第261回「an弾手出版記念の集い・顛末ウラ話」その(3) [2009.6.9]

 (今回から「〜顛末記」のタイトルを「〜顛末ウラ話」に変更させていただきました。読者の方のご意見で、単なる顛末記よりウラ話の方が面白そうなので…)

 さて。
 中身はとりあえず横に置いたまま、お世話役の方やご出席者の段取りだけどんどん話が進んでしまった「an弾手出版記念の集い」。
 肝心の中身はどうするの?

 「an弾手さんの記念リサイタルですか?」
 ご参加予定の方の中にはそう聞いてこられる方もいて、
 「いえいえっ!リサイタルなんかじゃないですよ〜!」
 って打ち消すのに必死です。
 とは言っても、ピアノ曲集の出版記念ですから、自ずと私の演奏もアトラクションの柱の一つにしないわけにはいかないでしょう。

 そこで一計。もちろんan弾手のピアノもありますが、私弾く人、皆さん聴く人、じゃなくて会場の方にも出来るだけ参加していただきたい。皆で和気あいあいと音楽を楽しむ時間、空間が持てたらいいですね。

 そんな思いもしながら、てびちさんや司会の方との調整で具体化してきた構想は…。
 ピアノが弾けない人にその場で両手演奏を体験してもらう「an弾手の3分間でわかる!コード奏法講座」コーナー。
 その場でいきなり誰かに弾いてもらう「飛び入り演奏」コーナー。(あらかじめ、めぼしい人にこっそり狙いをつけておく?)
 それから、参加者の中におられる特殊な技をお持ちの方に手伝っていただく、「an弾手とのピアノコラボ」コーナー。
 具体的には、an弾手のピアノをバックに「詩と眞實」同人で詩人の女性に自作詩を朗読していただき、同時にその娘さん(ダンス教室主宰)に曲と詩に合わせた創作舞踏を踊っていただく。
 それから、ケーナを趣味にされている男性とan弾手とのセッション。
 「参加者にヴォーカリストがたくさんいらっしゃるので、皆さんに歌っていただいたら?」
 という案も出ましたが、ヴォーカリストが多すぎて全員は無理だし、ある人だけにお願いするのもどうか、ということで立ち消えに。(実際は当日、サプライズの飛び入りが!)

 さてさて、構想は何とか出来てきましたが、実際やるとなると自分のピアノ演奏の練習の他に、コラボする方との内容の打ち合わせやリハーサルも必要だし。
 こりゃ、結構大変な事になりそうだなぁ!

(続く→随時更新)

an弾手(andante)

■Q&Aコーナーのご質問を募集しています。
 随時、このコラムの中で取り上げてみようと思います。このコラムはコード奏者超初心者から中級の入口位の方を想定していますので、その範囲ならどんな内容でも結構です。メールお待ちしています!
piano-roman@kumamoto-bunkanokaze.com

ちょっと、ひと言。

 今回の集いの発起人でもいらっしゃるてびちさんが館長を務める熊本県清和高原の「清和物産館・郷土料理館」で、この7月、清和高原の夏野菜を使ったフランス料理の会が開催されるらしいです 。これまで2月の冬野菜と9月の秋野菜をテーマに開かれていましたが、今回は夏野菜。

 東京・飯田橋のフランス料理店「メリメロ」のオーナーシェフ宗像康雄氏がこの日の為に来館。
 清和高原の畑で採れたばかりの新鮮な野菜を使った特別メニューによる一日限りの贅沢なスペシャルコースです。

 で、ついでと言っては何ですが、今回も私にウェルカムピアノのご依頼をいただきました。
 お料理が始まる少し前に来ていただくと約30分ほど会場に私のピアノが流れている予定です。
 今回は、新刊「〜洋楽スタンダード」が出たばかりでもありますし、この本の中から少し弾かせていただこうかと思っています。

 食事が始まったら私も席に付いて食べてますから(笑)。せっかくのお料理の味を耳障りな音が損ねることはないと思います。どうぞご安心下さいませ。

 会の内容を以下に簡単にご紹介しておきますね。
 なお、シェフによる特別料理のため多人数には対応できないらしく定員20名限定の予約制だそうです。

 【清和高原夏野菜deフランス料理の会】
 ●日時:平成21年7月20日(祝)
       午後1:00〜3:00
 ●会場:清和物産館・郷土料理館
       熊本県上益城郡山都町大平152
       Tel.0967-82-2727 Fax.0967-82-3002
 ●料金:5,000円
 ●定員:20名(完全予約制)
 ●料理:
 1er 清和夏野菜ラタトゥイュ エスカルゴ、ソーセージの香草風味煮
 soupe 赤茄子の冷たいスープ 穴子のバルサミコ焼
 1er plat 馬鈴薯のパルマンティエ
 2eme plat 山女魚のコンフィ 胡瓜と隠元、大葉のアンチョビソース
        和牛ほほ肉と蕎麦の実の柔らか煮
 dessert とうもろこしのクレープとアイスクリーム

 ●お問合せ、お申し込みは 上記会場までお願いします。

 
−an 弾手−


第262回「an弾手出版記念の集い・顛末ウラ話」その(4) [2009.6.16]

 (このコラムは前回バックナンバー第261回からの続きモノです)
 当日のプログラムが大まか決まった所で、とりあえず私がピアノ演奏との関連で準備しなくちゃいけない事は…。
 ざっと考えてみて大きく5つ。

 1つ目は、もちろん自分がソロで弾く曲を決めて練習する事。
 2つ目は、「an弾手の3分間で分かる!コード奏法講座」の内容を考え、手伝ってくれる人と事前の打ち合わせとリハーサル。
 3つ目は、私のピアノBGMと詩の朗読と創作舞踏。まずご本人と会って朗読していただく詩を決め、その詩に合う曲を考え、実際にピアノと朗読を合わせてみて長さやテンポを調整し、またその曲でどんな舞踏が踊れそうか踊る人にも聴いてもらい、最後には3人で通してリハーサルをする事。
(3人がからんでるし、不確定要素が多いので結構大変そう)
 4つ目は、ケーナの演奏をお願いする人と曲を決め、その伴奏用アレンジを考えて練習する事。
もちろん、事前に一度、音合わせも。
 5つ目は、会の最後に皆さんで一緒に歌ってもらう歌を決めてそのためのピアノ伴奏の練習。

