第561回 「JAGDA学生の日に思ったピアノとデザインの共通点」 [2015.9.8]
 趣味でピアノをやっていて、段々と好きな曲が弾けるようになってくると嬉しいですよね。私もそうでした。

 弾きたかった曲が何となくそれらしい形になってくる! 難しいフレーズでも、何となく指が動くようになってくる! コードの理論が少し分かってきて、どうしてここでこんな音を入れるとカッコよく聴こえるのか、少し納得できるようになってくる! 嬉しいですよね。
 でもそのうちに、「自分の部屋で1人で弾いているだけじゃ物足らないし、誰かに聴いてほしいなぁ」と思うようになってくるものです。そして更に進むと、「ほら私こんなに弾けるようになりました」というだけじゃなくて、誰かが自分のピアノを聴いて「とても楽しかった」とか「癒されて幸せな気持ちになりました」などと言ってもらえたらもっと嬉しいですよね。
 社会貢献なんて言ったら大げさだしちょっとニュアンが違いますが、自分のピアノが誰かの心に届いたら、何かの役に立ったら、嬉しいと思いませんか?
 人の役に立つために無理して何かをやる、っていうんじゃなくて、自分がやりたいことが誰かの役にも立っている、だからますますやりたくなる、っていう好循環、素敵ですよね。

 すみません、何だか理屈っぽい話になってますが〜。
 実は先日あることがあって、ふと「これってピアノでも同じだなぁ」と思ったので。
 先日、熊本デザイン専門学校で「JAGDA学生の日」というイベントがありました。
 グラフィックデザインを学んでいる学生に対して、デザインのプロであるJAGDA(日本グラフィックデザイナー協会)の会員が、学生が持参した作品(ポートフォリオ)にアドバイスをする、という企画です。
 実は私も本業はデザイン業(クリエイティブディレクター)でJAGDAの会員でもあるので、そのイベントにアドバイザーとして参加しました。
 そこでの自己紹介の中で、私はデザイナー佐藤卓氏の言葉を引用しながら、次のような話をしました。
 「デザインとは、デザイナーがやりたいことをやるのではなくて、デザイナーがやるべきことをやることです。つまり、デザイナーの自己表現ではなく、社会の中で求められているニーズを理解し分析し、デザインというスキルでそれを最も効果的に表現(解決)することで、ダイナミックな社会活動の重要な一翼を担う、ということです」と。
 本当はその後にもう少し付け足すこともあったのですが、長くなるので自己紹介ではそこまでしか話せませんでした。

 デザインを職業とする以上、単に自分のやりたい事や感性を表現するだけではいわゆる「自己表現」で終わってしまいます。アートの世界ならそれでいいのですが、デザインは社会とのかかわりの中で求められるものを表現するのが仕事です。でも、実際は自分も含めてデザインの仕事をしているほとんどの人は心からデザインという行為が好きでやってるんですね。自分が好きだからやる、そして、それが自分の世界だけの自己満足に終わらず、社会が求めているものに応えていくことで社会的な価値を生み出し、そのことがまた自分のやりがいにも繋がっていく。そんな好循環って、上で書いたピアノの好循環と同じだなぁって思ったんです。

 私は自著『大人のピアノ入門』(講談社+α文庫)の中でも「人前ピアノが上達への近道」っていう話を書いていますが、まさにそういうことですね。人前にさらされ揉まれることで上達するという受け身の意味と、人に喜ばれ必要とされる価値を提供することでますます自分自身の意欲や技術の向上にも繋がっていく……。

 若いデザイナーの卵の真剣でキラキラした目を見ながら、改めてそんなことを思った「JAGDA学生の日」でした。



(続く→原則毎週火曜日更新)

an弾手(andante)

■Q&Aコーナーのご質問を募集しています。
 随時、このコラムの中で取り上げてみようと思います。このコラムはコード奏法超初心者から中級の入口位の方を想定していますので、その範囲ならどんな内容でも結構です。メールお待ちしています!
piano-roman@kumamoto-bunkanokaze.com

ちょっと、ひと言。

 我が家の隣には広い畑が広がっています。今は大豆が植えられていて、青々とした葉が風に揺れています。いつもその横を通りながら「葉が茂ってきたなぁ」と思っていたのですが、たまたま「今の時期は大豆の花が咲いていますよ」という話を聞いて、改めてよく見てみたら、なるほど、葉っぱの下に隠れるように薄紫色の可憐な花が咲いていました。
 普段見ている(つもりの)風景でも、何となく見ているだけでは見えてないものがあるんだなぁ、と改めて気付かされました。

 
−an 弾手−


第562回 「もうすぐ旅に出ます」 [2015.9.15]
 我が家の庭の端の小さな柿の木に紅い実がなっています。まだ暑い陽射しの中でも、吹いてくる風にはかすかな秋の気配を感じます。

