第281回「ピアノ発表会・クリスマス会」その2

[2009.12.22]

 「あっ、an弾手さん!今日はわざわざありがとうございます!」
 ご案内いただいたクリスマス会の会場。入り口の所まで行ったら主催の先生とばったり。9月の県立劇場an弾手ライブに来ていただいていたピアノの先生です。
 「あ、今日はご案内いただいてありがとうございます!」

 会場はリハーサル室、と聞いていましたが、中に入るとバレエの練習なども出来るような、片方の壁が総鏡張りの広い部屋。グランドピアノとキーボードが2台。クリスマスらしい飾り付けやツリーとともに並んでいます。
 みんな靴を脱いで入って、ピカピカにワックス掛けされたフローリングに座ります。外は寒かったのに、室内は暖房が効いていて暑いくらいです。
 「こちらに椅子も並べていますから、an弾手さんはどうぞ掛けてください」
 そう言われて、私は後ろの椅子に掛けます。
 プログラムを見ると、第1部、第2部それぞれ出演者は10人(組)くらい。ほとんど小学1年生から4年生。2部の最後に大人の人が3人弾かれるみたいです。
 会場内はすぐに30〜40人くらいの人で埋まっていきます。半数以上は小学生の子供さん。残りがそのお父さんお母さんと数名のおじいさんおばあさん(?)かな。

 オープニングは先生お二人の連弾で始まりました。その後、プログラムに沿って小さい子供さんから順番に演奏です。
 床すわりなので会場はとてもアットホームな雰囲気。演奏する子供さんもさすがに緊張している様子ではありますが、みんな素直でほほえましい演奏が続きます。

 そして第2部も後半。いよいよ大人の人の演奏です。9月の県劇ライブに先生と一緒に来られていたパパさん。私の本のタイトルと同じ40歳でピアノを始めてまだ半年ちょっととか。でもとてもそうは思えない、しっかりと落ち着いてきれいな響きの「戦場のメリークリスマス」が流れていきます。最後の方で、緊張のあまり指が止まってしまったところもありましたが、気持ちのこもった演奏でした。つづいてピアノ暦3年の女性。こちらはクラシックの曲を。3人目はピアノ暦1年半の女性が久石譲のsummerを。後で先生にお聞きしたところによると、子供に習わせるつもりで教室を見学に来られたのに「コードで弾くと無理なく弾けますよ」、という先生の説明を聞いて子供さんよりご自分が始められたとか。この日のsummerは16小節のリードシートを元に、CDの耳コピーで自分でアレンジして仕上げられたとのことで、速いパッセージで多少指がもつれながらもきれいなピアノソロにまとめられていました。

 …っと、人ごとみたいに、偉そうに、書いてますがぁ。実はその間、私は緊張しまくりでした!
 何せ、最後に私を紹介するから何か弾け、と言われていて。
 「まあ、弾くかどうかはその時の成り行きで〜」
 なんて曖昧にお返事していましたが、「成り行きで」、ということはある意味「もったいぶって弾きます〜」という意味にも取れますよね〜。いえ、そういうつもりじゃなかったんですがぁ。
 それに、よそ者が突然紹介されて出て行くんだったら、一応自己紹介の挨拶も必要だろうし。なんで自分が今ここにいるのかもしゃべらないといけないだろうし。そもそもこのおっさんが何者なのかも、手短に話さないといけないだろうし…。簡単すぎても無愛想だし、長すぎても聞いてる方はうっとうしいかも知れないし…。それに、ピアノの本書いてます、なんて自己紹介したら、あんまり下手な演奏も出来ないし…。
 このクリスマスピアノ会が始まって延々2時間。私は頭の中でそんなことをグルグル考えながら、段々高まる緊張に耐えながら、しかしそこはそれ、さりげなく涼しい顔をしながら、後ろの席に掛けていたのでありました。

 そして、いよいよ!
 一通りプログラムが終了して、先生がマイクを手にされます。
 「予定のプログラムが終了しましたが、実はここで本日のスペシャルゲストをご紹介します!an弾手さん、どうぞこちらへ!」
 一斉に会場の視線が集まる中、私は前へ進みます。先生のお話が続きます。
  「県劇のライブでお会いしたご縁で、今日は無理を言って来ていただきました。40歳からピアノを始められて、今では本まで書いていらっしゃるんですよ。今日は何か1曲、弾いて頂けるん、で、すよ、ね?」

 ということで、先生からマイクを受け取り、いよいよ挨拶です!

(続く→随時更新)

an弾手(andante)

■Q&Aコーナーのご質問を募集しています。
 随時、このコラムの中で取り上げてみようと思います。このコラムはコード奏者超初心者から中級の入口位の方を想定していますので、その範囲ならどんな内容でも結構です。メールお待ちしています!
piano-roman@kumamoto-bunkanokaze.com

ちょっと、ひと言。

 忘年会シーズンも真っ盛り、ですね。皆様のところはいかがですか?
 私は、今年は少なめ?って思っていたら、この後残り10日で5回あるなぁ。とは言え、以前みたいに完璧仕事の取引がらみ、というのは減って、仕事でもゆるい関係(異業種の情報交換系)だったり友人、趣味がらみだったりが多くなったような気がします。私のこの後は2回は音楽がらみ。2回が異業種系、1回が友人系。
 さて、何回も年を忘れて、来年に何を望みましょう。

 
−an 弾手−


第282回「ピアノ発表会・クリスマス会」その3

[2009.12.28]

 「それではここで本日のスペシャルゲストをご紹介します!an弾手さん、どうぞこちらへ!」
 9月の県劇ライブで知り合ったピアノの先生のクリスマスピアノ会。ご案内いただいて会場の後ろでひっそりと見学させていただいていましたが…。会の最後、先生のマイクで前に呼び出されます。いよいよ私も何かご挨拶と曲の披露をする順番がやって来ました。
 一斉に会場の視線が集まる中、私は前へ進みます。先生のお話は続きます。
 「県劇のライブでお会いしたご縁で、今日は無理を言って来ていただきました。40歳からピアノを始められて、今では本まで書いていらっしゃるんですよ。今日は何か1曲、弾いて頂けるん、で、すよ、ね?」

 ということで、先生からマイクを受け取り、いよいよ挨拶です!

