Vol.87 2009年12月 東京 [2009.12.21]

 あっという間、という慣用句を使いたくはないが、もう本当に12月だ。
そんなある朝の地下鉄。いつものように通勤ラッシュに揺られ、会社にあと2駅というところで、地下鉄がトンネルを抜けてたどりついた不思議な空間。いつもと同じ駅なのに…。
そう、部分停電が起こっていた。長いホームの半分以上の電気が消えている。
暗いトンネルを走る明るい車内がたどりついたホームが薄暗いだけで、どこか知らないところに到着したような、異次元感。「部分停電」だったから、まだ恐怖感がすぐには襲ってこなかったようなものの、本当に何もかもが停電したら、地下鉄の構内なんて、こんな暗闇はないだろう。そう考えるととても怖くなった。何年も前に一度、車内がほんの1〜2秒停電し、真っ暗になったことがあった。たった1〜2秒でも、皆、身体をかたくした。たったひとり暗闇はとても怖いが、ひしめきあう人の中で暗闇になるのはこれもまた怖い。
 以前、照明について少しかじったことがある。身体に適度な明るさ、また犯罪防止にも、場所にはそれぞれに適当な明るさの設定がある。
そして、日本は明るすぎるくらい明るい。だからトップクラスに安全な国なのかもしれないが、12月の朝、部分的に電気が消えていたホームの暗さはヨーロッパのイメージだった。本当にそのくらい他の国は暗い。10年以上前トランジットではじめて降りたソビエト空港なんて、昼間は電気がついていなくて、とっても暗いイメージだった。自然光のみ、それも曇った日の、のような。
 いつもあたりまえだと思っていることも、実はどれも全然あたりまえではなくて、一生懸命誰かが考えて、働いて、供給されているわけだ。

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 クリスマスのイルミネーションも各所でグレードアップしている。発光ダイオードのおかげでコストも灯りの寿命もいい方向に向いたということだ。マナーのせいで、一時中止になっていた表参道にも、今年はこのLEDのイルミネーションが美しい。

 『イルミネーション』で検索したらこんなサイトがあった。各所のイルミネーションイベントが網羅されている。九州では阿蘇でバルーンフェスティバルだそう。
去年仕事ではじめてたったひとりでフランスとドイツを列車で横断した。はじめてのヨーロッパひとり列車で、改札の通り方がわからなくて、どうやら私は適当に間違った入り方をしたようだった。そんな私を見て、正しく教えてくれた親切な人はバルーンフェスティヴバルを開催する会社に勤めていると言っていたなあ。
気球:なんだか新年にむけて、とっても思いも胸もふくらむ、素敵なかんじ。

http://www.walkerplus.com/xmas/kanto/

 

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