 そんな秋の気配の中で……。私、もうすぐ旅に出ます。
 って、イメージの中の旅ですが。
 「秋から冬へ。遠い記憶の旅」(an弾手ピアノライブSweet Piano Night)、11月27日なのでまだ少し先ですが、「まだ先」っていってるうちにすぐやって来るんですよね、こういうのって。ライブの構成・シナリオはとりあえずざっと作ってみたのですが、本題の自分のピアノ練習がぁ。なかなか大変です。

 平日は、夜の会合などがない日は帰宅してからなるべくピアノ(電子ピアノにヘッドホン)に触るようにしていますが、全部で20数曲あるので1曲1回通して弾くだけでもすぐ1時間程過ぎます。夜はあまり長い時間弾けないし、どれかの曲を集中して弾いたりすると、何日も(1週間も)触っていない曲が出てきたりします。
 ほとんどは以前に何かの機会に弾いたことがある曲なので、ちょっとやれば弾けるはず、という気はするんですが、何度も弾いていると逆に慣れてしまって何も意識しないまま指だけで勝手に弾いてしまい、思わぬところで次のコードが出てこなくて慌ててしまうことがあるんですね。どうも頭がサボって休んでるみたいです。

 という訳で、これは改めてコード進行を意識し直さなきゃと思いました。普通、弾く時はとりあえず暗譜している曲は何も見ないで、そうでもない曲はリード・シートを見て弾くのですが、再度コードを意識するために、コード進行だけを大きく書いたもの(音符無し)を用意しました。それを見ながら、弾きなれている曲も改めてコードを頭で意識しながら弾くようにしました、というか、これからしましょう(笑) 弾きながら次のコードがはっきり意識出来ると、弾く鍵盤を間違えることはほぼありません。
 以前のコラムでも、同じようなことを書いたような気はしますけど。

 それと、あと2ヵ月半、ということで、カレンダーに準備のスケジュール概要を書き込んでみました。
 というのは、私のライブではピアノで曲がちゃんと弾ければいい、というものでもなく、全体の構成・シナリオや曲の合間に入れていくMCを重視しています。語りとピアノが微妙に絡み合いながら一つの物語を創っていく、というのが自分なりの目標です。ですから自分で語るMCに自分でピアノを被せていくタイミングの調整(この、しゃべりながらピアノを弾く、っていうのがとても難しいんです)、それと今回もお願いしている朗読の人とのタイミング確認、また今回初めての試みでもあるオカリナDUOのリハーサルもしないといけないし。もちろん、それまでに自分のピアノはとりあえず(?)不安の無いようにしておくのが前提だし〜。まだまだ課題山積。

 「秋から冬へ。遠い記憶の旅」、さてさてちゃんと旅立つことが出来るでしょうか。



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ちょっと、ひと言。
 昨日の午前中、阿蘇山噴火のニュースが飛び込んできました。会社3階の窓から東の方を見てみたら、遠くに霞むようにうっすらと噴煙らしきものが見えました。
 そうこうしていたら、お昼過ぎ、県外のan弾手読者の方から「阿蘇山が暴れているそうですが〜」とご心配のメールを頂きました。ありがとうございます。
 熊本市は阿蘇から50Km程離れており、今のところ熊本市周辺への影響は全くありません。阿蘇周辺のことは直接詳しくは分かりませんが、情報によると火口周辺の立ち入り禁止以外、阿蘇生活圏での影響は出ていない様ですので、ご心配なく。

 それから話は変わりますが、来週火曜日(9月22日)は連休中ということでこのコラムはお休みさせて頂きます。次の更新は9月29日の予定です。
 
−an 弾手−


第563回 「不覚にも涙が出そうに〜」 [2015.9.29]
 またまた、不覚にも涙が出そうになりました。
 前回の時もそうでしたが、「児童合唱団」という名前から想像するイメージとの落差(いい意味での)に改めて感動です。

 熊本県立劇場コンサートホールを超満員に埋めたNHK熊本児童合唱団、第11回定期演奏会に行ってきました。
 児童合唱団というと、可愛い子供たちが一生懸命歌っていて「へぇ〜上手じゃん。すごいね。なかなか良かったよ!」などと、大人目線で褒めてあげたい、みたいなイメージがありますが(すみません、私だけの勝手なイメージかもですが)、そんな気分をあっさりとひっくり返してくれました。

 オープニングの「オペラ座の怪人」に始まり、第1部「クマロク!童謡これくしょん」、第2部、西海の恋歌より「長崎女囃子」、及び戦後70年目を迎えて日本の復興に尽力された先達に感謝を込めて・女性合唱のためのメドレー「TOKYO物語」(寿咲亜似さんの語り入り)、そして第3部ミュージカル「美女と野獣」。

 書きたいことは一杯ありますが、特にニュージカル「美女と野獣」は、その本格的な舞台装置、メイク、衣装、そして出演者の歌はもちろん、セリフや演技の本格的なこと! 主なキャストは団員歴の長い中・高生とはいえ、私の乏しいミュージカル観劇経験の中ではプロの劇団公演に比べても見劣りしない舞台でした。ちなみにプロの公演といえば、ちょうど同じ日の同じ時間、あの劇団四季が東京で同じ「美女と野獣」の公演をやっていると、指揮者の挨拶にありました。そうか、劇団四季と張っていたのか(笑)