 先生との出会いのいきさつ、今日ご案内いただいたお礼、そして聴かせて頂いた感想。
 「私が普段ピアノに接するのは、ほとんど夜の飲み屋街ばっかりですので(笑)、今日みたいな小さな子供さんの演奏はとても新鮮で楽しく聴かせていただきました!そして、大人の方の演奏は私と同じような立場なので、とても共感が持てて嬉しかったです。ありがとうございました」
 それから自己紹介を兼ねて私のピアノ暦(40歳から楽譜丸暗記奏法に挑戦して挫折、やがてコード奏法に出会ってすっかりピアノにはまってしまったこと)、調子に乗ってピアノの本まで書いてしまったこと…等々、クド過ぎず簡単過ぎず、って思いながら一通りお話します。

 そして、
 「ところで話は変わりますが。先日のふたご座流星群、ご覧になった方はいらっしゃいますか?」

 …シ〜ン。

 (反応がないのにちょっと焦りながら、話を続けます)

 「私はこの前の月曜日の夜、仕事帰りに駐車場まで行き、ふと空を見上げたらいっぱい星が出ていたんですよ。あ、そう言えばニュースで言ってたし、もしかしたら流れ星が見えるかもしれない、と思ってしばらく星空を見上げていました。でもそのうち寒くなってきたので車に入り、そのままフロントグラス越しに空を見上げていました。ちょうど目の前の低い空にオリオン座が掛かっていました。あ〜、オリオン座を見るのも久し振りだなぁ、なんて思いながら見ていたら…。
 流れたんですよ!ちょうどそのオリオン座の中を明るい光がスッ〜と斜めに!周りの星の何倍も明るい光でした。ちょっと、感動でした!」

 「…という訳で。今日は『冬の星座』という曲を弾いてみたいと思います。
 古い文部省唱歌ですが、皆さん、ご存知ですか?
 (後ろの方で、年配の男性がニコニコしながらうなづいてくれています!〜よかった〜)
 16小節の短い曲ですが、これをコードを使ってちょっとしたピアノソロ風にアレンジしてみました。音数は少ないシンプルなアレンジですが、どうか聴いてください」

 って、ホントはここは
 「音数が少ないシンプルなアレンジですが。
 澄み切った冬の夜空をイメージしながら聴いてください。 …では、冬の星座です」
 と言って決めたかったんですがぁ。あがっていてすっかり飛ばしちゃいました。

 ま、それはそれとして。

 いよいよピアノのところに行きます。椅子の位置を直して。弾き始めます。
 (後で思うと、この時、椅子の位置がちょっと遠かったような。だいぶ前かがみの姿勢になっちゃったみたいで、まずいなぁとは思いながらも、弾き始めたらもうどうにもならないし)
 曲のアレンジは拙著「お父さんのためのピアノ曲集〜懐かしい日本の叙情歌」に載せているアレンジ譜とほぼ同じですが、実際の演奏ではアドリブ風の間奏や少し細かなオカズ(フィルイン)などの彩りも加えながら弾いていきます。
 で、華麗なるアルペジオで華やかに駆け上るところが何ヶ所かあるんですが、アレッ、微妙に音が外れてる!鍵盤半分ほど指が隣に当たってる〜!椅子が遠すぎて微妙に指が届いてないみたいだ!まっ、今更しょうがないか。
 それ以外は大きなミスもなく弾き終わることが出来ました。よかった。
 しかし、果たして皆様の心の中に冬の星座は広がってくれたでしょうかぁ?

 全てが終わって帰り支度をしていたら、一人の女性が近づいてきました。さっき、大人の部で演奏をされた方です。
 「あの〜、よかったらここにサインしてもらえませんか?」
 えーっ!サイン?
 一冊の本とサインペンも用意されています。見ると、見知らぬ本…。
 「あの〜、これ私の本じゃないんですけど…」
 「あ、すみません、でも今これしか手元にないのでこれで結構です」
 「そうですかぁ、でしたら、このあたりに書かせてもらいますね〜」
 って訳で。誰か他の著者のピアノ教本の表紙裏にan弾手のサインを書かせていただきました。
 「あの〜、それから一緒に写真に写ってもらってもいいですか?」
 えーっ!写真?まあ、私なんかでよろしければ。ありがとうございます。
 一緒に来ていたその女性の子供さんと3人でピアノの前に行って記念撮影です。

 さて、もう一度帰り支度をしていたら。また別の女性が話しかけてくださいました。
 「最初は誰かに習われたんですか?」
 「どんな練習をされたんですか?」
 「40歳からって聞きましたけど、いま何年くらいされてるんですか?」

 続いてもう一人、男性の方。あ、仕事で何度かお会いした方だ!
 「ピアノを弾かれるという話は聞いていましたが、今日は実際に聴けてよかったです!」
 その方は今日は小学生の子供さんが出演されたのでした。
 思わぬところでの出会いでした。

 そして、会場の駐車場まで行ったら、一台の車の運転席からパワーウインドを下げながら誰かが声をかけてきます。あ、さっき、文部省唱歌「冬の星座」の話に後方の席からニコニコとうなづいてくれていた人だ。
 「今日は、いいお話を聞かせていただいてありがとうございました!」
 「いいえ、こちらこそ!今日はありがとうございました!どうぞお気を付けて」

 ピアノ(音楽)っていいですね。自分も楽しいし、聴いてくれる人も楽しんでくれるし、初めて会った人同士が、音楽を通してこうして心を通わせることができるんですよね。
 一つひとつは小さな出会いかも知れませんが、こんな心の輪が来年もまたたくさん広がっていけたらいいですね。

 皆様、今年も一年間本当にありがとうございました。そして来年がまた、皆様にとって素晴らしい年になりますように!

(続く→随時更新)

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ちょっと、ひと言。

 先日、上田圭子さんという音楽家のクリスマスコンサートに行ってきました。
 熊本市の人づくり基金の奨学生として米国ボストンのバークリー音楽大学に留学、首席で卒業。今はピアノ、シンセサイザーはもとより、和洋楽器のコラボや交響曲などの作編曲とご自身の演奏活動に多方面でご活躍中の方です。
 MAKIさんという画家の作品がいっぱい飾られたスタジオ兼(?)美術館で楽しいトークとシンセサイザー演奏の1時間半でした。
 圭子さんならではのヒーリング系の音楽世界が私の感性にピッタリはまって、自分もいつかこんな世界に近づけたらなぁと、憧れてしまいました。
 30人限定×3公演のアットホームなコンサートでしたが、素敵なクリスマスプレゼントを頂いた気分です。

 さて、今年もあと3日。私は今日、明日と忘年会が続きますが(笑)。
 今年もan弾手コラムお読みいただきありがとうございました。来年もまだまだ続きますのでよろしくお願い申し上げます。
 皆様、良いお年を!

 
−an 弾手−


第283回「明けましておめでとうございます」

[2010.1.5]

 いよいよ、2010年が始まりましたね。皆様、どんな新年をお迎えでしょうか。

 去年も1年間、皆様にはたくさんのピアノの輪を広げて頂き、ありがとうございました。思えば4月には私の5冊目となる新刊「お父さんのためのピアノ曲集〜コードで弾く憧れの洋楽スタンダード」が出版になりました。そして、知り合いの方に初の出版記念パーティーなるものを開いて頂き、とてもアットホームな雰囲気の中で皆様とともに楽しいひと時を過ごさせて頂きました。
 7月には恒例となりました清和高原でのフランス料理の会に呼んで頂き、私のタラタラピアノを弾かせて頂きました。
 そして9月には私の初めてのソロライブを熊本県立劇場(KENGEKI@Live)で開かせて頂きました。
 10月は中村先生の文化功労者賞受賞祝賀会でのピアノ演奏、12月は県劇ライブでお知り合いになったピアノの先生のクリスマスピアノ会に呼んで頂き、小さな子供さんや大人の生徒さんに混じって私も弾かせて頂きました。そして恒例の某喫茶店の忘年会での演奏、更に12月29日に市内のホテルで開かれた高校の同窓会では前日に幹事から突然電話で「ピアノを用意するから何か弾け」と言われて!これが昨年の人前ピアノの弾き納めとなりました。