 ふっ。
 他にも料理や飲み物の段取り、ご挨拶や乾杯の発声をいただく方に改めてお願いすること、会場演出の絵画やデザインなどの作品を出してくださる方々との折衝や展示品の調整、当日の受付を手伝っていただく方へのお願い、受付名簿や領収書、当日の配布物の準備、そして司会者との最終調整…等々、準備する事はいっぱいありそうですが、これらはとりあえず発起人の方々にお任せして、と。
 とにかく、私はピアノ演奏に関する準備に専念しなくっちゃ!こればっかりは誰も代わってくれる人はいないんだから。

 まず1つ目。自分がソロで弾く曲。これはとりあえず今回の新刊の中から10曲ほど選んでざーっと弾いてみます。これを1週間ほど毎日帰宅後に通して弾いてみて、弾きやすさや弾き映え、曲のバランスから後で数曲に絞り込む事にしよう。
 次の「an弾手の3分間で分かる!コード奏法講座」。説明がしやすいダニーボーイを例題曲にしましょ。リードシートを会場の人にあらかじめ配っておき、このメロディーとコードネームだけの楽譜からどうやってピアノの両手弾きになっていくのかをリアルタイム実演で。実験台として候補に上がったのが知り合いの女性ヴォーカリスト。ジャズヴォーカルのレッスンを始めてまだ2年弱らしいのですが、持ち前の声質と感性でめきめき上達し、今では複数のライブハウスからの依頼でステージ出演をこなすほど。でも、ピアノはほとんど未経験で、ヴォーカル練習用に、と買った電子ピアノも最近は全くフタを開けてないらしい。
 「えーっ、私がですか!?全然弾けませんけど、何をしたらいいんですか?」
 「はい、とりあえず当日はドレミファソラシド(注:CDEFGABCの説明用)と、メロディーを単音で押さえるのと、左手でルートを押さえるくらいのところまでやってもらいたいんですけど。事前にどこか楽器店のレッスン室ででも1時間くらいやってみましょ。それで大丈夫ですよ。」

 ケーナの演奏をお願いする人にも電話で
 「千の風になって、はどうですか?KeyはCでいいですか?」と、こちらから提案。
 これなら以前、星野ひな子さんの伴奏をしたことがあるのでピアノ伴奏の準備に時間を掛けなくて済みそうかなぁ、というずるい魂胆。
 「大丈夫ですよ。」
 というお返事で安心していたのですが…。
 それから1週間後。
 「曲を変えていいですか?ケーナなので、やっぱりコンドルは飛んでいく、にしたいんですが。」と電話が。ここはケーナ奏者のご希望に沿うしかありません。
 「じゃ、コード付きの楽譜があれば送ってください。それで練習してみますから。」
 とお願いしました。楽譜が来たら伴奏パターンを工夫して練習しなくっちゃ。

 で、一番大変だったのが、やっぱり詩の朗読と創作舞踏。これまでも色々な所でパフォーマンスをされているとのことでしたが、いずれも既存の音楽CDに合わせていたということで、生演奏とのコラボは初めての試みとか。結局、打ち合わせや貸しレッスン室などでの確認調整が、当日の事前リハーサルを含めて5回に及ぶことになったのでした!

(続く→随時更新)

an弾手(andante)

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 随時、このコラムの中で取り上げてみようと思います。このコラムはコード奏者超初心者から中級の入口位の方を想定していますので、その範囲ならどんな内容でも結構です。メールお待ちしています!
piano-roman@kumamoto-bunkanokaze.com

ちょっと、ひと言。

 先日(6月12日)、何気なく新聞を開いたら…
 ドーン!見たような顔のおじさんがぁ!デカデカと載っているではありませんか!
 恥ずかしながら、an弾手が本を手にした写真。今回の「お父さんのためのピアノ曲集〜コードで弾く憧れの洋楽スタンダード」出版のプレスリリースから取材いただいたのが、かれこれひと月近く前。一向に記事になる気配もなく「やっぱりボツになったかなぁ…」と思い始めた時でした。
 大きなカラー文字で「ピアノが弾けたなら♪」。その下に私のカラー写真。簡潔に本出版のいきさつや本の紹介が書いてありました。写真の下のキャプションには東京「弾手の会」の話も。
 ひょっとして「弾手の会」のマスコミデビュー?こうして少しずつでも大人のピアノの輪が広がっていくのが楽しいですね。

 
−an 弾手−


第263回「an弾手出版記念の集い・顛末ウラ話」その(5) [2009.6.23]

 さて、今回の出し物の準備で一番大変だったのが、自作の詩を朗読してくださる女性(池田尚子さん;県詩人会会員)とその娘さん(寛子さん:フリーダンススクール主宰)の創作舞踏とan弾手のピアノとのコラボ。

 「いくつかan弾手さんの演奏を録音して渡してもらえませんか?それに合いそうな詩を考えてみますから。」
 「いや、先に詩を決めてもらえればそれに合いそうなピアノを工夫してみますから。」

 私は当初、詩の朗読にあわせて軽くコード進行の即興弾きをパラパラ流すくらいで何とかなるかな、と簡単に考えていたのですが
 「いや、朗読のテンポやフレーズの切り方を演奏と合わせないといけないし、それによって舞踏の組み立て方もあるし。」
 と、かなりシビアな話になってきました。

 それに、考えてみると私はお二人の詩の朗読と舞踏のパフォーマンスがどんなものか、実は観たことが無いのだ。とりあえずは、過去にどこかの公民館で演じられた時の模様を収録したDVDと、その時の詩を書いたペーパーを借りる事から。
 早速観せてもらうと…。
 彼女ならではの心情を綴った現代詩。スラリとした身体で流れるように舞う創作舞踏。曲はドビュシーの組曲「子供の領分」、加古隆・白い巨塔より「ふるさとの母」、サンサーンス「動物の謝肉祭」等々。
 「曲は数百曲も聴いた中から選び、曲と詩のフレーズのタイミングなどを何回も確認しながら練習したんですよ。」
 うわっ!これってan弾手のなんちゃってピアノなんかでいいんでしょうか!?
 ちょっと不安になってきます。

 でも、考えていても話が進みません。
 とにかくピアノのあるところで3人で会って、何か弾きながら尚子さんの詩と合わせてみて、寛子さんにも舞踏のシュミレーションをしてもらいましょう。

 楽器店のレッスン室。休日に時間を合わせて集まってもらいます。
 「じゃ、とりあえず私が弾けそうな曲をいくつか弾いてみますから、使えそうかどうか聴いてください。」
 ダニー・ボーイ…。ひき潮…。虹の彼方に…。
 「マイナーの曲がいいかも。例えばフライミーとか。」
 と舞踏の寛子さん。
 「あ、フライミーなら大丈夫ですよ。」と私。
 (んっ?ナニが大丈夫なんだ?単に今度の曲集に入れているのでとりあえず弾ける、ってことか。)