 野獣役をやった高校3年生の女子。宝塚の男役を見ている様な堂々とした舞台でした。美女役の高校2年生の女子。読書が好きな知性溢れる美しい娘・ベルを可憐に演じていました。魔女の呪いで野獣に変えられてしまったわがままで傲慢な王子の心に、人を愛する優しい心を呼び覚ましていくベル。そして遂に魔法のバラの最後の一枚が散る直前に愛の奇跡が。魔法が解けて人間の姿に戻った王子はベルの手を取り、宮殿の広間で二人の結婚式が開かれるのでした。
 最後に、王子がベルを抱き寄せ口付けを交わすシーン。まあ、高校生とは思えない大人の演技に、客席のあちこちから「キャッ」という声が(笑)

 この王子(野獣)役の女子高生を始め、高校3年生の団員4人が今回の演奏会で「卒団」とのことで、他の団員から花束を受け取り、ステージの上は4人を送る歌の大合唱。4人は一緒に歌いながら顔をゆがめ、必死で涙をこらえている様子でした。
 このNHK熊本児童合唱団は週2回の練習を重ねながら、年1回の定期演奏会の他、様々なイベントなどで年10回ほどの演奏活動を続けている様です。団員それぞれに小、中、高校の勉強や学校行事などもある中で、これだけのステージをこなせるのはスゴイと思いました。
 来年3月には海外公演としてイタリア・バチカン教会でのコンサートや、ウィーンにてウィーン少年合唱団との合同演奏会なども予定しているそうです。

 さてさて、たくさんの感動をもらった後は、自分のan弾手ライブに向けてもそろそろ本格的な準備を進めなくっちゃ、ですね〜



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ちょっと、ひと言。
 皆さま、先週のシルバーウィーク大型連休はいかがお過ごしでしたか? 全国的にお天気も良かった様ですね。
 私は、長野県の上高地に行ってきました。超有名な所ですが人生初めての体験。
 しっかし〜。大型連休ということもあって大変な人! 上高地エリアは自家用車の侵入禁止で、その手前に点々と数カ所ある駐車場はずっと満車。最奥の駐車場まで行って何とか駐車。そこから先へ行くバス停には沢山の人の列。下から上がってくるバスもほぼ満席で、係の人から「当分乗れません」と言われ、仕方なくタクシーを呼んで散策コースの出発点・大正池へ。
 初めて見る大正池の澄み切った水と白樺、目の前にそびえる焼岳の風景に感動。そこから梓川沿いに河童橋まで歩きましたが、美しい林や水、間近に見える北アルプスの山々にすっかり癒されました。
 
−an 弾手−


第564回 「満月の夜に、心温まるライブのひと時」 [2015.10.6]
 陽が落ちた街の裏通り。表通りの喧騒とはちょっと違うけど、小さくてオシャレで個性的な店が点々と並んでいます。

 その日は知り合いの女性からライブの案内を頂いて、その裏通りのシックなライブの店にやって来たのでした。その方、以前からちょっと顔見知りで、某図書館の司書をされていて、私の本を蔵書として置いて頂いたり、熊本人が薦めるこの一冊、みたいな企画コーナーに私のお勧めの本を展示して頂いたりもしていました。
 その方が音楽やるなんて全く想像もしていませんでしたが、聞くところによると以前は市内のライブハウスで定期的に演奏していたミュージシャン?で、その後結婚、子育てにより中断していて、20数年ぶりの復活ライブなんだそうです。すごい!
 そしてその日は、もうひとつの目玉として旦那さんとの共演があるらしい。ご主人はバリバリ現役のプロ・ベーシスト、兼ピアノ調律師(どちらが本職だったかは不明ですが)。私も夜の店では頻繁に顔を会わせますし、我が家のピアノの調律もお願いしている人なんです。

 店に入って席に着いていたら、その旦那さんが私の後ろの椅子に来て話し掛けてきました。
 「いやぁ、カミさんから一緒にやってくれって言われてですね〜。嫌だって言ったら怒られたんですよ〜。今日は強制連行されました」
 って、半分照れ笑いしながらの言い訳。いいじゃないですか〜。ご夫婦共演なんて素晴らしいですね。

 で、彼女、楽器は何をされるんだろう? と思っていたら。 ギターの弾き語りでした。1st setが始まりました。まずは彼女のソロから。中島みゆきオンパレード? 2〜30年前に聴いた懐かしい曲が続きます。
 2nd setは20数年前に同じ店で歌っていたというもう一人の女性のヴォーカルonピアノ。
 そして3rd set、いよいよメオトDUOの始まりです。彼女がセンターでMCを入れながらの進行。旦那さんはちょっとスポットライトの暗い斜め後ろでウッドベースを抱えてサポート、っていう感じでしょうか。
 数曲目、彼女がギターを弾き始めてから旦那さんのベースが入ってきたら
 「そこ、違うでしょ!」
 と彼女のダメ出しが入ってやり直し(会場爆笑)。
 最後は、これも中島みゆきの「悪女」。会場は終始和やかな雰囲気に包まれていました。