 そしてまた、東京の「弾手の会」の皆様には楽しい演奏会の模様を写真やDVDで送って頂いたり、本やコラムの読者の方には全国からメールでご質問や近況のご報告を頂き、私自身がピアノを楽しんだり原稿を書いたりする大きな励みになっています。本当にありがとうございます。

 え〜っと。新年早々、昨年の回顧になってしまいましたが。
 今年はまたどんな新しい出会いが待っているのか楽しみです。そして、これまで交流を頂いている皆様とはより一層大きな輪を広げることが出来ればうれしいです。

 今年はまた、新しい試みとして私の方でご住所の確認が出来た方に年賀状を送らせて頂きました。そこで、お送りできなかった皆様にはこのサイト上で年賀のご挨拶に代えさせて頂きたいと思います。
 下記をクリックするとan弾手の年賀状が開きます。どうぞ皆様、今年もよろしくお願い申し上げます。

 an弾手の年賀状はこちら

(続く→随時更新)

an弾手(andante)

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ちょっと、ひと言。

 大晦日の夜、チラッと小雪が舞ったものの正月の三が日はのどかな天気でした。
 穏やかな日差しに誘われて我が家の小さな庭に出てみました。まだ大きくもない庭木の枝々はすっかり葉を落として殺風景なのですが、良く見ると枝の節々に小さな蕾が。緩やかな正月の陽を浴びて、ささやかな、でも確かな春の気配を漂わせています。
 見上げると枝の先に広がる空に飛行機雲。なんだか出来過ぎだなぁ(笑)と思いながらも、青空に音もなく伸びていくひと筋の演出にしばし時を忘れた新春の昼下がりでした。

 
−an 弾手−


第284回「かっこよくて、100点をこえてるよ!」

[2010.1.12]

 『昨13日、やっと発表会を終えました。ホッとして、今朝の目覚めは実にさわやかでした。』

 私のコラムと本の読者でいらっしゃる大阪の中川貴さんから昨年12月14日にいただいたメールです。

 中川さんは確か83歳?70代後半から生まれて初めてのピアノを始められ、その後私のコラムと本でコード奏法を知られてからは果敢にアレンジにも挑戦されながらピアノを楽しんでおられるようです。もう3〜4年前から、月に1回のレッスンレポートのメールを送って頂くようになりました。文面ではいつもご謙遜でご自分の不甲斐なさ振りを大げさに面白おかしく書いて来られますが、なかなかどうして、コード進行やイントロ、間奏、転調までご自分で工夫しながら楽しんでおられる様子が伝わってきて、月1回の定期レポート、私はいつも楽しみに読ませて頂いています。

 で、12月のレポートの出だしが冒頭のメール。発表会に向けて「冬の星座」をオリジナルアレンジで演奏するために1年近く掛けて準備されてきた結果のご報告でした。レポートは続きます。

 『思えば長い長い1年でした。「冬の星座」という短い曲でしたが1年かかりました。以前、自己流に編曲したものをan弾手さんに見ていただきご意見などをいただきました。いろいろ考え手を加えてみたものの、結果として修正する事は出来ませんでした。老化なんでしょうね。
 曲が単純で、しかも(自分の)編曲がkeyの移動を主とする形にしていますので、鍵盤を見ないで動きを指に覚えさせようとしました。
 11月初めの段階で、これでいけるという自信(盲信)めいたものも生まれました。ところが、それからがいけません。同窓会で温泉につかって鼻歌にうつつをぬかしたと思ったら、不注意で風邪をひいて体調をくずしたり、練習日も残り少ないというのに、生意気にも欲を出し、盛り上がりを狙ってF(3番)のところをオクタ−ブ奏法でやってみようとしたのです。何とかなるかな、と思える頃になると、G(1番)とC(2番)の所のリズムをすっかり狂わしてしまいました。あと半月、散々迷った末、オクタ−ブ奏法はやめることにしました。と言ってすぐには元に戻りません、あせりと後悔、地獄〜大袈裟な!〜の10日間でした。結果、不安な心境のままで当日を迎えたわけです。

 当日は、プロもしくはプロ志向の方たちが、前半と後半とに分かれて演奏し、私はその中休みの間に番外として出るわけです。従って、出番を待つ私の前に繰り広げられるあり様は、まさに地獄絵図さながらです。そこへ持ってきて友人がボツボツ顔を見せ始めます。今回が最後かな、という思いもありましたから、これまでの禁を破って、普段からいわれている人たち20人に案内を出していたのですが、これが一層不安をかき立てます。本当に逃げ出したくなりました。

 順番が迫って楽屋に入ります。不安の絶頂です。
 そして本番! ヤバイ!イントロで音を飛ばし、Gでミスタッチ、もう何も分からなくなってしまいました。どうなったのか分かりませんが、指だけが動いてエンディングまで辿りつくことができました。今思い出そうとしても、その間の事が全く思い出せません。

 でも、兎に角、途中で止まらなく最後まで来れた、これで満足です。
 ある女性の友人は、脳梗塞のリハビリにピアノをやらせたくて旦那を引っ張って来たと言ってました。
 無事に最後まで行けたので涙が止まらなかったという友人も何人かいました。
 もっとタドタドしいかと思ったら案外やるじゃない、という奴もいれば、これまで「冬の星座」はか細く弱々しいという印象を持っていたが、大きく力強いという解釈も出来るんですね、との感想も。これは嬉しかったですね。3番のFのアレンジではそれを伝えたかったのです。
 しかし、何よりも嬉しかったのは孫の評価でした。「かっこよくて、100点ではなくて200点です。100点をこえてるよ。」もって瞑すべしです。
 有難うございました。DVD出来たらお送りしますが、中身は不良品で要交換かもしれませんが、あしからず。』

 ありがとうございます!中川さんの演奏が会場を感動に包んだのが伝わってきます。特にお孫さんの言葉、読んでいて私も涙が出そうになりました。
 後日、当日の模様を録画したDVDが届きました。
 確かにおっしゃるようにイントロでいきなりもたついた所がありましたが、その後は中川さんの気持ちのこもった「冬の星座」が転調を繰り返しながら美しく流れていきます。この時、中川さんはひとつの境地を掴まれたようです。その後のメールでのご本人の言葉です。

 『イントロでミスって、Gの頭で止まりかけたその後からの音が、すっきりしたように思うんです。ここが、前に申した、何もわからなくなって、指任せにしたところです。聞き直している時に、少しずつその時の気持ちが蘇えって来ました。初めからその時までは、間違わないようにという意識がものすごく強く働いていて、だからミスが続いたことが気になって、心の平衡を失ってしまいました。ところが、この時になって、突然、初めからこれだけミスったらもうどうでもいいや、という気分になったようです。いける所まで行こう、どうせ間違ってるんだから、とミスが気にならなくなったように思います。結果的に、それまでのオッカナビックリの音がクリアになったような気がします。また、それからは何度もあったミスタッチが全く気にならなくなって、最後までいけたように思います。
 どうとでもなれ、と開き直って弾き出したときの指の感じがまだ残っています。自分としては、いい感じなので、このまま覚えこみたい、というのが今の心境です。

 結果から見ると、望み得る一番いい形で終わったのではないかという気になりつつあります。初めから完璧はありえない、出来たら初めは失敗してもいいから、最後にいい形で終わりたい、と思っていました。いい形とは言えませんが、初めよりも良いことは確かですから、これでよし、と思う事にしています。チョット(ダイブかな?)お聞き苦しかったですか。
 どうぞ、いいお年をお迎えください。ピアノは今のところ続けるつもりです。よろしくご指導ください』

 中川さん、人前ピアノの効能(?)を、とてもいい形で実践されているなぁと感心しました。私なんかもまだまだ人前ピアノで緊張してミス連発!なんてやってますから〜。見習わなくっちゃ。

 中川さん、今年もますますお元気でピアノ楽しまれますように。また楽しいレポートお待ちしています!

