Vol.90 楽しみところどころ [2010.3.3]

楽しむ。
それって何だろうとあらためて考えると、なかなか深くおもしろい。

なんて思っていたら、フリーカフェ:飲み物、おかき無料食べ放題というとんでもないカフェを見つけた。ところは東京の官庁街、虎ノ門。
なんでも、播磨屋本店というおかきの老舗がやっているらしい。ここのおかきは以前食べたことがあるが、ぱりぱりと素晴らしい歯ごたえで大変美味だ。しかし、無料で食べ放題って…。
さらに、看板のこの独特の言いまわし。



現在と将来の全てのお客様専用のフリーカフェです。
おかきバーもすべて無料です。
どうぞごゆっくりとお寛ぎください。
ただし混雑時にはゆずり合いの笑顔をお願いします。
なおテイクアウトはご遠慮ください。

(躾の全く出来ていない子供さんの入場は、他のお客様のご迷惑になりますのでお断りします。)

ドリンク各種0円
おかき・せんべい0円

年中無休 AM 10:00 〜 PM 7:00


…すごい…。しかし、躾の全くできていない子供さん….?
(余談:ちなみにAM,PMのつけ方は正しくは10:00 a.m. 〜 7:00 p.m.のように小文字でピリオド(ドット)を付け、時間の後です。日本では、例えば午前十時というような言い方のせいで、大文字で時間の前につけることが普通のようになっています。ま、いいんですが。)

驚いて店内をのぞいてみたら、中高年の方々でほぼ満席。私は残念ながらもう別にお茶をしてきたので、トライせず。隣接のショップを覗いた。無料とは言え、こういうお客の心理もあるものだ。
ショップでは1000円程度のギフトから大きな缶入りの5000円くらいのものまで売っていて、無料を堪能したあと、購入する人も少なくはなさそうだ。
この時代、これは素晴らしいチャレンジだと思う。すごいぞ播磨屋!

 さて、最近私はめずらしいことにJ-popのExileに興味を持っている。歌がというより、そのあり方、特に社長のHiroさん。Zooのころからがんばっている。落ち込んでもまた這い上がった。Exileもこの時代の中で、あえて人数を増やすという形をとっている。みんなでやろうよ!とでも言うように。これもなんだか、みんなを元気にすることじゃないだろうか。

 個人的に楽しみっていうと、帰宅してリラックスすることほどホッとすることはない。まず、熱いお風呂に入って、『あとは寝るだけ』の体制をつくり、夕飯を食べ、好きな飲み物を飲み、したいことをする。そして、できるだけ早く寝る。毎朝6時半に起きなきゃいけないから。
なんだか、ちょっとつまんないかな…。
そうそう、何かを創るっていうのも楽しみ…。

 近所の八百屋さんのお孫さんと握手したこと。
かわいらしい声が聞こえたと思ったらお孫さんが遊びに来ていた。八百屋のおばさんが「帰ってから食べなさいよ」とくれたふわっふわの手触りのおまんじゅう。(東京の八百屋さんではこんなところもある)そのお孫さんの『お手て』はこれよりもやわらかかった。女の子は2歳だという。小さな手で2をつくろうとして最初3になった。バラ色の頬をして大きな声でいろいろ説明してくれる。お父さんが後ろで満面の笑顔をしている。あまりのかわいさにおもわず抱っこさせてもらうとお母さんが
「めずらしいわ。このコ他の人にはなかなか抱っこしないんです」
全身ふわふわだった。これは楽しみというより心にしみた。ああ、なんてかわいいんだろう。

 お昼、最近会社の上司とウマが合わず、一人でランチをとっていた。週に1〜2度行っていたら、そのレストランのギャルソンと、ちょっとなじみになり、食後にそっとデザートのショコラムースを持ってきてくれた。「いつもありがとうございます。シェフからです」
楽しみというより、こんなのは一番うれしい。

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 さて、仕事が楽しみだとどんなに充実することだろう。でも、これがなかなかどうして。弱音をはいて、昔の同僚にメールしたら「仕事をやっていく中で色々と大変な事、理不尽な事はありますよね。私も日常茶飯事です」なんというやさしい励ましの言葉。
映画ローマの休日でもこんなせりふがある
『ままならないのが人生さ』
…こんな時、何かが楽しみに変わる瞬間がある。

日々楽しみを見つけ、暮らす。オリンピックでも限界を超える努力をする姿をたくさん見せてもらった。
あらためて「楽しむってなんだろう」と、そう思うのだ。

 

 

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