 『21年ぶりのスポットライトは、やっぱり気持ち良かったです。楽しかった(≧∇≦)!
 復活のきっかけを作ってくれた○○さん、お店のママ○○さんに心から感謝!
 またライブできるようにぼちぼち練習します( ̄^ ̄)ゞ』
 とは翌日のfacebookでのご本人のコメント。

 いいなぁ。若い頃の音楽の夢を、子育て一段落させてまた復活させた彼女。そして照れながらもそれを優しくサポートしているミュージシャンのご主人。
 店の外に出ると、夜空には大きな丸いお月さま。そうか今日は中秋の名月だったっけ?
 円満なご夫婦に満月がま〜るい笑顔で微笑んでいるようでした。



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ちょっと、ひと言。
 あー、もう10月になって1週間が過ぎようとしていますね〜。はやっ!
 本業の仕事では来年のカレンダーの注文が来ています。既成品に名前を刷り込むパターンの他、オリジナルデザインの制作も。2016年どころか2017年の頭までの玉組が出てくるので、気分的には鬼が笑うどころじゃないですね。
 まだ日中は暑い今日この頃ですが、忘年会の予定も気になるし。いやいや、もうしばらくは静かな秋の風情を楽しんでみたいものです。
 
−an 弾手−


第565回 「老化現象?」 [2015.10.13]
 ふぅ、ちょっとおかしいなぁ。以前と何だか感覚が違うような?

 あとひと月半後に迫ったan弾手ピアノライブに備えて練習しているんですが。もう何回も弾き込んでいるはずなのに、途中で一瞬フッと次が出てこなくなったり、違う音を弾いてしまったり。

 まあ、今回は確かに中身が盛りだくさんではありますが。
 演奏するのは全部で20曲。更に1st Setでは今回初めてオカリナの人とのDUOを予定しているので、ソロだけじゃなくて伴奏用の演奏も練習しておかないといけないし。もちろんコード奏法なので、ちゃんとした伴奏用楽譜ではなく、イントロや間奏、繰り返し、エンディングなどのアレンジ構想も自分で準備しないといけないし。もう一つ、今回は新たな試みとして夏目漱石の夢十夜の朗読をお願いしていて、そのバックのピアノ構想も準備、練習しないといけないし。それに2nd Setで演奏する予定の洋楽系の曲は結構ジャズっぽい雰囲気で、普段あまり弾き慣れていないコードや指使いが多いし。

 なーんて、言い訳してる場合じゃないですね(笑)。まあ、この位の内容だったらひと月ちょっとあれば準備は何とか、と思っていたのですが、それなりに準備を始めてからもう2ヵ月近くなろうとしているのに、いまだ安心できるレベルにならないので、ちょっとですが心配になってきたかな。
 平日は夜の1時間程しか弾ける時間がないので、とりあえず全曲通して弾いてみると各曲は1回で終わり。これまでの経験ではそれでも何とか形になっていたのですが、今回はいまだ完成度が低くてちょっと心配になってきました。休日で少し時間が取れそうな時は、サラッと全体を流すだけではなく、1曲を最低10回位は繰り返し弾いてみるようにしました。そうしたら、少し馴染んできた感じもします。
 本格的にやっている方からしたら、「たったそれだけ?なに甘っちょろいこと言ってるの?」と思われそうですが。

 それでも、以前はもうちょっと楽に暗譜も出来ていたような気がするのですが、これって老化?な〜んて思ったり。
 ピアノ弾くのって、老化予防(ボケ防止)にもなるって言うし。毎日何となく弾くだけじゃなくて、こうしてライブの日程設定して、いやでも自分を追い込んでいくのもいいのかな、と思ったりもします。
 いえいえ、もちろん老化防止のためにライブやるんじゃないですよ。生の音楽(活動)はもちろん、出版やこのコラムなどを通して、色々な人と出会いや繋がり、気持ちの輪を広げていけるというのは、とてもありがたいことです。出来るだけそんな機会を続けていけたらと思います。

 an弾手ライブの情報は本コラムバックナンバー第559回をご覧ください。
 ↓
 http://www.kumamoto-bunkanokaze.com/andante/andante56.html#559



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ちょっと、ひと言。
 先週土曜日は、熊本県山都町、清和地区に伝わる「薪文楽」を観に行ってきました。熊本市内を出て山道を走ること1時間半、車窓に黄金色に実った棚田の風景を眺めながらたどり着いたのは、杉の大木に囲まれた大川阿蘇神社の境内。
 地域の農家の人達によって160年間守り継がれてきた人形芝居です。野外の境内にある農村舞台の前に桝席が用意され、清和地区に伝わる郷土料理が詰まった重箱弁当や竹のカッポ酒がふるまわれます。
 陽が落ち暗くなった境内の周りには薪の火が焚かれ、幽玄な雰囲気の中で人形浄瑠璃の世界を楽しみました。
 