(続く→随時更新)

an弾手(andante)

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ちょっと、ひと言。

 今話題の(?)Twitter始めてみました。鳩山首相も始めた、っていうし、いつもブログを覗かせて頂いている音楽家の上田圭子さんも最近始められたみたいだったので。まだ私がフォローしているのはその鳩山首相と上田圭子さんの二人だけですが…。それに使い方もまだよく分かりません。しばらくは時々首相と圭子さんの「つぶやき」でも覗いてみることにしましょ。
 もし、Twitterなさっている方がいらっしゃたら、ぜひ私をフォローしてくださいませ。

 
−an 弾手−


第285回「2010年の目標?」

[2010.1.19]

 2010年1月もあっという間に下旬に入ろうとしていますね〜全く(笑)
皆様、新年のスタートはいかがですか?私は先週まで新年会で今週あたりから何とか本調子モードに入らねば、というところです。

 1月5日の新年最初のコラム(第283回)では何となく去年の回顧みたいな話で終わったので、今回、今更ですがan弾手の今年の抱負でも書いてみたいと思います。

 ひとつは次の本へのチャレンジです。
 私の最初の本、「お父さんのためのピアノ教室」が出た2004年以来、毎年1冊!を目標にしていたのですが、一昨年が一年間空いて5冊目が去年になってしまいました。で、今年はまた気持ちも新たに次の企画を温めているところです。

 最初の本、「お父さんのためのピアノ教室」はお陰さまでピアノコード奏法入門書として出版社の方もびっくりされるくらいの反響を頂き、「ほんとに目からウロコでした!」とか「この本のお陰で楽しくピアノ弾けてます!」というお声をたくさん頂いているのですが、それでもピアノに初めて触れるという全くの入門者の方からは、まだまだ敷居が高い、という感想を頂くこともあります。
 そこで、もっと入り口の所から、この通りに一つずつやっていったら着実に弾けるようになるよ!という本ができないか、と考えました。それも、よくある指の練習とか、超簡単な楽譜をその通りに弾いてみてホラ弾けた!とかじゃなく、やっぱりコードの仕組みが分かって、なるほど、こういうことか、と理解してもらって、鍵盤上で音遊びをしながら自分の意思で曲も弾けるようになる、というもの。このコンセプト自体は最初の本「お父さんのためのピアノ教室」の時から同じなのですが、切り口を変えてちょっと違う登り道から頂を目指してみよう、っていう感じでしょうか。

 ただ、出版は自費出版でない限り出版社の方にその本がビジネスとして成り立つと判断して頂かないと実現しません。これから出版社の方と具体的な企画の詰めをやっていくことになります。
 CD音源付きの本のご要望も最初の頃から多く、今年の年賀状でも「ぜひCD付を出してください」とのメッセージを頂いています。これも実は物理的な問題や経費の問題など色々と障壁が多くて未だ具体的になっていませんが、今後出版社の方と相談はしていきたいと思っています。

 また、入門書とは別に「お父さんのためのピアノ曲集」シリーズで別の曲ジャンルのものも考えています。これまでが「フォークソング」、「日本の叙情歌」、「洋楽スタンダード」でしたので、もし読者の方でご希望のジャンルとかありましたら教えてください〜。
 (そう言えば昨年9月の熊本県立劇場ライブの時、ご来場頂いていた方から「洋楽モノの第2弾をぜひ〜」というお声がありましたっけ…)

 えっと、本以外の目標では…。
 今年はもう少し自分のレパートリーを確実にして、いつ、どこで急に弾くことになってもサラサラって弾けるようにしておくこと!
 (私の場合、改まってライブだ、コンサートだ、と言うより、いろんな場面でサラッと気軽に弾けるのが理想なんで)
 弾けるつもりの曲でも、しばらく弾いていないとどうしてもあいまいな所が出てきて、いきなり1発勝負で弾くのが難しくなるので、常に(理想は毎日。悪くても2〜3日に一度は)レパートリーの曲を通して弾いておきたいです。いろんなシチュエーションに対応するためには大体30〜40曲位は常に弾けるようにしておかないとですね。でも短い曲でもこれ位の曲数になると、1回ずつザッと通してもすぐ1〜2時間位かかってしまうので結構大変ですが、目標にしたいと思っています。

 という訳で。
 大人になってピアノと出会った時から、これまでずっと大切にしてきた素朴な気持ち…。
 実はan弾手の年賀状にも書かせて頂いたそんなメッセージが
 今年も皆様と共有できたら嬉しいなあと思っています。
 どうぞよろしくお願いいたします。

 (an弾手年賀状より)

 自分の指先から
 ピアノが鳴ってくれた時の喜び。
 気持ちが音に乗って
 誰かに届いていく幸せ。

 今年も
 そんな思いが
 いっぱい広がって
 いきますように。

(続く→随時更新)

an弾手(andante)

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ちょっと、ひと言。

 今週末のコンサートを控えた音楽家の上田圭子さん。ここまで当日のオーケストラのための作曲からご自分の演奏の準備、共演者との調整、リハーサルなど忙しい毎日をこなしてこられて、いよいよ今週本番。覗かせて頂いているTwitterの昨日のつぶやきで「なんか緊張してきました」って。へぇ、プロでもやっぱり緊張されるんだ、と思って「圭子さんでも緊張するんですか?」って書いたら。「はい、そうみたいです。でも本番は緊張しません〜」と。
 さすが、プロ魂を見たような気がしました

 
−an 弾手−


第286回「突然の、人前歌伴!」

[2010.1.26]

 最近よく足を運ぶライブハウス。その日も仕事の帰りにブラッと覗いてみました。まだ早い時間でお客さんの姿はなく、奥のステージの所ではいつものピアニスト(この店のオーナー)、ベーシスト、そしてドラマーが楽器のセッティング中。

 今日はセッションナイトのようです。セッションナイトとは、お客さんが飛び入りで演奏に参加する日。演奏に参加と言っても、ここ熊本では女性ジャズヴォーカリスト(レッスン生も含めて)の人口が大変多く、この店のセッションナイトではいつもハウスバンドの演奏で次々に客のヴォーカリストが替わって歌う、というのが多いのですが。
 今日はいつものピアノトリオのメンバーに加えて、北九州からプロの女性ヴォーカリストの顔も見えます。