 …狭いレッスン室で1時間。もちろんこの部屋では踊れないのでピアノと朗読の合わせに舞踏はイメージ確認だけ。
 色々試した結果、まずフライミーで「草原に立つ」という詩の朗読と舞踏。次に短い語りと「風」という詩を舞踏なしでKey=Gのコード進行即興パラパラ弾きで。その間に寛子さんが衣装替えをして再登場。「ある愛の詩」で朗読なしの舞踏、という構想に落ち着きました。
 (後日、フライミーはシークレットラブに変更することになりましたが)
 「ある愛の詩は長いので、サビのところでドラマティックに盛り上がってそのままエンディングに入ってもらえませんか?」
 と舞踏の寛子さんから注文も。
 はい、工夫してみましょ。

 その後、休日の度にピアノと朗読の合わせの確認、実際の会場を借りて立ち位置や舞踏を含めた通しの確認。そして当日の本番前最終リハーサルへと進んでいったのでした。

 あ、他に「an弾手の3分間で分かる!コード奏法講座」の仕込みやケーナ「コンドルは飛んでいく」の音合わせも同時並行で進んでたんだった!

(続く→随時更新)

an弾手(andante)

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ちょっと、ひと言。

 今朝、出勤の時に家の玄関を開けると、庭の草木が雨に打たれてひと回り大きく茂っているように見えました。
 梅雨に入ってから、まるで真夏のような天気が続いていましたが、やっと本格的な雨になりましたね。
 雨の日の外回りは車に乗り降りする度にびしょびしょに濡れていやなものですが、部屋の中で雨音を聞いたり、降りしきる雨の様子を窓から眺めるのは好きです。
 ふっと、子供の頃に帰った様な気がします。

 
−an 弾手−


第264回「an弾手出版記念の集い・顛末ウラ話」その(6) [2009.6.30]]

 今回の「〜ウラ話」ご報告も、前回までで既に5回を費やしてしまいました。要領を得ない文章にお付き合いいただきありがとうございます。今回から、やっと当日の話に入らせていただきます。

  さて、やっと当日。が、ここでまたまた大変な事態が!
 遠く清和物産館から熊本市内の会場まで(山道を車で2時間近く)特製手づくりお料理の搬送、それに会場の設営・準備など、全面的に頼りにしていた発起人代表のてびちさんが、仕事の都合で開会時間までに来れなくなった!
 「じゃ、お料理はどうやって運ぶの?」
 「はい、元村長さんにお願いしますので…」
 えーっ、元村長さんに料理運びしてもらうの?
 確かに、元村長さんにも今日の集いへのご参加の返事はいただいていましたが。料理運びまでしていただいていいんでしょうか?すみません。
 会場設営の方は、本番前リハーサルのために少し早めに来ていただく詩の朗読と舞踏の方、それに受付担当の方に手伝ってもらってなんとかしましょ。

  6時半受付のところを、4時に会場入り。
 手伝いの方も揃ったところで、まずはギャラリー壁面の作品展示から。テーブルに並べる陶芸作品と、当日持って行くけど開会時間ぎりぎりなります、と電話があったデザイナーの方のコラージュ作品は別として、事前に搬入していただいていた洋画家の先生の油絵、そして当日持ち込んでいただいた手描き友禅の先生のパラソルやTシャツの作品を広げてみて、壁面への配置を考え、とりあえず展示ワイヤーのフックに掛けてみて、と。
 手伝ってもらいながら椅子に登って高さを調整して、作品の間隔を調整して。さて、パラソルはどうしましょ。広げて握り手のところをフックに掛けて高い位置に上げればよく見えるかな。
 と、ここでまたまた問題発生。パラソルの握り手をフックに掛けようとしたら握り手の太さがフックに掛からない!
 「S管か何かありませんか?」
 とギャラリーの方に聞くも
 「ありません。」
 しょうがない、どこかで探して買って来るしかない!と手伝いの人に頼んで急遽街なかへ買出しに!

  並行しながら会場のテーブル、椅子の配置も。舞踏の方の意見を聞きながら、躍るスペース、衣装替えで客席の後から出入りする通路の確保。あ、その前に、もちろんピアノの移動も。

  と、私の携帯が着信。見ると清和の元村長さんから。
 「今、会場の外に着きました。料理を降ろしてもらえますか?」
 「あ、ありがとうございます!すぐ行きます!」
 ちょっと料理運ぶの手伝って!と、受付要員の人に声を掛け会場の外へ。
 ハザードランプを点滅して停車している車から、大皿に盛り付けた料理を数名で往復しながら運びます。
 「料理どこに置くんですか?」
 「あ、とりあえずそのへんのテーブルに並べといてください!…あとはぁ、適当にお任せしますから〜!」

  だんだん時間が無くなってきた!まだ、音響(マイク)のテストもしてないぞ。あと、肝心の詩の朗読と舞踏、それにケーナの音あわせもしなくちゃいけないし〜!

  だんだん焦りながら頭が混乱してきた時、司会のアナウンサーの方が到着。
 「an弾手さん、どうしたんですか!?」
 「えっ?なにが?」
 「だって、シャツの裾はズボンからはだけてるし、疲れた顔をして呆然と立ってらっしゃるし。」
 あーっ、イカンイカン、どうやら取り乱してましたかね!いろんなことをいっぺんに考えなくちゃいけなくなって。すみません、気を取り直します。では、音響の確認を!
 ギャラリーの方はPA機器の扱いがよく分からなくて、アナウンサーの方に設定やマイクの確認をお願いするも、初めて触る機械なのでなかなかうまくいかず。
 やっと音が入ったところで、お待たせしました!詩の朗読のマイクテスト。私もやっとピアノについて鍵盤を触ります。舞踏の立ち位置などを確認して、
 「じゃ、通して合わせてみましょう!」
 んっ?なんじゃこれ?全く集中できない!さっきから頭の中がウニ状態でピアノ演奏する気分じゃないんだよね〜。何とか最後まで行ったものの、途中つかえるわ間違えるわ!心ここにあらず?ふーっ、でも時間が無い!次はケーナの音合わせ!こちらも指が鍵盤に馴染まないまま、とりあえず1回合わせて終り!もちろん、自分がソロで弾く予定の曲なんて、弾いてみてる余裕ないよ〜。

  えっと、そろそろ人がやって来る時間?受付の準備は出来てるのかな?そうそう、参加者に渡す資料、もう一度確認しとかなきゃ!あ、自分の本も前のテーブルに並べるんだった!

