拙著「パパも弾きたいピアノ入門」(ドリーム・ミュージック・ファクトリー刊)の読者の方からメールを頂きました。東京にお住まいの、77歳の主婦、とおっしゃる方です。嬉しいです。確かに、本のあとがきに「ご感想、ご質問などがありましたらan弾手までお気軽にお寄せください」と書いているのですが、実際に本の著者にメールを出すというのはなかなか勇気がいることだと思います。私だって逆の立場だったらそう感じますし。
でも、これまでにもこうやって「ピアノ」をキーワードにお互いの気持ちを伝え合える方とのご縁をたくさん頂いてきました。本当にありがとうございます。
今回はご質問の内容がこのコラムの読者の方にも何かの参考になりそうなので、ご本人のご了解を頂いてこの「Q&Aコーナー」でご紹介させて頂きます。
(以下、頂いたメールです)
はじめまして。
東京の77歳の主婦です。幼稚園から高校まで楽しくピアノを弾いてきました。40代にまたちょこっとエレクトーンを弾きましたが、そのあとはゼロです。
今年に入ってピアノが無性に弾きたくなり「すぐ弾ける、初めての久しぶりの大人のピアノ・永遠の映画音楽編」(片岡博久著)というのを買ってきました。映画音楽なら大好きなので弾けると思ったのです。
でもメロディーの部分と伴奏の部分、別々には何とか弾けるのですが両手同時となるとまったくお手上げです。それでいったんはピアノを諦めたのですが、とうしても諦められなくてまた楽譜を探しに行ってan弾手さんの「パパも弾きたいピアノ入門」に出会いました。今「大きな古時計」まで弾けるようになりました。
それで、お教え願いたいことは次のようなことです。
コーラス部に入っておりますので菅野よう子さんの「花は咲く」を歌っております。したがいましてメロディーは弾けるのですがコードのつけ方がわかりません。
一番簡単なコードのつけ方をお教え願えないでしょうか。
(以下、an弾手からの返信)
メール、ありがとうございます!
拙著「パパも弾きたいピアノ入門」手にしていただいたとのこと光栄です。こうして、全国の見知らない方々とピアノを通して同じ思いの輪が広がっていくのが嬉しいです。
さっそくですが、ご質問の件です。
コード付けについては「パパも弾きたいピアノ入門」では具体的に触れていません。というのも、本書のレベルを少し超える、次のステップの話になりますので。
ただ、その導入として57ページからの「コード進行の不思議」という章を設けています。その中でダイアトニックコードとコードの機能(主要3和音と代理和音)の働きを解説していますので、まずはこれを理解してください。これが分かると、基本的なコード付けはすぐ出来る様になります。
曲のコード進行は、もっともシンプルな形がトニック(T)→ドミナント(X)→トニック(T)という進行です。いまなさっている「花は咲く」のKeyが何か分かりませんが、もしKey=F(ヘ長調)であれば、トニック(T)がF、ドミナント(X)がCですから基本はF→C→Fというコード進行になります。
とにかく曲の最初をFで始めて、フレーズの切れ目で一旦Cになり、また次のフレーズの始まりがFで、を繰り返し、曲の最後の一つ前がCになって最後はFで終わります。つまりF→C→Fの繰り返しです。
実際はその途中に別のダイアトニックコード(Key=FならGmとかB♭とかDmなど)を使って変化を付けます。とにかく、その曲のKeyのダイアトニックコードのどれかを当てはめてみて合いそうだったらそれでOK、何か違うと思ったら別のコードを試してみる、で、大体うまくいきます。
ちなみに61ページに書いていますがKey=FのダイアトニックコードはF、Gm、Am、B♭、C、Dm、Em(♭5)です。この7つのコードのどれかを当てはめればそれで決まります。もし、Keyが違う場合は、そのKeyのダイアトニックコードを書き出してみてそれを使ってください。各Keyのダイアトニックコードの作り方は57ページのKey=Cの場合のダイアトニックコードの作り方にならって、そのKeyのスケールの音の上にそのスケールに出てくる音を重ねて和音にすればOKです。
と、文章だけで書いても分かりにくいですね。すみません!
どうか、57ページからの解説(図)と、このメールに書いたことを読み返して頂いて、後は実際に鍵盤上でコードを当てはめて試してみて、変だと思ったら変える、合ってると思ったらそれでOKです。大きな流れとしてトニック(T)→ドミナント(X)→トニック(T)のコード進行さえきちんと入っていれば、その他は人によって好みによって変わっても全然問題ありません。
実際にやってみられて、また何かありましたらいつでもメールください。ありがとうございました!
(以下、再度ご質問のメール)
先生、早速お返事をいただきまして恐縮いたしました。これからお手紙をプリントアウトしてじっくりと勉強いたします。
ちなみに「花は咲く」は第3線にフラットがついておりますので、F=へ長調です。
(中略)
ところで、東京にシニア初心者のための「an弾手の会」のようなものがありますでしょうか。メールの会でもいいのですが。一人よりもお仲間と励ましあって弾くほうがより楽しいと思いましたものですから・・・。
(以下an弾手より返信)
こんにちは。
東京の「an弾手の会」のようなもの、とのことですが、まさにおっしゃるような「弾手の会」という会があります。あまり頻繁には集まっておられないようですが大人のピアノ(以外にもギターやウクレレ、ライアーなど)の愛好家の方が連絡を取り合って、時々、赤坂のカーサ・クラシカというライブハウスで演奏したり、たまにはピアノスタジオを貸し切って交流会を開いておられます。私も2〜3度、熊本から上京して参加させて頂きました。皆さんとてもいい方ばかりでアットホームな雰囲気ですよ。
たまたま最近も集まられたようですので、その様子を私の連載コラム「an弾手のピアノ奮戦記」に書いています。
下記からご覧ください。
世話役の方は中島さんとおっしゃる50代の男性の方で連絡先メールアドレスも下記のページ内に書いてあります。
http://www.kumamoto-bunkanokaze.com/andante/andante45.html#450
http://www.kumamoto-bunkanokaze.com/andante/andante46.html#452
ご参考にされてください。
それでは、またそのうちに、近況などお聞きできるのを楽しみにしています。
ありがとうございました。
an弾手
(続く→原則毎週火曜日更新)
an弾手(andante)
■Q&Aコーナーのご質問を募集しています。
随時、このコラムの中で取り上げてみようと思います。このコラムはコード奏者超初心者から中級の入口位の方を想定していますので、その範囲ならどんな内容でも結構です。メールお待ちしています!
piano-roman@kumamoto-bunkanokaze.com
ちょっと、ひと言。 |
暑〜〜〜っ! 梅雨が明けたと思ったら、いきなりの猛暑ですね。皆さまいかがお過ごしでしょうか?
こんな日、昼間会社にいる間はエアコンのお陰でなんとかいいのですが、打ち合わせ等で外出する際、屋外の駐車場に車を停めると大変ですね。しばらくして車に戻ると灼熱地獄です(笑)。熱中症にならないようにしっかり水分を摂らねば。
まだまだ夏は始まったばかり。先が思いやられますが、ま、出来ることから着実に、この夏も乗り切っていきたいものです。
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