 私が手前のカウンターに座っていると、ピアニストさんが声を掛けてきました。
 「今日はセッションナイトだから、an弾手さんにも何か弾いてもらいましょうかね。ほら、○○さん(北九州のプロヴォーカリスト)、an弾手さんのピアノで何か歌ってよ」
 「えーっ、私、歌伴はほとんどやったことないですよ〜!急に言われても無理ですよ」
 って声をあげる私。でもピアニストさんはすっかりその気です。
「大丈夫って。ほら、早く曲を決めて今のうちにちょっとリハやって。後でサプライズで突然振るから。お客さんには内緒にしときましょ」
 店にあった私の「憧れの洋楽スタンダード」の本を引っ張り出してきてヴォーカリストに見せています。
 「この中でKeyの合いそうなのある?」
 「……。みんなKeyが違うわねぇ…」
 (ボーカリストさんはあんまり乗り気でなさそう。なんかよく分からない素人ピアニストと突然あわせて歌うのって、確かにプロとしてはあんまりやりたくないだろうなぁ)
 「ほら、早く決めないとお客さん来るよ!」
 ピアニストさんはなかなか強引です。
 仕方なく私も覚悟を決めます。
 「それじゃ、譜面は無いですけどダニー・ボーイはどうですか?KeyはCで…」
 「ちょっと高いけど、ま、何とか」
 とヴォーカリストさん。
 「すみません、私、Cでしか弾いたことないので。よろしくお願いします」

 さっそくピアノのところに行って音合わせです。
 イントロを弾き始めたら…
 「速過ぎるっ!」
 ヴォーカリストさんにいきなりダメ出しされます。
 「その倍くらいゆっくりじゃないと歌えないよ」
 とピアニストさんも横からアドバイス。
 そうかぁ、いつもソロではこのくらいのテンポで弾いてるんだけど、ほんとはもっとスローなんだ。
 いつものピアノソロヴァージョンで弾くんだったら結構指が覚えているのですが、メロディーを抜いて伴奏にしようとすると、もはやいつもの手癖はあてにならず。
 弾きながら次のコードを意識して、曲の進行に合わせてバッキングにするか、アルペジオにするか、何らかのフレーズにするか、瞬時に決めて弾かないといけません!目の前にコードを書いたものが何もないので頭の中で必死にコードを意識します!
 何とかワンコーラス終わったところでお客さんが入り始めます。
 「うん、それでいいよ。あとは本番で」
 とピアニストさん。
 私は席に戻りながらヴォーカリストさんと立ち話。
 「で、2番はどうします?1番終わったらとりあえず間奏みたいなのを弾きましょうか?」
 「じゃ、間奏に続いてサビから入りますね」
 とヴォーカリストさん。

 さてさて、こんな打ち合わせで大丈夫なんでしょうかぁ?
 セッションタイムが始まってお客さんの飛び入りヴォーカルが続いている間、私はずっと頭の中でダニー・ボーイのメロディーを歌いながらコード進行を繰り返し思い描いていました。普段はなかなかやらない経験です。そして本番。
 「じゃ、ちょっとan弾手さん出てきて!ピアノ替わりましょ!」
 「えーっ!私ですかぁ!?」
 客席の私は、一応びっくりした振りをしながら声をあげます!
 ピアノに着き、ヴォーカリストさんとアイコンタクトを交わしながら演奏開始!
 さっきのリハと打ち合わせのお陰で、間奏をはさんで2コーラス歌ってエンディングらしきところまで、何とか出たとこ勝負でたどり着きましたぁ!
 ほっ…
 ヴォーカリストさん、歌いにくい伴奏ですみませんでした。
 ピアニストさん、いい経験をさせていただいてありがとうございました!

(続く→随時更新)

an弾手(andante)

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ちょっと、ひと言。

 あまり意識したことなかったのですが、そう言えば私は結構お一人様外食が多いなあ。
 お一人様ファミレス、お一人様焼肉、お一人様ライブ…。気にしだしたら結構気になるものですね。店内を見回しても自分以外にお一人様を見かけることが滅多にないですもんね。他のお客さんから、あるいは店の従業員さんから、どんな風に見えてるんだろう、この一人おじさん。でも自宅近くの某焼肉チェーン店では最近よく顔を合わせる学生バイトさんが話し掛けてきて突然の進路相談になったり(笑)
 皆さんはファミレスや焼肉屋、一人で行くことあります?

 
−an 弾手−


第287回「出版って、どうやってやるんですか?」

[2010.2.2]

 「出版って、どうやってやるんですか?」
 先日、あるライブの席でたまたま会った人から頂いた質問。
 その人と一緒に来ていた私の知人が、私のことを「こちらピアニストさん。で、本も出されてるんですよ」と紹介されたのに対してのご質問です。
 ピアニストさん、というご紹介は大げさ過ぎて気恥ずかしいですが、本を出している、というのは事実ですね。

 そう言えば、出版についてはこれまでもいろんな人からご質問を受けました。中には「本を出すにはいくら位かかるんですか?」と自費出版と混同している方や、「印税ってどの位入るの?」とか「これまでどれだけ儲かったの?」なんて生々しいご質問も(笑)。

 という訳で。今回はピアノの話から外れますが、ちょっと出版についての話題を書いてみようかと思います。

 とは言っても、私は出版についてウンチクを語れるほどの知識も経験もありません。また、実際に現在進行形で私の出版に関わって頂いている出版社の方もいらっしゃいますし、あまり個別の内輪話をここでするのは礼を失したり守秘義務に反することにもなりかねませんので、サラッと一般的なお話になってしまうことをお許しください。

 出版に関してよく聞く言葉で、商業出版の他に、共同出版・協力出版・流通出版・自費出版などがあります。このうち商業出版(企画出版とも言う)は出版社が自社の責任において(商業=ビジネスとして)企画・出版するもの。出版に要する費用負担や販売・営業なども全て出版社が行います。通常の出版事業ですね。
 自費出版とは文字通り著者が自らの費用負担で出版するもので、販売や営業も基本的に著者自身が行うことになります。趣味や自伝など、本を売ってビジネスにするというより本を作ること自体が目的の場合が多いと思います。
 その間にあるのが共同出版・協力出版・流通出版などといわれる出版形態で、これらは、その専門の会社が出版を希望する人をこのような名称の出版システムで募り、著者に費用負担を求めて出版するものです。純粋な自費出版と違う(と言われる)ところは、全国、あるいは提携の書店に流通させて一般にも販売をします、ということみたいですが、この手の出版社の倒産や著者と出版社の間での色々なトラブルも多発しているみたいなので、もしそのような出版に関心がおありの方はよく調べられた方がいいと思います。(ネットで上記のキーワードで検索されるといろんな情報があります)

