久し振りのQ&Aコーナーです。
今回は東京のHARIMAOさんからメールを頂きました。
an弾手様、お久しぶりです。数年前コードについて質問したのをきっかけに、東京の「弾手の会」に入り、何度かお目にかかったHARIMAOと申します。
〜(中略)〜
メジャースケールとマイナースケールの件なんですが、「何で分ける必要性があるのかな??」今回の質問の件は「CメジャースケールとAmスケールと何が違うのだろうか??ピアノの鍵盤で両方とも白い鍵盤しか弾かないのでは??出だしは違いますが結局どこまで行っても白い鍵盤ですよね。だったら、分ける必要がないのでは」っと思ったんです。同じく「GメジャースケールとEmスケールも黒い鍵盤を弾くところはF♯のみ。おなじじゃないか」と思う次第です。
例えば、「咲いた,咲いたチュリップの花…」キーがCであれば「ドレミ、ドレミ」キーがDであれば「レミファ、レミファ」その人の声の高さによってキーが変わるのは分かるんですが、何も、メジャー、マイナーに分ける必要がないのでは??
一般的に、「マイナーは暗い感じがする」と言いますが、明るいか暗いかは個人の感覚で、メジャー&マイナーの違いの説明にはちょっと説得力が欠けるのではと思う次第です。
フォークソングが大好きのHARIMAOさん、お久し振りです!
東京の弾手の会では何度かお会いして、ピアノやギターを聴かせていただきましたね。その時も確かメジャースケールとマイナースケールのこと、質問されていたように思います。
ご質問の件、確かに、同じ白鍵だけで出来ているメロディーで、これはメジャー、これはマイナーと明確に区別するのが難しい場合も多いようです。それに、そこまでしてメジャーかマイナーかと区別する必要があるのか、と思われるのも分かります。
ただ、メロディーだけ見ていると区別が曖昧な場合でも、そのメロディーにコードを付けるとなると違いがかなりはっきりしてきます。
たとえばKey=Cの場合は基本となる主要三和音のコードの機能はC(トニック)、F(サブドミナント)、G7(ドミナント)になって、普通はG7→Cのドミナントモーションで完結します。ところがKey=Amだと考えると、Am(トニック)、Dm(サブドミナント)、E7(ドミナント)となってE7→Amのドミナントモーションになります。そのコード進行にメロディーが乗っている、とも考えられます。同じ白鍵だけのメロディーでも曲の雰囲気は随分違うと思います。
また更に、Key=Amの場合はドミナントコードとしてE7(ミ、ソ♯、シ、レ)が出てくることから、メロディーもソには♯が付いてソ♯になったりもするようです。そんなこんなでマイナースケールには「ナチュラルマイナースケール」「ハーモニックマイナースケール(ソに♯が付く)」「メロディックマイナースケール(ソとファに♯が付く)」という3種類のスケールが存在したりします(ただ、これを語り出すとまた話しがややこしくなるのでここでは深くは触れませんが)。
で、例に挙げられていたチューリップの歌です。
Key=Cの場合はおっしゃるように『ドレミ、ドレミ、ソミレド、レミレ』となりますが、これをマイナースケール(Key=Am)にしてみると、同じ白鍵だけのメロディーでもAmは主音がラなので「ラシド、ラシド、ミドシラ、シドシ〜」となって、何とも暗いメロディーになります。
そして、これに上記のKey=Am の主要三和音のAm、Dm、E7のコードを当てはめていくと、ちゃんとはまると思います。どちらも同じ白鍵だけのメロディーですが、メジャー、マイナーの雰囲気の違いは一目瞭然です。
ご質問の中で、
『キーがCであれば「ドレミ、ドレミ」キーがDであれば「レミファ、レミファ」…』
とありますが、たとえばキーがDとすれば「レミファ♯、レミファ♯」とファに♯が付いて、キーCのスケールを白鍵一つ分だけ右に並行移動(移調)したことになり、また、♯無しのファと考えればキーがDmということになって、上記のAmの場合と同じく「暗〜い」イメージになります。ピアノで弾いてみてください。
という訳で、メジャースケール、マイナースケールの違いは、どれが主音だと判断するか、それによるコードの機能をどう判断するか、で大きく変わるように思います。
ある曲のキーを判断する一つの方法として、曲の出だしと終わりのコードを見る、というのがありますが、これもその曲のメロディーの流れがコードの機能をどう使っているか、ということだろうと思います。
すみません!何か分かりにくい説明で。こんな話で少しは参考になりましたでしょうか?
また何かありましたら、いつでもメールください。
ありがとうございました!
(続く→原則毎週火曜日更新)
an弾手(andante)
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