Vol.109 腰痛の日々 [2011.9.27]

 疲れが出たのか、歳なのか、この夏からちと調子が悪い。
おまけに喘息まで。それがまた朝夕おそろしく腰に響く。喘息の薬が合わず、手に湿疹が出たり。さして日常のストレスはないはずの毎日なのに、何か体調を崩してしまったらしい。
どこが痛いのかわからないが、腰から右足がじ〜んとしびれて、それだけならまだしも、突然、足をどうしたらいいのかわからなくなるように、こわばるというのか、痛いというべきか。毎日の満員電車の通勤は拷問のような時もある。
医者に行っても、合わない薬が出るだけで、20分ほどの牽引やマッサージも効果なしで行くのをやめた。この10年ほどお世話になっている鍼灸の先生からも、弱いところに出てしまいましたね。ちょっと長くかかりますと。
 それでも、ありがたいことに、自転車はOKだし、ほんの少しづつ回復してきてはいる。身体はバランスが少しでも崩れると苦しいものだ。

 東京は台風の直撃も受けた。幸い、会社は14時でお開きだったので、再び帰宅困難者になることなく、セーフで家にはたどり着けた。しかし雨戸を閉めても家が飛んで行きそうな豪雨。おととい網戸にとまっていたかわいらしいツクツクボウシはきっと…などといろんなネガティヴな気持ちが渦巻いていた。外では木々は大きくしなっており、明り取り窓から見える木々にがんばれ〜と心で叫んだ。
その夜ひさしぶりに緊急地震速報まで出て、全くふんだりけったり。

 しかし、驚いた。台風が去ると同時に、秋の虫たちが一斉に鳴き始めた。あの豪雨をどこでどう、しのいでいたのだろう。本当に立派だ。

 休日、鍼灸の帰り、電信柱の陰に一匹のトラ猫がこっちを見ていた。
幾分上り坂の歩道で、私もそこで自転車をストップさせた。猫はずっとそこにいて、私が止まると、ちょっとハスキーな声でニャ…ニャ…と言いながら、右足から何と自転車の間をくぐりぬけ、左足に身体をすりよせて、そのあとは振り向きもせずに去って行った。挨拶してくれたのだろうか。
悪いのは右足だけど、左足にじんわりとあったかいものが残った。

-END-


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