Vol.14 競馬初体験 [2003.11.28]
 100年に一度の上出来という、今年のボジョレ・ヌーヴォーは飲まれましたか?あ、全くお飲みにならない方もいらっしゃいますか?私は毎年あまり気にしていませんが、今年は飲んでみました。ういういしい新酒で、甘味が強かったような。

 さて、もうじきカウントダウンの12月がやってきますね。年末のおたのしみも次々にやってくると考えたいものですね。
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 先日、会社のお楽しみ会で、はじめての競馬、しかも夜競馬トウィンクル・レースなるものを初体験しました。ディズニーランドと賭け事がいっしょになったような不思議な心地。キラキラと美しい会場の夜の照明。まさにデートコースでもありました。美しいサラブレッドのつやつやとした毛並み、細い足、キュっとしまったお腹。細いところと筋肉のバランスが素晴らしく、「美」にふれた感じです。

 でも、ふと視点を変えてみるとそこは又、「人生劇場」のような別の顔も持っていました。予想屋が立ち並び、それをとりまく人々のかもし出す一種異様な光景。予想屋は10件くらいが軒をつらねているけれど、人が並ぶ軒、閑散とした軒、とさまざま。それぞれに説教のように浪花節のように、おじさんたちが新聞片手に力説しています。それをとりかこむいろ〜んな顔の人たち。なんだかトラさんの映画を見ているようです。

 私達はたった100円の入場料を払って(今回は会社が指定席代を別に500円払ってくれた)会場に足を踏み入れると、今度は又、別の顔。なぜか突然お腹がすいてきて、食事でも、と店を探すと、なんともレトロな作り。昭和初期や大正時代を思わせる芝居のセットのような、学園祭のようなお店。そこでライスカレーやらモツ煮込みやら焼き鳥などを売っています。私はとりあえず大好きなビールを注文して、大きな紙コップに入れてもらいました。キューっと飲んでしまった。で?杯目。フフ。

 賭け事は基本的に興味がないので、ケチんボな私はたった1枚、100円の馬券を買って、全く知らないそのやり方を会社の先輩達に教わりながら、3頭の馬の名前にチェックを入れました。こうすると、1等、2等、3等という意味になるらしい。そしてもう一度馬券売り機のところにもどって機械に通すとチエックされたもよう。で、レースがはじまりました。

 おお!なんと美しい馬たちでしょう!はじめての光景に胸を踊らせて見ていると、おや、私が賭けた馬が3頭共上がってくるではありませんか!騎手達はみな馬の上に立ち上がるような姿勢でのっかっています。みるみる順位が変わると、なんと!私が賭けた通りの馬の番号が1等、2等、3等とゴール!「ヤッタ〜!!」と両腕のこぶしを上におもいっきり喜ぶ私。興奮して自分の馬券をみると、、。ちゃんとそのとおりの馬にチェックされています。しかし、後ろから先輩が、こう声を。
「あ〜、これ、枠でかけてるね」
「え?」

 そう、なんだか、紙にいろいろ種類があって、枠にかけるのと馬にかけるのといろいろあるらしい。私は馬に賭けたつもりが、誰かにアドヴァイスされた「枠が堅いよ」という言葉にどこかでひきづられ、うっかり枠の紙に書いていたというわけ。ガっクシ。やっぱり、私ってこんなところね。これで当たってたら、100円がなんと、約5,000円になってたらしい。.....マ、いいか。

 しかし、こういったところでの当て方にも個性があるようです。私と同じく1レース目で、たった100円で5,000円当ててそのまま帰った人。馬の名前の響きだけで決めて、3レース共たった100円づつ賭けてすべて大当たりで合計10,000円勝った経理の女性。「競馬でケチっちゃ寂しいよね」と、10,000円も賭けてすべてスった人。新聞を熟読し、入場する前から異様に真剣なオーラを出しながら5,000円もかけてすべてフイにした私の上司。

 額に大汗しながら今回の幹事をとりしきりつつ、実は一番儲かっていた人。などなど。初体験の夜競馬。とっても気に入りました。私は、入場するだけで馬を見たり雰囲気だけで充分だな〜と、最終レースの後にみんなでフィールドへ降りて行き、美しい馬を眺めながら、300円の損失も楽しかった一夜でした。
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