Vol.15 Pinky Tower Tokyo [2003.12.25]
 ああ、今年も、もう、こんな季節になってしまいました! 街はクリスマス、そして年末、そして新年。この1ヵ月は非常にドラマチックですよね。普通の1ヵ月とは違うようです。なにせ、昨日までは2003年でも、明日からは2004年になる、ということが起きるわけですから。でも、昨日、今日、明日はいつもと同じに時間が過ぎていくだけなのです。
 それでも、私達にとって同じ日は一日としてないですよね。
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 今年をふりかえると「移動」にふちどられていました。そして私は又東京にもどってきました。東京10月3日金曜の夜こと。ちょっと素敵な物を見ました。私の今の職場は神谷町で、会社の入ったビルの裏口を出ると右どなりに東京タワーが大きく見えるロケーションです。 夕方になると、いつもは赤く輝いています。その赤い東京タワーを見ると、常々、「ちょっとウルトラマンみたいな感じ...」と、思っている私です。

 その日、いつものように会社を出るや否や、ちょっとした驚きが待っていました。裏口を出るやざわめきが! そのざわめきの方向を見上げると、ピンクに透明に輝く東京タワーが! 紫がかったマゼンダピンクに照らし出された東京タワー!! 色が違うだけで、東京タワーはその印象を全く違うものに変えていました。

 今日はいったい何だろう?不思議な気持ちになりながら、私はその東京タワーを見上げて歩きました。
昨晩から「明日は会社がおわったら六本木ヒルズまで歩いてみよう」と決めていたので、その計画のとおりにしました。今年4月からオープンした「六本木ヒルズ」には、最近「J-wave」という私の愛聴のラジオ局が移転しました。その週の六本木ヒルズでは、J-waveの放送する音楽に合わせて、ビルの高層部をイコライザーにしているというので、それを見に行ってみよう、と思ったのです。

 たどりつくや、誰かが私にリーフレットを手渡し「今日、東京タワーがピンク色なのを知っていますか?」
その「ピンクの東京タワー」にうっとりして歩いて来た私にとって、その問いかけはとってもいいタイミングでした。で、なぜなのかを聞いてみると、それは、あの化粧品会社エステーローダーが打って出た、「乳癌の早期発見を祈願」した、午後6時から約3時間弱のイベントだったのでした。なんでも、以前にも3度ほど、そのイベントで、東京タワーが海のように青く輝いたりしたこともあったそうです。でも、私がそんなふうに光でお化粧した東京タワーを目にしたのは今回がはじめてでした。

 「東京タワーがむらさきよ!」女の子が叫んでいます。みんなそれぞれにタワーを眺めています。
ちょっと曇り空の夕闇に輝くマゼンダピンクの東京タワー。六本木ヒルズは全体が映画の音響。それに合わせて、見上げると地上から何階ぐらいかな?みどり色のイコライザーがゆらゆらと揺れ動いています。空の雲にもサーチライトが白い水玉を作っていました。ヤルナ! 東京! みたいな感触でした。米沢の日本情緒の後、こんなのも、私にはやっぱりまだ、心にキます。

 このピンクのライトアップイベントキャンペーンは世界同時に5次の場所で行われたそうです。同じ10月3日金曜の午後18:00から21:30とのこと。それぞれにどんな風に輝いて、どんな風に人々の目に、心に映ったでしょうね。都市を利用したイベント、これはやはり、なかなか素敵なことでした。
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アメリカ:ニューヨーク/エンパイヤ・ステート・ビル
     フィラデルフィア/メトロポリタン美術館
イタリア:ローマ/トレビの泉
     ピサ/ピサの斜塔
フランス:パリ/シティーホール
カナダ:ナイアガラ/ナイアガラの滝
南アフリカ:ケープタウン/テーブルマウンテン
パナマ:パナマシティ/大統領官邸
韓国:ソウル/ソウル・タワー
ニュージーランド:オークランド/スカイタワー

2004年が良い年でありますように。ではまた〜。
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