部分、はやくちゃんとマスターしなきゃ」
もちろん、それも重要な事かも知れませんが、「こうしなきゃ」という「課題」をクリアするための練習って、重荷になりませんか?
改めて思い直してみると、私はそんな時
「さて、今日はどんな自分に出会えるかな?」
「どんな新しいピアノの世界を発見できるかな?」
と「好奇心」いっぱいでピアノに向かっていたような気がするんです。
すみません、何だかカッコ付け過ぎですかね(笑)
でも、やっぱり思い返してみると、私はそんなワクワクする気分でずっとピアノをやってきたような気がします。
大人の趣味のピアノ、好奇心いっぱいでワクワク楽しみながらやれたらこんな素敵な事はないと思いませんか?
宇宙の彼方を目指して、今この瞬間も飛び続けている「はやぶさ2」に想いを馳せながら。
(続く→原則毎週火曜日更新)
an弾手(andante)
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