−an 弾手−


第566回 「進化する」 [2015.10.20]
 あれっ? 知ってるはずの曲なのに、全然違うなぁ。
 あ、そうかそうか、そう言えばこのメロディー、A列車〜だよね。

 「A列車で行こう」という曲、普通は結構リズミカルなテンポで乗っていく曲ですが、今、目の前で歌っている女性ヴォーカル、シットリしみじみした雰囲気でこの古い木造りのライブハウスにピッタリだ。

 その日は、熊本の大御所ジャズピアニストと新進女性ヴォーカリストによるライブを、レトロな雰囲気漂うこのライブハウスに聴きに来たのでした。彼女の歌を聴くようになったのはここ5〜6年位? 最初はあるヴォーカル教室の生徒さんとして、発表会的なイベントで歌っていました。その頃から、教室の生徒、というにはレベルが違うなぁと思っていたのですが、やがてメキメキ頭角を現し、今ではプロとしてラウンジでの演奏などに定期的に出演しています。歌だけでなく、合間に入れる優しい笑顔のMCも癒し系でとても好感が持てます。

 プロとしての演奏、もう何度も聴いていますが、その日はまた一味違っていました。この曲はこんな感じ、という概念を全く覆すような、全体的に癒し系のアレンジ。
 もちろん、伴奏のピアニストは熊本を代表するような大御所なので、事前の打ち合わせやリハーサルで指導やアドバイスがあったのでしょうが、それでも本人の意思や工夫、努力がないとあんな風にはとても歌えないだろうなぁ、と思ったものです。
 本人曰く、
 『今回は、○○(an弾手注:伴奏のピアニスト)さんの深くて広い知識と表現力をお借りして、普段歌っている曲を改めて見直し趣向をこらしてお届けできました。即興的な部分も、打ち合わせた部分も、私にとってすごく刺激的でとても勉強になりました』と。

 聴いていた私も、すごく刺激的でとても勉強になりました!
 いえ、聴いただけで音楽的な「勉強」というのは、私にはとてもレベルが高過ぎですが、私が「勉強」になったと思ったのは、常に「進化」し続ける気持ち。あの「大御所」ピアニストさんに「改めて見直し趣向をこらし」と働きかけること自体がスゴイことです。
 『歌っている本人も新鮮でした(笑) 毎回このような鮮度でお送りできるよう頑張ります!!』
 という彼女の言葉にも、常に「鮮度」を追求する前向きの気持ちが溢れていました。

 これを自分に置き換えてみるとどうなのか?
 11月末のライブに向けて、何とか準備を進めている私ですが、常に「進化する」という気持ち、忘れないようにしなければ、と思ったその夜のライブでした。



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ちょっと、ひと言。
 このところ、秋らしい青空の日が続いています。朝起きて外を見ると、雲ひとつない青空。それだけで何だか晴れ晴れとした気持ちになってくるのは私だけでしょうか。明るい光を受けて輝いている庭の木の葉も、嬉しそうに見えますね。
 こんな日は、仕事のお昼休み、近くの遊水地を散策するのが楽しみです。ひと回りするだけで1時間以上掛かりそうな広〜い湿原に、枯れた葦の葉やススキの穂が揺れ、見渡す限りの抜けるような青空。春先から北へ旅立っていた鴨の群れもまた帰って来ました。
 いつも季節を運んできてくれる自然の恵みに感謝です。
 
−an 弾手−


第567回 「an弾手ライブまであとひと月〜」 [2015.10.27]
 ……ちょっとロマンティックな気分になる秋から、やがて雪がちらつく冬へ。そんな季節の移ろいの中で、ふと思い出す遠い日の記憶。本当にあったことなのか、あるいは妄想なのか、曖昧なところもあるかも知れませんが、しばらくの間、皆さまとご一緒に遠い日の記憶を辿る旅に出てみたいと思います。

 そんなan弾手の語りから始まります(予定です)。そしてminminさんの語りや朗読、満美さんのオカリナ、そこにan弾手のピアノが絡みながら、遠い日の記憶を辿る旅が進んで行きます。

 an弾手のピアノライブSweet Piano Night「秋から冬へ。遠い記憶の旅」。いよいよ、あとひと月になりました。
 2ヵ月前のこのコラム、第559回でも同じお知らせをしていましたが、もうあとひと月となりましたので、再度のお知らせです〜。