 で、私の出版物は商業出版(企画出版)です。出版に掛かる費用や流通、配本も全て出版社でやって頂いています。全国の書店や楽器店の店頭に継続的に配本・陳列されていますし、初版の時は全国紙への広告も出ました(出版社の経費で)。そして、初版時はもちろん、増刷時にも「印税」とやらが振り込まれてきます。誰でも、出版を希望される方ならまずはこの商業出版が理想だと思うのですが、無名の著者にとって一番実現の難しいのもこの商業出版ですよね。そういう意味でも、地方在住で無名で、もちろん出版社に何のツテもなく、しかも本のテーマに関して専門家でもない私なんかの本を商業出版していただいた出版社には感謝の気持ちで一杯です。あらためて考えてみると自分でも奇蹟とさえ思えてきます。

 では、私の場合、どんな経過でここに至ったのでしょうか。
 今にして思えば、このコラム「an弾手のピアノ奮戦記」が出発点になっていることは言うまでもありません。ただ、このコラムを書き始めたときは出版など夢にも思っていませんでした。ただひたすら、自分が経験して感動したコード奏法の世界をたくさんの人に伝えたい(あるいは自慢したい?)という思いでした。ところがそれに対して全国、あるいは海外からもたくさんの方から共感や励ましのメールを頂くようになり、次第にそのようなピアノに対する同じ思いの人たちとの共感の輪が広がっていくことに喜びを感じるようになりました。そしてコラムの原稿がある程度まとまってきた時、自分の中にふと「出版」という言葉が浮かんできたのです。
 「これって、もしかすると本としても皆さんに受け入れてもらえるんじゃないの?」
 って。

 でも、どうやって出版するか、ですよね。
 もちろん自費出版すれば(費用さえ持てば)すぐに本になるのは分かっています。でも自費出版では全国のまだ見ぬ多くの方に本を見て頂くのは不可能です。これでは、たくさんの人に共感の輪を広げたい、という思いは達成できません。単に本の形にして自分で眺めるのが目的ではないのですから。もちろん共同出版、協力出版、などという出版形態もあまり信用できませんでしたので、残るは「商業出版」だけです。

 では、この一番実現困難な商業出版に私はどうやってアプローチしたのか?

 えっとー。その話をし出すと長くなりそうなので、続きはまた次回に…。

(続く→随時更新)

an弾手(andante)

■Q&Aコーナーのご質問を募集しています。
 随時、このコラムの中で取り上げてみようと思います。このコラムはコード奏者超初心者から中級の入口位の方を想定していますので、その範囲ならどんな内容でも結構です。メールお待ちしています!
piano-roman@kumamoto-bunkanokaze.com

ちょっと、ひと言。

 1月に入ってから目まいがするようになりました。一時は夜横になると部屋中がグルグル回って大変でした。症状は少しずつ軽くはなってきたものの、まだ一日中クラクラ・ムカムカで軽く宇宙遊泳やってます(笑)
 で、昨日は病院へ診察に。耳鼻科で診察を受けましたが特に異常は見られないとのことで、とりあえず目まい防止の飲み薬を頂いただけ。でも念のために脳ドックの予約をしてきました。こんな時でないとなかなかそんな検査なんてしないからですね。検査は2週間後。この機会にしっかり検査して、また一頑張りですね〜。

 
−an 弾手−


第288回「出版って、どうやってやるんですか?」その2

[2010.2.9]

 自分の大人になってからのピアノ体験を書き連ねてきたこのコラム。
 「これって、もしかすると本としても皆さんに受け入れてもらえるんじゃないの?」と思い始めた時、私が選んだ方法は…。
 自費出版でもなく、共同出版とか協力出版とかいわれる出版形態でもなく、無名の素人にとって一番実現困難と思われる「商業出版」でした。
 それは、まだ見ぬたくさんの人に手にとって頂き、素人ピアノの共感の輪を広げたいという思いから。そのためには出版社の企画とマーケティングのもとに、制作、流通、販促まで全国規模でやってもらえる商業出版しかないと思ったからです。
 もちろん、原稿料とか、印税とか、そんなお金のことなど全く頭になかったと言えば多少はウソになりますが、そんなことより全国流通の本にしたい、という思いが最大のテーマでした。

 さて、ではこの一番実現困難な商業出版に私はどうやってアプローチしたのか?

 あ、すみません、何だか大げさな前振りで(笑)
 やったことと言ったら、しごく当たり前のことを普通にやっただけで〜。

 まずは、ここと思う出版社にコンタクトを取らないと話は始まりません。
 その時考えた事。
 自分の「身の程」から発想するんじゃなくて、考え得る「最高のところ」から始めよう。つまり、ちょっとマイナーな本でも出してくれそうな出版社とか、地元のコンタクトしやすい出版社とか、じゃなく、日本のメジャーなトップグループの出版社からアタックしてみよう、という事。だって、それでどんな結果になっても、もともとこちらに失うものは何もないし、ダメもとでいいんじゃない?それに日本のトップレベルの出版社が、自分みたいなどこの誰とも知れない人間にどう対応してくれるのか、興味ありません?たとえ本にならなくても、そんな体験が出来るだけでも刺激的だと思いませんか?

 私は早速、音楽関係の出版をしている出版社をネットで調べました。もちろん日頃書店や楽器店の店頭でよく目にしているメジャーな出版社名を頭に置きながら。
 そして、手始めに最優先の3社を選び企画書を送ることにしました。ここがダメだったらまた少し作戦を変えて次の3社にアプローチすればいいや、と思いながら。企画書と言っても簡単な自己紹介と素人ピアノへの自分の思い、そしてこの本がたくさんの同じ思いの人にきっと有益になるはずだという自分なりの確信とその根拠を書いた程度。ここまでA4で2枚。それにこのホームページコラムのバックナンバーをそのままプリントしたもの。それだけです。

 結果は?

 送って2日後。携帯に電話が!!
 「ぜひ、ピアノ教本として出版させて頂きたいと思います」
 (え〜〜〜〜っ!!!)
 「教本ですか!?自分では素人おじさんのコード奏法体験談の本にでもなれば、っていうイメージだったんですがぁ。それに教本って、私素人なんですけどそれでもいいんですか?」
 (おいおい、なに尻込みしてるの?自分)
 「専門家が書いた教本はたくさん出ていますし、ご提案の内容は素人の人が書いた教本として大変ユニークなものになりそうだと思います」
 「でも、私、素人なので、もしかして間違ったことを書いたりするかもしれませんけど…」
 「出版までには社内外の専門家が数回に渡ってチェックしますから大丈夫です」
 「はぁ…」

 何と!あっけなく?出版の話が動き始めました!それも自分でイメージしてもいなかった「ピアノ教本」として。これが私の最初の出版物「お父さんのためのピアノ教室」(ドレミ楽譜出版社)受胎の瞬間でした。

 ただ、受胎してもそれが無事誕生する(出版される)という保証はまだどこにもありません。何しろ電話口で「よかったら原稿を進めてみてください」と言われただけですから。出版未経験の私にとって、この先どこまで進行したら本当に出版が確実になるのか、一抹の不安を抱えたまま具体的な原稿作成の作業が始まったのでした。

(続く→随時更新)

an弾手(andante)