(続く→随時更新)

an弾手(andante)

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ちょっと、ひと言。

 ゴルフの石川遼選手がミズノオープンを制して全英オープン(7月16日開幕、英国・ターンベリー)の出場権を獲得しましたね。私は自分でゴルフをしないし全然詳しくもないんですが、このニュースはうれしいですね。
 政治も経済もお天気もうっとうしい話ばかりが続く中で17歳の石川選手の活躍には爽やかな気分になります。
 17歳とは思えないようなしっかりした受け答えも素晴らしいですが、全くおごることもなく真摯に夢を語り果敢に目標にチャレンジしていく姿勢には頭が下がります。
 おじさんも少し見習わねば。

 
−an 弾手−


第265回「an弾手出版記念の集い・顛末ウラ話」その(7)やっと本番! [2009.7.6]

 会場の「喫茶ギャラリー・キムラ」。
 ホールの正面左寄りにグランドピアノ。その右、全面ガラス張りの壁の前に私の本を陳列したテーブル。更にその右のテーブルに陶芸の作品。左の壁には油絵、手描き友禅のTシャツ、正面のピアノ奥の壁にも手描き友禅のパラソル。
 そしてホールの中央には料理が並んだ大きな木のテーブル。

  私は化粧室に入り鏡チェック!さっきまで準備のハプニング続きで取り乱していた自分をここでリセットして本番モードにしなきゃ。
 シャツの裾をきちんと入れ直し、ネクタイをチェック。髪を整えて、と。さて顔は大丈夫か?
 さっきは司会者の方から
 「なに呆然と疲れた顔してるんですか?」
 と言われてしまったし〜。
 自分の顔そのものは今更どうにもなりませんが。気は持ちよう。明るく、明るく!
 気持ちを入れ替え、シャキッと背筋を伸ばして!

  さてっ。開会の時間。約30名のご参加の皆さんでこのホールも一杯です。
 「それでは只今より、an弾手さんの出版記念の集いを始めたいと思います。an弾手さん、こちらへどうぞ!」
 司会者の言葉にうながされて前に出ます。

  ぎりぎり開会時間に間に合った発起人代表てびちさんのご挨拶に続いてご来賓の方からお言葉を頂ます。そして、私からのお礼の挨拶。
 と、ここで突然、会場から司会のアナウンサーの方の妹さんが前に出てきて私に花束を!
 「我が家の花壇に咲いたバラの花です!」
 事前の打ち合わせでも全く聞いていなかったのでびっくりするやらうれしいやら。
 また、この日が札幌公演と重なってご参加が出来なかった日本国際童謡館の歌手・星野ひな子さんからはお祝いのメロディー電報が!「星に願いを」のオルゴールサウンドを司会の方がマイクで拾ってご紹介いただき、会に華を添えてくださいました。
 続いて、若い頃からのジャズ愛好家、とおっしゃる洋画家の先生の乾杯。
 その後はテーブルいっぱいの料理をつまみながら歓談の時間へ。

  ではここで料理のご紹介をしておきましょう。今回の集いは、てびちさんの発案もあり出来るだけ身近な方が気軽に参加してもらえるようなアットホームな会に、というコンセプト。そのため、参加費も1,000円で、という案もあったんですが、さすがに1,000円では会場費だけでも足が出そう?という訳で結局2,000円に。それでも1人数百円の予算で料理をまかなうのはかなり厳しい中、てびちさんの計らいで清和物産館の厨房に無理していただく事になりました。そして元村長さんに2時間の道のりを運んでいただいたお料理は…。
 清和の山里の材料を活かした手づくりの特別メニューが会場に並びました。

  (メニューの一例)
 おにぎり
 赤飯のおにぎり
 巻き寿司
 助六
 山菜にしめ
 白和え
 ほうれん草ごま和え
 干し筍
 山菜がんも
 無農薬ベビーリーフサラダ
 紅白なます
 玉子焼き
 …
 等々

 ホテルのパーティー料理でもない、仕出し屋の出前料理でもない、手づくり感いっぱいのおいしさがご参加の方にも大変好評でした。

  さて、食事を楽しみながらいよいよアトラクションの時間へ。
 その様子は、また次回!

(続く→随時更新)

an弾手(andante)

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ちょっと、ひと言。

 1年振りに我が家の庭先にユリの花が咲きました。去年の7月15日(第233回)のコラムにも「バ〜ラが咲いた♪」っていうタイトルでユリの記事を書いていますが、今年も目の醒める様な大輪のユリの花です。
 1年振りに懐かしい人が忘れずに帰って来てくれたような再会。またこんな季節が巡って来たんですね。
 これからしばらくは、妖艶な姿でおじさんの目を楽しませてくれることでしょう。

 
−an 弾手−


第266回

「an弾手出版記念の集い・顛末ウラ話」その(8)
いよいよアトラクションの巻
[2009.7.14]

 さて、皆さんが軽くお料理をつまんだところでいよいよアトラクションの開始です。
 まずは、「an弾手の3分間でわかる!簡単コード奏法講座」コーナー!
 ダニー・ボーイを例題にしてコードでどうやって両手弾きになっていくのかを超特急で実演です。
 実験台にお願いしていた女性ジャズヴォーカリスト(ピアノほぼ未経験)の方にピアノの前に座ってもらいます。事前に1時間だけ貸しレッスン室で流れを確認してあります。

  右手でド、レ、ミ、ファ、ソ、ラ、シ、ドの音階。
 「コード奏法ではこれをC、D、E、F、G、A、B、Cって呼びます。」
 「次に、鍵盤一つおきに3つの音を押さえると…。はい、7つのコードの出来上がり!」
 続いてルートの説明。
 「はい、では右手でダニー・ボーイのメロディーだけを。」
 「続いて、メロディーに合わせて左手でルートを。」
 はい、これでダニー・ボーイの即席両手弾きの出来上がり!
 その後は私がピアノを代わって、「今の奏法を発展させるとこんな風に弾けます」、という実演です。
 弾き終えると、会場から「お〜」っていう軽いざわめきと拍手が。すみません、超特急で。

  続いて、本日ご参加の方のご紹介コーナー!
 会場にはお互いに初対面の方もいらっしゃるので、私がお一人お一人の所へマイクを持って回り、お礼かたがた私との関係をご紹介するとともに、ひとこと自己紹介をいただくという趣向。笑顔や爆笑を誘うコメントも続き、会場全体が和やかな空気に包まれました。