 2nd setでは、夏目漱石の「夢十夜」も登場。
 『こんな夢を見た。  腕組みをして枕元に坐(すわ)っていると、仰向(あおむき)に寝た女が、静かな声でもう死にますと云う。女は長い髪を枕に敷いて、輪郭の柔らかな瓜実(うりざね)顔をその中に横たえている。真白な頬の底に温かい血の色がほどよく差して、唇の色は無論赤い。とうてい死にそうには見えない。しかし女は静かな声で、もう死にますと判然(はっきり)云った。自分も確(たしか)にこれは死ぬなと思った。……』

 そんな朗読のバックに、静かにピアノの音が流れてきます。朗読はminminさん、ピアノ演奏(ほぼ即興)は私an弾手です。現在、この夢十夜の物語に合わせたコード進行の構想を考えています。もちろん音符には書きません。本番では朗読の進行を聴きながら、そのタイミングに合わせてピアノのフレーズをシンクロさせていく予定です。私もminminさんもなかなか一緒に合わせてみる時間がないので、今週末に一度リハーサルをやってみる予定です。その後は本番まで合わせる時間は無さそう。
 満美さんのオカリナ(私のピアノ伴奏)も、まだお互いに確認出来てません。曲目(とkey)だけは連絡していますが、前奏や繰り返し、間奏、エンディングの入れ方等はまだ打ち合わせ出来ず。こちらも今週末位にminminさんとは別にちょっと時間を取って音合わせをする予定です。
 もちろん、メインである私のソロピアノの準備もですね。実は前々回のこのコラム第565回「老化現象?」で、なかなか曲の練習が進まない、みたいな泣き言(笑)を書きましたら、コラム読者の方から早速ご心配と励ましのメールを頂きました!
 『あのフジコフェミングさんが以前言ってました。私、結構間違うのよ。でもいいの。大した事でないし聴いてる人も分からないし、と。完璧にということになったら楽しみでなく苦痛になってしまうのでは。なんちゃって!で大いに楽しんで下さい〜』みたいな。
 とても嬉しかったです。は〜い、ありがとうございます! 楽しみなが準備やってますよ!

 では改めて、ライブの予定を書いておきますね。

  ● タイトル: an弾手ライブ「Sweet Piano Night」
「秋から冬へ。遠い記憶の旅」
  ● 日  時: 2015年11月27日(金)
19:30開場 20:30開演
  ● 会  場: LIVE&DINING BAR「酔ing」(Swing)
熊本市中央区花畑町10−10 中山ビル2F(銀杏北通り・喫茶アロー隣り)
TEL 096−356−2052
  ● 出  演: an弾手(ピアノ)
スペシャルゲスト・都浩子(朗読)、福田満美(オカリナ)
  ● Charge: 700円(要ワンドリンクオーダー、軽食も出来ます)

  ※予約チケット等はありません。当日お店へ直接おいで下さい。
 但し、お店の収容人数が約30名と限られていますので、ご来場予定の方はあらかじめan弾手宛にご連絡頂けると助かります(当日ドタキャンでも全く構いませんよ:笑)。



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ちょっと、ひと言。
 風邪引いちゃいましたぁ!
 先週木曜の夜から喉が超痛くなり、一晩中寝られない程。金曜日は鼻も詰まりだし、幾ら鼻をかんでも鼻呼吸が全く出来なくなって、またまた夜も寝られず。で、土曜日は朝から近所のクリニックへ。喉と鼻の薬をもらって飲んだら、おかげでだいぶ治まってきたみたいです。今回のコラムに書いたライブ、私自身がピアノ以外にMCで語る部分がたくさんあるので、喉痛かったり声かすれたり鼻水出たりしたらどうしょう、って心配しましたが、何とかなりそう。でもまだひと月あるので、ぶり返したりしないよう用心せねば。
 朝夕、だいぶ冷えてきましたので、皆さまも風邪などめされませんよう、お気を付け下さい〜!
 
−an 弾手−


第568回 「違う世界を旅してみよう」 [2015.11.4]
 よく聞かれることがあります。
 「え?大人になってからピアノ始めたんですか?」
 はい、そうなんですよ。最初は娘のピアノ教室の楽譜を拝借して、その後たまたまコード奏法なるものに巡り会ってハマってしまいました。

 よく聞かれることがあります。
 「どうやったら本の出版なんて出来るんですか?」
 はい、私も最初は自分が本の出版やるなんて思ってもいなかったんですが。このコラムを書き始めて2年程経った頃、ふと「これって、本にまとめたら面白いかも〜」という気持ちが湧いてきたんですね。
 で、出版のやり方なんて何にも知らないのに、とりあえず何社か出版社にコンタクトをとってみたら、すぐにドレミ楽譜出版社さんが拾って下さって、続いて講談社さん、その後ドリームミュージックファクトリーさんとつながり、現在までに8冊の本が商業出版として全国に出ることになりました。

 な〜んて、すみません、何だか自慢話みたいで。今回、こんなテーマを書いてみようかと思ったきっかけは、つい先日見たあるメルマガ。
 「高いところではなく、遠いところへ行こう」というタイトルでした。
 偉くなろう、大物になろう、高いところに行こう、という上昇志向だと人との競争になるけど、そうじゃなくて継続志向で。ひとつのことを長くやり続けて遠いところまで行くと、誰もマネできない地平に行くことができる、みたいな話でした。

