とてもうれしいメールを頂きました。読者(徳島県のY.Tさん、53歳・男性)の方からです。
大人になってから、『あるきっかけ』でピアノを始められ、いま大きな夢を抱いて取り組まれているようです。大きな夢、と言っても、コンクールに出ようとか人前でピアノを披露したいとか、そういう話とちょっと違うんです。今回、メールのやり取りで2回メールを頂いたのですが、1回目で「うれしいなぁ」と思い、2回目のメールで「そうだったんだ!」と、とても温かい気持ちになって、ちょっとウルッとしてしまいました。
最初に頂いたメールです。
…(前略)…当然のことながらピアノ続けています。1年ほど前より独学に限界を感じ、ピアノ教室に通っています(月に1回ですが)。
an弾手様の『パパも弾きたいピアノ入門』も発売後すぐに購入させていただきました。「千の風になって」は、落ち着いたアレンジですねとか、「めぐり逢い」のアレンジが美しいですねと先生もおっしゃっておられました。
はい、an弾手様の他の本も教室にどんどん持ち込んでいます。上記の曲の他、「戦場のメリークリスマス」や「さよならをするために」などが自分なりに弾けるようになり、幸せな気持ちになりました。これもan弾手様のすばらしいアレンジのおかげです。どのように考えたら、an弾手様のようなアレンジができるのかが、初心者の私にはまったくわからないため、多くの読者が希望されていますように、誠にあつかましいお願いですが、多くの曲をan弾手様のアレンジで世に出していただきたいと切に希望いたします。
現在、「ハナミズキ」や「オリビアを聴きながら」を練習していますが、an弾手様ならどのように弾かれるのかな、などと想像しながら練習しています。
…(中略)…
an弾手様が音楽指導をなさっているオハイエくまもとの活動は本当にすばらしい社会貢献であると思っています。私も大好きなピアノを通じて将来的に何か社会貢献ができればと思っております。
これからもピアノになぐさめられながら、また励まされながら続けていきたいと思います。
an弾手様、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
御自愛のほどお祈り申し上げます。
とても嬉しいメールだったので、このメールをan弾手のコラムでご紹介させて頂けないかというお願いをしましたところ、すぐに了解のお返事ありました。
そしてそこには、この方がピアノを始められたきっかけや、現在抱いておられる夢がさりげなく綴られていました。
an弾手 様
メールをいただきまして誠にありがとうございます。
an弾手様のピアノ奮戦記は、毎週楽しみに読まさせていただいております。今度はそのコラムにご紹介していただけるとのこと、非常に光栄です。
50歳を過ぎてもピアノが生きがいになることが、ひとりでも多くの方に伝わればうれしいです。
私は実は、46歳の時に手術で右の腎臓を摘出しています。当時子どもも小さかったものですから仕事を休めないというプレッシャーからか、術後の鬱(うつ)になりまして悶々としていました。それを救ってくれたのがピアノでした。それも誰か他の人が弾いた音ではなく、自分が弾いたピアノの音だったのです。
(かわいいあの子、ヘ長調のB♭のコードとメロディーのきれいな響きに救われたのを今でも鮮明に覚えています。)
それで前回のメールにも「社会貢献」という言葉で表現させていただきましたが、今度はピアノで誰かを助けることができれば、と思うようになりました。自分がピアノを弾くことで、あるいは誰か悩んでいる当人にピアノを弾いてもらうことで、その人の気持ちを助けてあげたいと思うようになりました。
まだまだリズムがとれず、ヘッドホンの中だけの世界ですが、そんな高い目標に掲げ、これからもピアノを続けてまいります。
今後ともいろいろ御教示賜りますれば幸いでございます。
どうぞよろしくお願い申し上げます。
いいお話ですね!私は思わず「たかがピアノ、されどピアノ」と呟いてしまいました。
ご自分がピアノに救われたという体験から、今度はそのピアノで誰かの手助けができればという思い。前回のコラムのタイトルではありませんが、私が知らないどこかで、こうして「共感の輪」を広げようとしておられる方がいらっしゃるということ、励まされます。
私もまた、思いを新たにさせて頂きました。ありがとうございました!
(続く→原則毎週火曜日更新)
an弾手(andante)
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随時、このコラムの中で取り上げてみようと思います。このコラムはコード奏法超初心者から中級の入口位の方を想定していますので、その範囲ならどんな内容でも結構です。メールお待ちしています!
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