  続いていよいよ難題の詩の朗読と創作舞踏とピアノのコラボコーナー!
 開会前のリハーサルでは私が全く集中できずボロボロだった恐怖のコーナーです。
 自作詩の朗読は県詩人会会員の池田尚子さん。舞踏はその娘さんの寛子さん(フリーダンススクール主宰)。Key=Fのコード進行のイントロで始まり、シークレットラヴのメロディーが始まるとワンテンポずらして詩の朗読が始まります。

 草原に立つ

 ずっと ずっと
 空に溶け込もうとしている 薄の群

 風が渡り 穂は波打ち
 どこまでも トビ色に輝いて
 やわらかく包み込まれる
 すべて この痛みさえも…
 (〜以下略〜)

  詩をよく聴きながら、出来るだけ落ち着いて弾いていくことに集中します。
 横では寛子さんがスレンダーな肢体に鮮やかなブルーのドレスをまとって流れるように踊っているのが視界の端にかすかに見えますが、そこまでしっかり見ている余裕はありません。
 朗読の抑揚とピアノの抑揚をなるべく一体化するように。但し、ぴったり合い過ぎると逆に変なので微妙にずらしながら大きな流れとしては一体化する感じ?
 詩の終りと曲の終りもまあまあいい感じにシンクロして、うん、よかったかな。

  続いてKey=Gのコード進行による即興風パラパラ弾きをバックに、尚子さんの語りと短い詩の朗読。
 これは「即興風」なので詩のテンポと長さに合わせて、適当にコントロールできる自由さはありますが、逆にその自由さが難しさにも。
 この間に寛子さんはいったんはけて衣装替えです。

  さて、続く場面はブルーの衣装から全身ブラックのドレスに変身した寛子さん。おもむろに登場して一輪の赤いバラを置いた椅子に上半身を埋めるポーズから。
 「ある愛の詩」のドラマティックなイントロで始まります。こちらは朗読なしで舞踏とピアノだけ。踊りに合わせて弾くのはとても難しいので、とりあえず自分なりに落ち着いたテンポと語るような抑揚を意識し、ピアノでも一つのドラマを演じているつもりで弾きます。(ま、あくまでも、つもり!)踊りの方がそれに合わせてくれるでしょ。
 エンディングもドラマティックに!Amの華麗なるアルペジオで目一杯右上まで駆け上がり最後はピアノの一番左端の鍵盤(A)をガ−ン!です。(この部分、「〜洋楽スタンダード」の演奏例楽譜にあります!)
 寛子さんは最後、床にピタッと張り付くようなポーズで決め!でした。

  ピアノはリハに比べると自分でもビックリするくらい落ち着いて弾けて、よかった!かな?

  この後はケーナとピアノによる「コンドルは飛んでいく」。
 こちらも、何とか大きなミスも無く演奏できました。

  さて、続いては飛び入りコーナー!
 やってくれる人がいるか心配だったのですが…。
 いざフタを開けてみたら、思わぬサプライズ飛び入りが!

(続く→随時更新)

an弾手(andante)

■Q&Aコーナーのご質問を募集しています。
 随時、このコラムの中で取り上げてみようと思います。このコラムはコード奏者超初心者から中級の入口位の方を想定していますので、その範囲ならどんな内容でも結構です。メールお待ちしています!
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ちょっと、ひと言。

 このコーナーでこんな話題もなんですが…。
 先日、テレビ番組「エチカの鏡」を観ていて思わずメモってしまったことが。アメリカでイチローより松坂より有名な日本人の話。若い頃無一文で渡米し、ホームレス同然の生活からビジネスを起こして今や年商250億円の企業グループを築いた吉田潤喜さんの話。
 (無一文から成功するための5原則)

 その1 思い立ったらすぐ走れ。(そのうちに…、準備してから…、では出来なくなる)
 その2 目立ってなんぼ。(自分流の目立ち方を考える)
 その3 心を下げるな。(志を高く、自分を卑下しない)
 その4 NOと言うな。(出来る方法を考えれば必ず出来る。出来ないのは出来ない方法を考えてるから)
 その5 失敗は忘れろ。(失敗はつきもの。失敗は忘れて次に向って走れ)

  もちろんビジネスの話ですが、趣味のピアノでも当てはまりそう。私も時々これを見て自分の日常を振り返ってみよっ、と。

 

 
−an 弾手−


第267回

「an弾手出版記念の集い・顛末ウラ話」その(9)
いよいよエンディングの巻
[2009.7.21]

 予定のアトラクションが何とか終わって、次は飛び入りコーナー!

 えー、ここでいきなり「ウラ話」。 
 飛び入り、って言っても、その場で弾いてくれる人もなかなかいないだろうし。とりあえず1人だけでも確保しておこうと、実は事前に根回ししていた人がいます。今回、司会を引き受けていただいたフリーアナウンサーの方。クラシックピアノはバリバリ弾かれるのですが
 「楽譜通りにしか弾けないので、コード奏法教えてくれませんか?」
って以前に声を掛けられて、数回ご自宅までレッスンまがいでお邪魔したことがあったのです。
 そこで「飛び入りコーナーで、私・an弾手が指名しますからその時は何か弾いてくださいね」ってお願いしておきました。

 「えー、ではこれから飛び入り歓迎ですので、会場の皆さん、どなたか演奏されませんか?」
 って、司会者。
 「それじゃ、どうです?司会の○○さん、まず何か弾いてみません?」
 って私。
 すると、ワーッと会場から拍手が。
 「えーっ!私がですかぁ?」
 って大げさにびっくりされる司会者〜。
 「司会の○○さんのピアノ聴きたい人〜!」
 って私が言うと、会場からは一段と大きな拍手!
 「じゃ、妹にも手伝ってもらって連弾でも」
 って言いながら会場の妹さんを呼びます。
 「曲はフライ・ミー・トゥ・ザ・ムーンです」
 私の新刊のページを開いて素敵な姉妹連弾を披露してくださいました。

 さて、後に続いてくれる人、いないかなぁ〜って思ってたら。
 1人の男性、ふらーっと前に出てきて…
 (おっ、彼、夜の街でパーカッションを叩いているのは見かけたことあるけど、ピアノ弾くって話、聞いたことないぞ)
 「ピアノ弾けませんが、叩いていいですか?ちょっとあなた手伝って!」
 って、今連弾した妹さんに声を掛けています。
 「えっとぉ、曲は何がいいかなぁ…」
 そう言いながら新刊「〜洋楽スタンダード」の本をめくっています。
 「これ、タミーでどう?」
 って妹さんに言いながらもう二人でピッタリくっついてピアノの前に掛けています。