 なるほど〜、少し違うけどちょっと前に流行った「ナンバーワンよりオンリーワン」、みたいな感じかな。
 で、これを自分に置き換えてみると。もちろん最初はそんな理屈なんか考えてピアノ始めたわけじゃないですよね。ただピアノを弾いてみたい、という単純な気持ちだけ。でもだんだんやるうちに、「こうやったら面白そう」「あ、こんなこともやってみようか」みたいな好奇心につられてやっていって、気が付いたら思いがけぬ遠くまで来ちゃったかな、って感じでしょうか?

 実は私、街なかとか住宅地とか歩いていても、「ちょっとこっちの裏道に行ったらどうなってるのかな?」みたいな感じで遠回りしてみたり。遠くにこんもりとした森が見えると「あの森の中はどうなっているのかな?」みたいな感じで、いつの間にかそっちにつながる道を探って森の中まで行ってみたり。なーんてことが度々。徘徊クセが抜けません(笑)
 何だか、ピアノも今思うとそんな感じで、好奇心の向くまま、いつの間にか遠くへ歩いてきたような気がします。今また、ストーリーを語るピアノライブ、みたいな事を企画して、自分で言い出しておきながら準備に苦労しておりますが(笑)

 ピアノ自体は上手な人と比べたら恥かきそうなレベルですが。でもちょっと「違う世界を旅してみよう」、と思えば、それはそれで自分流の見知らぬ世界に出会えるのかなぁ、なんて、ちょっと思ったりもしています。



(続く→原則毎週火曜日更新)

an弾手(andante)

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ちょっと、ひと言。
 あっという間に11月ですね。
 今月は高校の同窓会1件と大学の同窓会2件、いつもの異業種交流会、お菓子の香梅ハイティートークパーティー、と宴会が続くし、ボランティアで係わっているオハイエも来年3月の音楽祭準備やガイドブック編集が本格的に動き出すし、月末には自分のライブが控えてるし、なんだか忙しくなりそう。あ、12月の忘年会ももう1件入ってるし(って、私が幹事だし:笑)。
 だから、という訳ではありませんが、このコラム、こちらの都合で来週はお休みさせて頂きます。次の更新は11月17日(火)の予定です。
 よろしくお願いいたします。
 
−an 弾手−


第569回 「たまたま聴いたラジオの番組が運命を変える?」 [2015.11.17]
 「もしあの時、あのラジオを聴いていなかったら、今、私はここにいないんですよ」。

 先日のホテルの宴会場。パーティーの途中でその人の横に行って一年振りにご挨拶。『お菓子の香梅ハイティートークの会』での会話です。一年ほど前、このコラムのバックナンバー第519回「運命の出会い、の、再会」に書いたRKK熊本放送局のその方、また同じパーティで一年振りの再会でした。
 ホントに、20年近く前、この方がアナウンサーとしてあるライブハウスのマスターを取材(生中継)されていた番組を、たまたまカーラジオで聴いたのが、私がピアノのコード奏法に出会い、のめり込んで本まで書いてしまった最初のきっかけでした。そしてその本のご縁でRKKラジオの「お菓子の香梅ハイティートーク」という番組にゲスト出演させて頂き、数年続いた番組のたくさんのゲスト出演者がその後一堂に会して交流会をしましょう、という趣旨で始まったのがこの年一回の「お菓子の香梅ハイティートークの会」なんですから。あの時あのラジオを聴いていなかったら『an弾手』は存在しなかっただろうし、私は今このパーティー会場にいないのです。

 で、今回のコラムはそのお話ではありません。実はこの『たまたま聴いたラジオの番組』というのが、時にはすごいインスピレーションをくれることがあるんだよね、というのを改めて感じさせてくれたので。
 そのパーティーが終わって夜遅く、車で自宅に戻る途中のことです。またカーラジオが鳴っていました。聞くともなしに聞いていると…。

 あるアーティストのインタビュー番組。その人は学生の頃はボクシングに熱中していて、全国大会で2位になったこともあったらしい。ところが負傷がきっかけでボクシングの道を諦め、その後これといった目的も無いまま漠然と海外へ。そしてそこで本人もそれまで思ってもいなかった音楽の道へ。何となく面白そうだ、位の気持ちで。そしてプロへ。
 アナウンサーが「どうしてそんな事が出来たんですか?」と聞いたら、
 「そうですね。今思うに、『こうなりたい』と思っているだけだったら多分なれなかったでしょうね。でも『自分はこうだ』と、すでに実現しているかのように宣言してしまうと、いつの間にかそれが本当に現実になるんですよ」
 「私はミュージシャンになる前から『ミュージシャンになりたい』ではなく『私はミュージシャンだ』と言ってしまったんです。すると周りの人が『じゃステージ用意するからやってみろ』と言って。最初は『下手だなぁ』とか言われましたが、そのうちそんな機会がだんだん増えてきて、その世界の関係者にも色々つながりが増えてきて、いつの間にか本当にミュージシャンになっていたんです」