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 随時、このコラムの中で取り上げてみようと思います。このコラムはコード奏者超初心者から中級の入口位の方を想定していますので、その範囲ならどんな内容でも結構です。メールお待ちしています!
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ちょっと、ひと言。

 先週までの寒さがウソのように暖かくなりました。
 昼間、車で出掛けたら、何?この暑さ!?あわててエアコンのスイッチをオフにしましたが、それでも暑い。さすがに冷房にするのは気が引けて(だって昨日まで暖房だったのに!)窓を開けます。ふーっと爽やかな風が車内を抜けて行きました。
 もう2月も半ば。本格的な春もすぐそこですね。

 
−an 弾手−


第289回「出版って、どうやってやるんですか?」その3

[2010.2.16]

 えーっと。ここ3回、ピアノと関係ない話が続いてすみません。
 ひょっとしてうんざりしてませんか?なんか出版の自慢話みたいで(汗)
 でも、本の話になると必ず皆さんから聞かれるんです。
 「出版って、どうやってやるんですか?」って。
 それで、いつかはこのテーマも書かなくっちゃ、って思っていたんです。
 「ピアノ」、とか、「初心者」、とか、「ピアノコード」、とかのキーワードでこのページに来られた方には申し訳ありません。ここ数回、ピアノと関係のない出版の話になっちゃってます。
 ということで、もうちょっとお付き合いください〜。

 さて、前回はあっけなく出版の話が動き出した、ってとこまででしたね。
 でも、出版社に企画書を送ってからたった2日でGOの電話が来た、っていうのはやっぱり極めてまれなことだったと思います。実はその時同時に送った他の2社はどうだったのか?どちらも1〜2週間してから丁寧なお断りの手紙をいただきました。1社は「当社では出版できない」、もう1社は「出版までには何度も直接お会いしての打ち合わせが必要なので、遠隔地在住では物理的にむずかしい」と。どちらも私の企画書の内容から見てかなり現実的なお返事だったのでしょう。
 その後数回に渡る他の複数の出版社へのアプローチ経験から、このような持込企画への出版社の一般的な対応傾向が何となく分かってきました。

 一つは、最初から持込企画を受け付けていない出版社。社の方針として受け付けていないところも結構あるようです。この場合ははっきりとそのようなお返事が来ます。

 では受け付けている出版社の場合は?
 まずどこかの窓口の人が企画書を見て、明らかに的外れでなければその出版社が扱っている本のジャンルや内容で該当しそうな部署に回されて、そこの担当者が見て面白そうでもしかして本になりそうかな、と感じてもらえたら「企画書を拝見したのですが…」というような電話かメールが来るでしょう。第1関門突破です!
 ここまで普通2週間前後?ただ、大きな組織の出版社ではこの段階までで1ヶ月以上掛かる場合もあります(私の体験です)。

 でも、連絡が来てもまだまだ先は険しいです。担当者との何回ものやり取りが続いて、企画書の追加やサンプル原稿の作成を求められて、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月の調整が続いて、その結果モノになりそうかなと担当者が判断されたらやっと「社内の企画会議にかけてみます」ということになります。これでやっと第2関門突破です。

 しかし、この社内の企画会議、というのがまた難関のようです。編集部や営業部のトップはもちろん、場合によっては役員クラスのOKが出ないと多分企画は通りません。だって、出版社にとってはこれでビジネスになるか、はたまた不良在庫で赤字になるかの重要な決断ですからね。
 で、この会議で稟議が通ったとします。第3関門突破!でもこれで目出度し…とは、まだならないのです。とりあえず出版に向けて会社として作業に取り掛かってもいい、という社内の承認が下りただけで、出版が決まったわけではありません。本格的な原稿作成、編集作業がやっと始まった、ということです。もちろん、最初から完璧な原稿が出来ている場合は別でしょうが、私なんかの場合は「では、原稿を進めてください」と言われてから本格的に書き始めるわけですから、やっとスタートラインに着いたところですね。

 そして、担当の編集者の方から「もうちょっとこんな話題も」とか「こんな構成に」とか「ここは分かりにくいのでもう少し何とかならないか」などとご意見を頂きながら原稿を進めていきます。文字原稿はワープロ打ちしたものをメールで送信。楽譜の部分はこちらで手書きしたものを送ると出版社の方で浄書(印刷できる楽譜に清書)してくれます。

 そして、一通り原稿が出来たら出版社の方でページのデザインやレイアウトを起こし、最初の校正が送られてきます。これでやっと本の形が見えてきました(でもまだ出版が決まったわけではありません)。これを読み直して訂正箇所に赤字を入れ、返送します。この間、並行して出版社の方でも校正者が校正をしてくれます。原稿がおかしいところや分かりにくいところは書き変えの提案もしてくれます。それらの修正をしたものがまた再校として送られてきます。この段階でもまた考えが変わって書き直したり、あるいは単純ミスを見つけて修正したり、があったりします。
 これを返送すると、またその修正版(念校)が送られてきますのでこれをチェックします。同時に、この頃になると発売予定日か決まります。

 と言うわけで、実はここまで来てやっと出版が本当に具体的に決まるんです。ここまでは、途中で何が起こるかわかりません。原稿のやり取りをしている途中でも、その出版社の商品としてどうしても問題があれば出版中止になる可能性はあります。

 著者として、本当に出版が形として約束されるのはこの段階になってやっと登場してくる「出版契約書」です。発売予定日が決まる頃、やっと契約書が送られてきます。印税の取り決めや増刷の扱いなどもこの契約書に書いてあります。

 で、初めて出版契約書を見た時、単純に意外だったことがありました。それは甲、乙の書き方です。日頃、自分の本業でも契約書は度々交わしていますが、お金を払う方(発注者)が「甲」で、頂く方(受注者)が「乙」に決まってます。この感覚でいくと出版もお金(印税)を払う方(出版社)が「甲」で、もらう方(著者)が「乙」かな、と思っていたのですが、実はこれが逆で、著者が「甲」、出版社が「乙」となっています。条文も著者の原稿(著作物)を出版社が出版に使わせて頂きます、みたいなニュアンスなんですね。

 なるほど、そうなんですよ。普通の業務委託なら発注者がこの業務をいくらで発注し、受注者がその条件で受託します、ってことですが、出版は出版社が原稿を発注するんじゃなくて、まずは先に著者が書いた著作物が存在することが前提で、それを出版物として複製・販売する「権利」を出版社が買うってこと?なんですよね(原稿=著作を買ってるんじゃない)。だから、原稿の校正までが完了してほんとにこれで本になる、っていうぎりぎりまで、出版は約束されない(いつでも流産する可能性がある)ってことなんですね。
 実際私の身近でも、ある知人がメジャーな某大手出版社の編集者と1年以上原稿のやり取りをして編集者の意見も入れながらほとんど原稿が完成した後、結局出版が流れて怒りまくっていたことがありましたっけ。でも上のような出版の本質からすると、それも仕方のないことかも知れません。

 あーっ、やたらと観念的でめんどくさい文章を長々と書いちゃいましたねー!
 すみません!

