「はい、それじゃ今日の前半はこれまでの復習でこの3種類のコード進行を両手で弾いてみて。で、後半は曲への応用をしてみようか」
訪ねて行ったスタジオの一室。その日も中学3年生の女の子とキーボードの前に掛けます。その子のお母さんから頼まれてピアノ(コード)のレッスンを始めたのは去年の9月でしたっけ。それから約5ヶ月経つというのに、レッスン出来たのはその日が6回目。中学生とは思えない多忙な日々でなかなかピアノレッスンの時間が取れなかったのです。
「次のレッスンはいつにする?この日とこの日あたりだったら時間取れるけど」と私。
「あ、その週は放課後ずっと予定が入っているので無理です。そーですねー、来々週のこの日だったら多分時間取れるかと思いますけど。とりあえず仮予約ということで、予定が変わったらまた連絡してもいいですか?」
何だかどっちが中学生でどっちがビジネスマンのおじさんか分からないような(笑)会話をしながらいつも次のレッスン予定を決めてました。
というのも、彼女は他にも色々な習い事をしていて、レッスンで度々上京したりもしているらしい。そしてこの春からは東京の高校に進学が決まったそうなんです。
その日、お母さんからお話がありました。
「実は、もうピアノのレッスンをする時間が取れなくなったんですよ。他のレッスンや4月からの東京での活動の準備もあって」
「わぁ、いよいよ東京に行かれるんですね。おめでとうございます!頑張ってください」
当初から、私のレッスンは中学卒業までの半年という事でしたので、もう2月に入って私もあと数回かとは思っていましたが、その日が最後のレッスンになったのでした。
ところで、彼女のピアノのレッスンって、どんなことをしてきたのかと言うと。
お母さんの話では、彼女は小学生の時にちょっとだけピアノを習ったことはあるけど、すぐに歌のレッスンが主になって、それからピアノはやっていない。春から東京に進学したら、向こうでの他のレッスン等で忙しくてとてもピアノの練習をしている暇はなさそうなので、熊本にいるうちに今後のための一つの素養として、ちょっと弾けるようにしておきたい、とのこと。
「でしたら、簡単なコード奏法の入り口でも体験しておけば、今後何かの役に立つかも知れませんね」
という訳でレッスンをお引き受けしたのでした。
そして結局レッスン出来たのは6回。コードって何?ってところから始めて、右手でのコード進行、左手を加えた両手でのコード進行、そして、簡単な曲への応用。私の「2週間速習ピアノ講座」の本をテキストにしながら巻末参考曲のエーデルワイス、アメイジング・グレイスまで。
本では「2週間〜」ってことで14日分のステップになっていますが、ほぼ同じような内容を超特急の6回で駆け抜けたのでした〜。
短期間のレッスンでは伝えきれなかった事も一杯ありましたが、それでも超多忙の時間をやり繰りしてのレッスン、お疲れ様でした。いつも礼儀正しくて帰りにはきちんと笑顔で「ありがとうございました!」と言ってくれる彼女。これから東京に行って、沢山の新しい経験をすることになると思いますが、どうか精一杯吸収して大きく成長してくださいね。応援しています!
(続く→原則毎週火曜日更新)
an弾手(andante)
■Q&Aコーナーのご質問を募集しています。
随時、このコラムの中で取り上げてみようと思います。このコラムはコード奏法超初心者から中級の入口位の方を想定していますので、その範囲ならどんな内容でも結構です。メールお待ちしています!
piano-roman@kumamoto-bunkanokaze.com
ちょっと、ひと言。 |
そう言えば、今日はバレンタイン・デーでしたね〜!「だから?」と言われれば、はい、別にだから何ってことはないんですが(笑) 数日前から我が家でも、義理チョコ、本命チョコが飛び交っております。ま、詳しくは書きませんけど。
お菓子業界の作戦と分かっていても、世の中、キラキラと楽しげな話題が飛び交っているのは、それはそれで何となく幸せな気分になれていいものです。
さて皆様、今日はどんなバレンタイン・デーをお過ごしでしょうか?
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