 弾き始めました。おおっ!すごい!
 二人は初対面で、全く何の打ち合わせもなく、その場でいきなり本をめくって曲を決めて、いきなり二人で弾き始めちゃった!
 彼はコードを見ながらコードバッキング。妹さんは初見でメロディー。とは言っても二人とも両手弾き!
 見事に息の合った連弾を聴かせてくれました。これって、やっぱりコード奏法の醍醐味ですね。

 続いて、さっき舞踏を踊ってくれた寛子さんがなにやら司会者と話をしています。私のところにやってきました。
 「エンド・オブ・ザ・ワールド、歌ってみようかと思うんですが伴奏してくれますか?」
 「〜洋楽スタンダード」の本の中から選んでくれたみたいです。
 それじゃ、ってわけで。
 彼女、実はあるオールディーズバンドでヴォーカリストとしても活動しているそうで、素晴らしい歌声を披露してくれました。私はソロバージョンでしか弾いた事なかったので、かなり歌いにくい伴奏になっちゃった。ごめんなさい!

  …ひとしきり盛り上がった所で、私が静かにBGM風ピアノを弾き始めます。しばらくコード進行を回してから「ひき潮」。その後「浜辺の歌」。
 ピアノに合わせて司会者がまとめのトークに入ります。さっきまで賑やかだった会場の空気を静かにクールダウンするかのようにプロの語りが流れていきます…。
 そして、最後は私のピアノ伴奏で会場みんなで「故郷」の合唱♪

 中締めは、元清和村長さんのごあいさつ。

 かくして、an弾手の出版記念の集いは無事終了したのでした。
 最初の本の時から色んな方に「出版記念パーティーしましょうか?」って声を掛けられ、その都度ご辞退してきたのですが、今回は5冊目という区切りもあり、またてびちさんの「仲間内だけの気軽な会にするから」という企画で開いていただきました。準備を始めてみたら思わぬ大変な事もありましたが、たくさんの皆様の温かい気持ちに包まれて私にはもったいないような会にしていただき、本当に感謝しています。
 後日、何人もの出席者の方から「とても楽しかったですよ!」と言っていただいて、私もうれしく思っています。

 企画のてびちさんこと東美香さんはもちろん、プロなのにボランティアで司会を頼んでしまった(すみません、ほんとはいけなかったかなぁ…)アナウンサーの小出史さん、華やかなオープニングのピアノ演奏をしていただいた小出令さん、会場のギャラリーを素敵なアートで飾っていただいた洋画家の田代晃三先生、手描き友禅の後藤縁先生、グラフィックデザイナーの芹川尚子さん、それに陶人形を飾っていただいた陶芸家の友人は詩の朗読もしていただいた池田尚子さん(尚工房主宰)、創作舞踏を踊っていただいた池田寛子さん、ケーナの演奏をしていただいた阿部政秀さん、コード奏法講座のコーナーを手伝ってくれたジャズヴォーカリストのまろっちこと松本理恵さん、当日の会場設営や受付をしてくれた、こちらもヴォーカリストの、るぅさん、しほさん、当日清和から料理を運んでいただいた元清和村長の兼瀬哲治さん、メロディー電報を送っていただいた日本国際童謡館歌手・星野ひな子さん、素敵なプレゼントをくださったU−COさん、Y.Oさん、会場の写真撮影をしていただいた小川さん、てびちさん、まろさん、田中さん、そして当日会場でたくさんのお言葉をいただき一緒に会を盛り上げてくださったご参加の皆様、また、ネットで遠方から声援を送っていただいた全国各地のan弾手つながりの皆様、本当にありがとうございました。

こんなan弾手ですが、これからも何卒よろしくお願い申し上げます。

(続く→随時更新)

an弾手(andante)

■Q&Aコーナーのご質問を募集しています。
 随時、このコラムの中で取り上げてみようと思います。このコラムはコード奏者超初心者から中級の入口位の方を想定していますので、その範囲ならどんな内容でも結構です。メールお待ちしています!
piano-roman@kumamoto-bunkanokaze.com

ちょっと、ひと言。

 梅雨末期の荒天が続いています。熊本は昨日も今日も降ったり止んだりの空模様です。皆様のところはいかがですか?
 さて、9回も続けてしまった出版記念の集いウラ話、今回で最終回です。長くお付き合いいただきありがとうございました。
 次の新しいテーマでのコラムアップは2週間お休みをいただき、8月11日になる予定です。
間が空いてしまいますが、引き続きよろしくお願いいたします。

 
−an 弾手−


第268回「an弾手ライブ@熊本県立劇場!?」 [2009.8.11]

 「an弾手さん、KENGEKI@Live(ケンゲキ・アット・ライブ)に出演されませんか?」
 ある日、会社に掛かってきた1本の電話。熊本県立劇場のプロデュース室の方から。
 「えっ、ケンゲキ・アット・ライブ、って、例の、あれ、ですか?」
 毎月1回、県劇の「光庭横休憩スペース」という所で開かれている、県劇主催のあのライブ?
 県内で舞台芸術活動をしている人やグループ、団体に気軽に発表の場を提供する目的で開催されているらしいのです。
 「しかし…、私なんかでいいんですか?」
 「ええ、是非お願いします!」
 「じゃ、まずは詳しいお話を聞かせて頂きに行きますから」

  って訳で。熊本県立劇場のご担当者の所へ話を聞きに行ってきました。
 「どうして私なんかに?」
 実は、今年で3年目になる「県劇ピアノの日」という、誰でも県劇のコンサートホールで演奏が出来るというイベントがあるのですが、その1回目の時に無謀にも私も応募していたのでした。結果は応募者多数で抽選の結果、あえなく落選。その経緯があったのと、別のプロデューサーの方が最近某所での私の演奏を耳にされて印象に残っておられたようなのです。

  ちょっとでも私のピアノを聴かれていて、それであえて出演のお誘いであれば、私も少しは気が楽です。何しろ、ピアノの本は書いていますが演奏の方は全くの素人おやじですから、変に期待(誤解)されても後でヒンシュクものでしょうし。
 「では一度、実際のKENGEKI@Liveを観せていただけますか?」
 という訳で、次のライブの予定をお聞きして聴きに行ってきました。実際にどんな会場でどんなライブが開かれているのか気になります。

