Vol.62  空間 [2007.11.19]

 有楽町に、Itocia(イトシア)という、またまた新しいスポットが出来たようだ。
銀座に一番近い街に。
私はまだ行ってはいないが、写真でそれを見た。新聞や雑誌ではなく、
知り合いの美術家の撮った写真で。
 去年、パスポートの更新(といっても、最近はなかなか使うことがなさそう)で、
交通会館に行ったのが有楽町に行った最後だったろうか。
何とパスポートの書き換えは長蛇の列。
渡された番号に達するには信じられないことにあと何百人も待たねばならず、
1時間やそこらじゃ済まなかった。結果、午後いっぱいかかってしまった。
 その日は快晴でとても心地よい日だった。
なので、待つ合間に外で一杯お茶をと、思ったが、結果はガッカリ。
工事中ということもあったが、あたりに『くつろげる店』というものがみつからなかった。
 そうして今、写真で見る限り『ITOCIA』、またまた普通のショッピング街である。

 15年またはもう20年前になるが、新しく開発され造り出された『空間』は、
ショッピング中心ではなく文化とオフィスの融合だった。
前の会社近くにあったアークヒルズはその先駆だ。
サントリーホールとオフィスそしてホテル。レストランとショッピング街は
そのかたわらに利便性を考えたようにくっついている構造。
私にはこっちのほうにショッピング街よりもワクワクさせられる。

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 新しいオフィス(人が入る前の)はなかなか壮観である。
仕事で行った、とある著名なビル最上階近くのフロア。
そのオフィス空間は素晴らしかった。
オフィス家具、巨大な新築の香りのする空間、窓から見える都会。
悲しいかなそれは日本企業ではなく外資だったが、ともあれ人のいないそのひろびろとした
『空間』『窓の外のパノラマ』が脳裏に焼き付いている。
それは、もしかしたら私が見たある『都会の風景』なるものだったかもしれない。

 別の場所、『展望ラウンジ』からの空間。
階下の街が見えた時「ここからの風景はちょっと前には誰の目にも触れなかったはず」
と不思議な気がした。もともと、そこにその高さのビルはなかったし、
今見える風景はヘリにでも乗らなければ誰の目にも触れなかった光景だからだ。
今や訪れる人は容易にそれを見ることができる。

-END-

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