 出版の話はまだまだ一杯書きたい事(どんな企画が通りやすいか?とか…)もありますが、次回はまた、ちょっと気分を変えた方がいいですかねー(汗)

(続く→随時更新)

an弾手(andante)

■Q&Aコーナーのご質問を募集しています。
 随時、このコラムの中で取り上げてみようと思います。このコラムはコード奏者超初心者から中級の入口位の方を想定していますので、その範囲ならどんな内容でも結構です。メールお待ちしています!
piano-roman@kumamoto-bunkanokaze.com

ちょっと、ひと言。

 バンクーバーオリンピックが始まりましたね。
 上村愛子選手はもうちょっとのところで残念でしたがとても感動させてくれました。これからまだまだ期待の種目も登場してきますから、楽しみにしていましょう。
 ところで、考えてみるとあんな想像を絶するプレッシャーの中であんなすごい競技をするんですから、各選手の精神力や自己コントロールの力は本当にすごいと思います。私なんかちょっとした人前ピアノでさえ緊張してとちったりしてる始末ですからぁ。
 あ、比較するのがそもそも間違ってました!

 
−an 弾手−


第290回「出版って、どうやってやるんですか?」その4

[2010.2.23]

 いい加減に前回(その3)で出版の話は終わりにしようかと思っていたんですが。
 面白いから続けろ、という奇特なご意見もいただきましたのでチャッカリ悪乗りさせてもらって、今回まで引きずることにしました。ゴメンナサイ!

 前回の終わりに、「どんな企画が通りやすいか?」なんて生意気なこと書いてしまいましたが、私は出版業界のプロでもコンサルタントでもないので確かなことはもちろん言えません。ただ、自分のささやかな経験から何となく自分なりに解釈したことを少し書いてみようかと思います。

 (その1・特異性)
 最初の出版で企画書を送って2日目にいきなり電話をいただき、思ってもいなかったピアノ教本の話が動き出した時、ご担当の方から言われた言葉。
 「専門家が書いた教本はたくさん出ていますが、ご提案の内容は素人の人が書いた教本として大変ユニークなものになりそうだと思います」
 私が、素人おやじとしてコードに出会い、コードに取り付かれていった体験、それをベースにしたコード入門の話が、編集者の方のキモに触れたのかなぁ、と思っています。
 似たようなことは、その後続いて出版していただいた別の出版社のご担当者からも言われました。
 「あなたの経験に基づいた話だから説得力があるんです。他の類書との差別化とはまさにあなたが自ら経験したこと、ということです」と。
 どんなにいい話やタメになる話でも、著者の経験に基づかないいわゆる「知識」や机上の「論理」だけでは説得力に欠けるでしょう。特に私のようなその道のシロウト!?であればなおさら。
 私だから書ける知恵やエピソード、論理の展開。そんな「その著者ならではの特異性」がなければ、毎月膨大な新刊が世に出る出版物の中で読者の手に取ってもらえることはないでしょうから。

 (その2・普遍性)
 特異性と一見反するような言葉ですが。
 「あなたの個人的な体験談なんて、誰も興味はありませんよ」
 出版の企画が通って、ご挨拶に行ったある出版社でそこの編集局長の方が言われた言葉。
 「それが多くの人の役に立って初めて意味があるんですから」。
 その通りですね。いくら自分はこんなすごいことをやった、こんな面白い体験をした、こんな事が出来る、と言っても、多くの場合ほとんどの人にとっては
 「で?それが何か?」
 というだけのことでしょう。自費出版としてその人の記録を残すのなら意味があるかもしれませんが、商業出版として多くの人に買っていただき役に立つためには、その中に多くの人の役に立つ普遍的な価値がないと意味がないということでしょう。

 (その3・市場性)
 最終的には商業出版の宿命としてこの市場性が問われることになります。
 一言で言えば「誰が買うの?買う可能性のある人が何人いるの?」ということ。
 楽譜系の出版物は実は出版業界の中ではやや特殊な分野で(流通経路も一般書とは違う)、初版1,000〜3,000部、年間1,000部以上売れていったらいい方、という感じのようですが(あくまでも部外者である私の推測に過ぎません、念のため)、全国大手の出版社が出す一般書は初版で8,000部〜10,000部刷ってこれがきちんと売れる見込みがないとビジネスにはならないようです。
 そこで、「この本、誰が買うの?買う可能性のある人は何人いるの?」ということになります。
 実は私も現在の既刊本5冊の他に、大手出版社の編集者と話しをしていい線まで行ったのに結局ボツになった企画がいくつかあるんです(って、こんなこと、ここで言っちゃっていいのかな!?)。
 最後の最後に出版社内の会議でボツになった時の理由は。
 「企画は面白いが、この本の購買者の母集団がはっきりしない」ということでした。
 それ以上の説明はありませんでしたのでここから先は私の勝手な推論ですが、ある本を企画した場合、その購買者になり得るであろう層(集団)が何人いるのか?ということでしょうか。実際はその中の幾パーセントかがこの本の存在を知り、そのまた幾パーセントかが実際に購入する、ということでしょうから母集団の規模をはっきりさせるというのは商業出版のための重要な判断要素になるのでしょう。

 以上、特異性、普遍性、市場性。この3つが、私がここ数年に渡って複数の出版社の方と接触したり実際に出版をしていただいたりしながら感じた、出版の企画が通るための大きな要素だと思っています。これは何も持ち込み企画の場合だけではなく、出版社内で自前の新刊企画をされる時も同じ様なことが検討されているのではないかという気がします。

 「どんな企画が通りやすいか?」なんて、たいそうな出だしから始めてしまいましたが、結局はオーソドックスな結論になってしまったようですね〜。
 もちろん、たくさんの企画が持ち込まれる出版ご担当者のために企画書はダラダラと長く書かない、とか、ポイントになるキーワードは太文字にして読み易くする、とか、目先のテクニックは色々あるでしょうが、最後はやっぱりその本が類書にはない斬新さがあるかどうか?社会的に価値があるかどうか?そして売れるかどうか?そのためには上に書いた3つの要素がそろっているか?という本質的な話になるのではないでしょうか。

 おっと、名の通った著名人の場合は、また違った話かもしれませんけど(笑)。

(続く→随時更新)

an弾手(andante)

■Q&Aコーナーのご質問を募集しています。
 随時、このコラムの中で取り上げてみようと思います。このコラムはコード奏者超初心者から中級の入口位の方を想定していますので、その範囲ならどんな内容でも結構です。メールお待ちしています!
piano-roman@kumamoto-bunkanokaze.com

ちょっと、ひと言。

 最近、私の手帳の予定欄に「ホワイトピアノ」という文字が頻繁に書かれています。
 ホワイトピアノ…、ちょっとロマンティックな響でしょ。
 でも、今の私にとってはちっともロマンティックではないのだぁ〜。実はこれ、家の近所の歯医者さんの屋号(ずっと前のバックナンバーでもチラッと触れてますが)。
 今の私はこの「ホワイトピアノ」という文字を見ると歯が痛むのだぁ〜!
 というわけで、歯が痛くて通ってます(涙)。あと何回で治療終わるかなぁ。

 
−an 弾手−

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