 その日はクラリネット四重奏グループの出演でした。
 県劇1階に、高い天井まで全面ガラス張りで明るい光が差し込むコの字型の一角があります。その空間に普段はベンチシートが置かれてちょっとした休憩スペースになっているのですが、ライブの時はそこが演奏会場に早変わり。ライブタイトルと出演者を書いた大きな横看板が掛けられ、その日は4人のクラリネット奏者の椅子と譜面立て、そして手前に観客用の椅子がズラッと並べられています。
 「この会場ではグランドピアノが使えませんので、an弾手さんの時は電子ピアノを県劇で用意する事になります。」
 「ああ、電子ピアノなんですね。」
 その空間に電子ピアノが設置されている状況をイメージしながら、クラリネット四重奏の演奏を聴かせていただきました。

  「こちらの用紙に必要事項とプロフィールなどを書いてFAXででも送ってください。」
 ということで、ほんとにan弾手の県劇ソロライブ?、ほんとになりそうです!
 もちろん、県劇でライブ、と言っても、あの大きなコンサートホールでやるわけではなく、ホールの外の「光庭横休憩スペース」って所でのミニライブなのですが、それでも県劇は県劇、かなりのプレッシャーです。県劇発行の「ほわいえ」という月刊広報誌にも写真入で大きく告知が載るようですし。
 ライブの内容も考えなくちゃ。第一、素人おじさんがただピアノだけ弾いても聴いてる人は退屈するでしょうから、私なりのメッセージが伝わるようなストーリーを考えないとですね。

  というわけで、考えたライブのタイトルは
 「コードで遊ぶ楽々大人のピアノ」〜鼻歌ピアノのすすめ〜。
 コードによるナンチャッテ「鼻歌ピアノ」の楽しみと効用を、暮らしの中のいくつかのシーンを想定しながら聴いていただけたら、と思います。

とりあえず、現在分かっている内容をお知らせしておきますね。

 
【KENGEKI@Live #42】
 
出  演 an弾手(あんだんて)
 
タイトル 「コードで遊ぶ楽々大人のピアノ」〜鼻歌ピアノのすすめ〜
 
内  容 大人になってからピアノを始めた自身の体験から、簡単なコード奏法の紹介と楽譜に頼らない鼻歌ピアノの楽しさをシーン別に実演。(弾き語り、ならぬ弾き喋り?)
 
曲  目 ダニー・ボーイ、ミスティー、ある愛の詩、ムーン・リバー、赤とんぼ、荒城の月、他
(変更あり?これから詰めます)
 
会  場 熊本県立劇場・光庭横休憩スペース
TEL.096−363−2233
 
日  時 2009年9月12日(土)12:00〜
 
観覧料 無料
 
主  催 (財)熊本県立劇場
 
後  援 熊本日日新聞社
 
協  力 熊本舞台芸術サポートセンター

お近くの方、また、時間おありの方、どうぞ冷やかしにでもおいで下さい。当日会場でお待ちしています!

(続く→随時更新)

an弾手(andante)

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 随時、このコラムの中で取り上げてみようと思います。このコラムはコード奏者超初心者から中級の入口位の方を想定していますので、その範囲ならどんな内容でも結構です。メールお待ちしています!
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ちょっと、ひと言。

 お久し振りです。前回のコラムから中3週間が経ってしまいました。
 その間に梅雨も明け、ここ熊本では蒸し暑い毎日が続いています。台風の影響で各地に大きな被害も出ているようですね。当事者の皆様には心からお見舞い申し上げます。
 連日、天災、人災、事件、事故、そして選挙等々、様々なニュースが飛び交って目まぐるしい世の中ですが、皆様どんなお盆をお過ごしの予定でしょうか。平穏な1週間を祈るばかりです。

 
−an 弾手−


第269回「怪しいおじさん?ピアノランドフェスティバルに行く」 [2009.8.25]

 ピアノランドフェスティバル、というコンサートに行ってきました。
 樹原涼子さんと小原孝さんの出演。毎年開かれているらしく、今年は兵庫、熊本、東京、名古屋で開催。
 私は、このピアノランドなるものも樹原さんのことも全く知らなかったのですが、東京のピアニストで私の某マイミクさんからこのコンサートをご紹介いただき、さらに熊本のピアニストで某マイミクさんにチケットの手配をしていただいて行くことが出来ました。(ネットつながり、ってスゴイ!)

 樹原涼子さんは熊本市出身で武蔵野音大卒。子供のためのピアノ教育メソッド「ピアノランド」を考案、出版、実践されてピアノ教育界で高い評価を得ているらしい。ピアノランドフェスティバルは、そのピアノランドメソッド普及と、子供たちにピアノや音楽に親しむ機会を提供するイベントらしい。…とは、フェスティバルのチラシやプログラムを拝見して私が勝手に想像したことなんですが。
 小原孝さんは私もコンサートやCDでよく知っているピアニスト。クラシックとポップスをクロスオーバーしたようなユニークな活動を展開しながらNHKの教育番組・趣味悠々などでも有名な方ですよね。
 樹原涼子さんと小原孝さんはこのピアノランドフェスティバルでユニットを組んでずっと活動されているみたいです。

 当日、会場は幼稚園から小学生位の子供たちとそのご家族らしい人、それにピアノ教室の先生らしい人がほとんど。コンサートには定番の若いカップルはもちろん、私みたいなビジネスマン風の怪しいおっさん1人、というのもいませんでしたねぇ(笑)。

 で、コンサートの内容は。
 まずはピアノランド&ピアノランドコンサートのコーナー。
 ピアノランドメソッドに出てくる短い曲を二人で連弾しながら解説入りで楽しく演奏。
 その後、樹原先生とレッスン生・小原君との爆笑レッスン。1年振りにレッスンにやって来た小原君を樹原先生が優しく厳しく指導する、お笑いコント顔負けの掛け合いコーナーでした。
 その後、会場のちびっ子もステージに上がってみんなでやるピアニスト体操、小原孝さんの華麗なソロ演奏コーナー、樹原涼子さんの弾き語りコーナー(樹原さんは歌も素晴らしい!歌手としてのCDもリリースされているらしい)、それに、子供たちに本格的なクラシックコンサートを聴く時のマナーを教えながらのクラシック曲の演奏、等々。
 子供たちには音楽の楽しさや学ぶ心構えを体験させながら、また親や指導者には子供に音楽を教える時の手法やコミュニケーションのとり方を楽しいコンサートのプログラムを通して伝えていくこのイベント、会場内で1人浮いていた怪しいおじさんにもとても楽しい2時間半でした。

