Vol.16 思い立ったが吉日 [2004.1.23]
 先日、私はひさしぶりに社用で外出しました。 前の職場と違って今の職場は外出があまりありません。ところが、New Year 早々に出社すると、都内某所で行われる新年の会議もろもろのセッティングと、なんと、そのあとの新年会(ボーリング)のコーディネート(と、上司は形容したけれど、要は宴会の幹事です)の仕事がプラスオンで来てしまったのです。しかも会議(+ 新年会) まで正味1週間あるかないか......。                
 まだ、転職して1年足らずだし、いろんな考え方のある中で、スイスイとかゆいところに手が届くなんてシャレたわざもできない不器用なたちだし、なんと今回のミーティング+新年会の形式ははじめての形式とのこと。しかも、上司はその次の日からアメリカに出張。そして会議の前日にしか帰ってこない。 まあ、会議を行う場所のセッティングや準備は会議を行う場所の相手担当者も慣れているようだし、いいとして、問題はパーティ。

「ナニイ〜! 要するに幹事〜!? どうしよ〜!」と、普段どんなに疲れても悩んでも、 睡眠だけはしっかりとれるこの私が、実は夜もなかなか寝られない、というのが、一日だけありました。 しかし、救いの手はいつもあり。会社で一番盛り上げ上手な女の子をサポート役につけてくれたんです。で、時間は1時間くらいしかとれなかったけど、いろいろ考えて、買い出しは私が担当。ひさしぶりの外出はそのためだったのです。  実はその日、会社での「マジな仕事」には、ものすごいち密さを要し、「こんな日に宴会の買い出しイ〜!? 冗談じゃナイヨ!」とちょっとマリコは憤って買い物に出かけたのでした。でも、もう、時間がない......。シブシブ会社を出る私。
「渋谷の東急ハンズでパーティーグッズを買わなくてはいけない。しかし、どうも渋谷はゴミゴミして苦手。あ〜、ヤだな〜、もう」

 いつもは神谷町で日比谷線の私ですが、その日は逆方向に歩いて虎の門まで行き、そこから銀座線でシブシブ渋谷に直行するつもりが、銀座線に乗って外苑前を過ぎ、表参道につくやいなや......。ふと、何かが私の身体を押すような衝動。「ココ、ココ...」という声が(!?)で、地下鉄の扉の締まるギリギリで表参道、そこで降りたのです。そんな時ってありませんか? 勘が働くというのか......。「ココ、ココ...」という声をたどってみると、「そうだ! スパイラルで陶器を探そう。きっとシャレたのがみつかるはず。それにひさしぶりじゃない、ココ」、そんな風に思ったように思います。
 
 B1出口を出て、地下鉄から地上に出るとすぐに、おや? 知った顔が近付いてきます。前の会社で担当していたライセンス先の、素敵だなあと思っていた女性です。すると向こうも私に気が付いて、とってもなつかしくて抱き合ってしまいました。「やっぱりいいな! 外出。それに、ここで降りたのはやっぱり正解だった」と、頭の中で又、声。今度ははずんでる。

 で、声のとおり、青山スパイラルでボーリング1等賞の商品を。なかなかいい感じの陶器。「ボーリング」にひっかけたように「ボウル型」をしています。NY近代美術館にも認められているというものらしいけど、意外と安価。それを2つ。
 
 意気揚々と気のすすまなかったはずの渋谷に行き、トップグループ賞の音楽ギフト券。これは軽くていいな、と思ったけど、実は見た事がない。渋谷にはタワーレコードもあるけど今度は、一番駅に近いレコードショップHMVに身体が又、ス〜。で、いつもは興味のあるR&Bなどの上の階には、そこでもしも「無い」と言われたときのために行きたくない。そのまま1階JーPOPのカウンターで聞く。と、「あります」
「わ〜よかった〜!」包み終わるまで少し時間がかかると言うので、PUSSHINを試聴。なかなかよかった。クリスタル・ケイは誰かが聴いてたし。

 ビー賞の「大仏そして、メインのブーのかぶりもののお面、宴会用その他」を買いに例の東急ハンズへ。渋谷の街をここまで行くにはちょっと若者というには違ってきた私にはつらいのでした。
「あ〜、ここ、1階-A.B.Cとか分かれてるんだよねー。一体何階なんだろう〜」と、疲れてまた入り口で聞く。
「パーティーでバツゲームとかに使うようなのは何階ですか?」(変な聞き方!)と、
「パーティーグッズは1ーCですね」
「ア〜よかった〜、近い〜」
 しかし、それでもなかなか来ないエレベーターをあきらめた。階段では1ーCといえども3階に行く感じ。で、上がるとあるある、変なのがいっぱい! でも、肝心の大仏がいない。私はディスプレイしてあるものの中に燦然と輝いている図を想像していたのに、いっぱいならんでるのに、そこにあるのはキングコングとかマイケルジャクソンとか、、、でも、大仏がいない......。で、又聞くと「あ、ここです」とサラリ。下の方にビニールに地味に入って私を待っていた。でも...。

「コレ、けっこうカッコいいなあ、バツゲームには良すぎるなア」
で、反対側を向くと「むなげ」という袋が。コレ、前の会社でくじ引きで当たったことがあり、ちょっとめんくらったことがあったもの。「やー、こんなところにいたのか〜」と思う。念のため購入。あと、クラッカーやハワイアン・レイやら何やらも購入。

 なんと、これで買い物終了。しかも、さっきの陶器も、ハンズの買い物も、お店から会社まで郵送してもらっても予算を大幅に下回る。約半分で済んだ。だから私は、商品券とクラッカー(火薬だから郵送できないそう)だけ持って帰れるのでした。なんだかこのように、とてもスムーズだったわけでした。その日シブシブ会社を出た私。しかし結果、けっこういいリフレッシュになったのでした。

 あの時もし、表参道で降りようという衝動にかられなければ、きっと渋谷で人にもまれて、しかも気の効いた商品も買えなかったかもしれない。少なくともなつかしいあの顔には会えなかったと思う......と、いうわけで、もしかしたら又、別の良い事も起こったかもしれないけれど、まあ、その日の運びは、私にはなんだかベストなものになった気がしたのでした。
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思い立ったが吉日。そうだと思います。自分の思い掛けない声が聞こえる時は、きっと良い事が起こるみたいです。どんな事でも。どんな時にも。
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ボーリング組み分けのくじ引きの
ためにデザインしたカードです。
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