 はぁ、なるほど! 以前も似たような話を聞いたことはあったんですが、つい1時間前にパーティーの席で『ラジオでの運命の出会いの人』と1年振りに会ったばかりだったので、『このラジオ番組の話も、もしかしたら捉え方ひとつで自分の運命を変えるヒントになったりして』な〜んて思ってしまったのでした。

 『私は〇〇だ』。そう思う(宣言する)だけでそれが実現するんだったら、やってみる価値はあるかも。
 とりあえず目の前に迫ったan弾手ライブ。『私は人生のピアニストだ』。
 そう思いながらやってみることにしますか。何か変わるかな。



(続く→原則毎週火曜日更新)

an弾手(andante)

■Q&Aコーナーのご質問を募集しています。
 随時、このコラムの中で取り上げてみようと思います。このコラムはコード奏法超初心者から中級の入口位の方を想定していますので、その範囲ならどんな内容でも結構です。メールお待ちしています!
piano-roman@kumamoto-bunkanokaze.com

ちょっと、ひと言。
 あっという間に、11月も後半ですね〜 
 このところ、熊本でもお天気のいい日は青空が綺麗です。歩きながらついつい上を見上げてしまいます。ま、うつむいて歩くよりいいことではありますね。
 いつだったか、歩く時はうつむかないでちゃんと顔を上げて歩くと気分も良くなる、って聞いたことがありましたが、確かに形から入ることも大切かも。
 そう言えば、先日ある所で書の掛け軸を買いました。『日々是好日』という禅の言葉が書いてあります。『今日のこの日は二度とない一日。好日は願っても得られない、自らの生き方で、日々の好日を見いだすのだ』という意味だそうです。
 我が家の小さな床の間に飾りました。毎朝眺めて、二度とないその一日を最高に良い日と思えるよう、生きていきたいと思います。
 
−an 弾手−


第570回 「ピアノが紡ぎ出すもう一つのドラマ?」 [2015.11.24]
 ピアニスト角聖子さんのブログを見ていて、すごく共感しました。というか、私自身の自分への言い訳の援護をもらったみたいな。
 私も色んな人のピアノを聴いていて、感じることがあるんです。『上手だけどなんか好きになれないなぁ、この演奏』とか、『はい、あなたが指がよく動くのは分かりました。だから何?』みたいな。
 ピアノ(音楽)って技巧を競うものなの? 少なくとも私はテクニック云々よりそのピアノ(音楽)が紡ぎ出してくれるもう一つのドラマに浸るのが好きです。

 (角聖子さんのブログより、一部引用)

 何を求めているか?で、手に入るものが違う。
 どこを聞くか?で、聞こえてくるものが違う。
 たまに「下手な演奏聞いて疲れません?」と、言われる事がある。
 いわゆる、アマチュア=下手と思い込んでいる方からですね。失礼な。

 しかし…私は、中途半端に上手い演奏を聞くのが一番疲れまする。
 つまり、指は回れど、音が乱暴。ドリルで穴を空けるが如くの響き。
 &完璧だが、人工的。機械の如くの。

 しかし、こう感じるのは、私の聞いている所が…音色の美しさや、心のこもった温かさや、音楽に向かう素朴さやら、だからかもしれませぬ。

 その音楽を奏でている【人】の【心】を感じるのが好き!
 なんで、楽しくピアノに向かっている人の演奏は、上手下手なんちゅうちゃちな区分けなんかしませんぜ。素直に楽しんでます♪(以下略)

 まあ、私なんか「上手下手の区分け」でいったら「下手」の部類でしょうが(笑)
 でも自分では、私のピアノを聴いた人が、そこに目には見えない空間や物語を感じてもらえるような演奏がしたいなぁと思うのです。
 もちろん、それなりの技巧、テクニックは身に付けたいですよ。それが出来ないので言い訳しているように聞こえなくもないですが。でもテクニックを身に付けた上で、聴いている人にそのテクニックを意識させないような演奏ができたらいいなぁと思います。



(続く→原則毎週火曜日更新)

an弾手(andante)

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ちょっと、ひと言。
 今年最後の連休が終わりましたね〜。次に来る連休はもう年末年始かぁ。
 今週末は、金曜日のan弾手ライブから土、日と3日続けてのイベントごと。来週は水曜から日曜まで5日続けてのイベントやら忘年会やら。再来週は忘年会が2回。
 ま、これまで自分のライブの準備の事がいつも頭から離れず、極力休日や夜に出かけるのを控えていましたが、今週金曜日を過ぎたら気分的にフリーです(笑)
 皆さま、どうぞよい師走を。そして1ヵ月後の素敵なクリスマスを!
 
−an 弾手−
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