 ところで、プログラムの中で私が密かに楽しみにしていたコーナー。今年のフェスティバルのキャッチコピーにもなっていた「コードで遊ぼう!曲を作ってみよう!」
 小さな子供たちに、どんな風にコード遊びをしてもらうのか。興味津々だったのですが。
 ま、短いコーナーだけでちょっと肩透かしではありました。確かにアルファベットも分からない子供たちにCとかGとか説明するのは難しいですよね。
 でも、鍵盤一つおきでコードが出来て、メジャーは明るく、マイナーはちょっとさびしく、aug(オーギュメント)は大〜きく、dim(ディミニッシュ)は小〜さく、って身振り手振りで演じて、コードを弾きながら鼻歌を歌ってみて…、
 って、感覚的にコードに親しみ、子供のうちからコード感を養うのに役に立つかもしれませんね。子供たちがピアノや音楽に親しんでいく要素のひとつとして、コードの感覚も自然に身に付くように工夫されている気がしました。
 私は聞きながら大人の人にコードを説明する時のヒントを探し、頭の中でシミュレーションしていました(笑)。

 ホールの外には某楽器店の出張販売コーナー。顔見知りの店員さんに久し振りにお会いしてごあいさつ。樹原涼子さんの新著「いきなり&もう一度!才能以前のピアノの常識」(講談社)を購入。講談社の文字を見て、思わずあとがきの編集者名を見てしまいました。(違ってた…。でも、生活文化局は一緒だ)
 コンサートの後のサイン会。私も列に並んで、購入した本にサインをお願い。
 「大人の男性の方に来ていただくのは珍しくてうれしいです。ぜひ、ピアノ弾かれてください。」
 と握手しながら言われてしまいました!
 はい、なにしろ1人浮いてたおじさんでしたから(笑)

 後でそのことをこのコンサートを紹介してくれた東京の某マイミクさんにメールしたら…。
 「あらぁ、名前を名乗られたらよかったのに〜。実は涼子先生のレッスン室の本棚にはan弾手さんの本が置いてあるんですよ。」って!
 わっ、そうだったんですね!そうとは知らず。
 いきなり「an弾手です」なんて名乗ったら、ますます怪しいおっさんになると思ったものですからぁ!

(続く→随時更新)

an弾手(andante)

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ちょっと、ひと言。

 阿蘇に行ってきました。空が高く、空気が爽やかでもう秋の気配でした。
 テレビの天気予報では秋の高気圧が日本列島を包んでいるようで、今朝は熊本市内も爽やかです。そう言えば一昨日は処暑だったらしいですね。立秋から半月、気象上の秋がやってくる時期です。
 間もなく収穫の秋。う〜む、今年の自分の収穫は何だろう、と思ってしまいます。
 8月もあと1週間です。

 
−an 弾手−


第270回「an弾手ライブ@熊本県立劇場・その2」本番朝の巻

[2009.9.15]

 朝起きると、前日までの青空と猛暑から一転して曇り空。テレビでは昼から雨との予報も。
 今日(9月12日)はいよいよ県劇ライブの日。最初に県劇のプロデューサー室の方からお話を頂いたのは6月。まだまだこれから梅雨が明けて、夏が来て、夏が過ぎて、秋になってからの話でしょ、って思ってたら…。
 あっ、今日だ! 時間の経つのは早いものです。

 この間、色々準備はしてきました。まず候補になりそうな曲を少し多めにリストアップして、しばらくの期間それとなく自分で弾いてみて、それから少しずつ曲を絞り込んで。
 この時考えたのが、このライブのテーマ。わざわざ聴きに来て頂く方に私がお伝えできるのは何か?純粋に曲の素晴らしさや音楽性を鑑賞していただくのは私の演奏では無理なのは分かっています。私に出来るのは、そう、こんなおっさんでも、大人になってからでも、ピアノって十分楽しめるよ!って。これしかないでしょ。

 そして、その前提になるのがコード奏法。コード奏法に出会ったから、今の私のピアノがあるんですものね。
 まず、コードって何か、コード奏法ってどんなものかを出来るだけ簡単に超特急でご紹介する。
 (但し、コード奏法セミナーじゃないんだからここでグダグダ時間取っちゃダメ。でもポイントだけは伝わるように。)
 続いてこのコード奏法を使ったピアノ演奏の実演(ここでやっとライブらしくなる?)。これもただ弾くだけじゃなくて、私のような大人がヘタなピアノを弾く楽しみって何だろう…というきっかけの提案になればいいかなぁ。

 普通、ピアノの練習というとまずは上手に弾けるようになるのが目的で、せっせとレッスンに励んで、発表会に出て、次のステップに進んで、こんな曲まで弾けるようになりました、って。
 それも素晴らしい事だけど、もう先が長くない私みたいなおじさんは、ちょっとでも弾けたらさっさと楽しみたいんだよなぁ、と思ってしまいます。

 友人のパーティーで。披露宴で。それから、はいはい、もちろん夜の街で。
 練習じゃなく、発表会でもなく、人生のリアルのシーンで楽しくピアノと付き合えたらいいですよね。それから、自分1人の時でも、コードをいじって曲を自分流にしてみたり、ヘタな作曲もどきに挑戦してみたり。ピアノの楽しみ方って、人それぞれ、いっぱいあるはず。
 そんな楽しみ方の入口をちょっとだけでも覗いてもらえるようなメッセージが伝えられたらなぁ。

 しかし、県劇から与えられた本番の時間は、たった30分! ダラダラやってたらあっという間に終わってしまいそうです。
 さぁて、ここは構成と台本をしっかり作っておかなくては。

 という訳で、この2ヵ月半、やってきた事といったら
 構成に沿った台本作りと台本に当てはまりそうな曲の選定と練習。
 練習はもちろん何回も弾き込んで、一応ライブでござい、って言っても失笑を買わない程度にはしておかねば。自分で弾いている時に聴いている(つもりの)自分の演奏と、録音して聴いたときの客観的な自分の演奏との落差については思い知らされているので、今回も録音しながら聴いてみて、「弾きながら自分でこんな風に聴こえている時、他人にはこんな風に聴こえているんだ」という違いを少しずつ理解し、いちいち録音を聴き返さなくても自分の思いになるべく近づけるよう、翻訳作業に励みました。

 台本は、日にちをかけて少しずつ見直し、修正し、最終版は第5稿になりました。
 台本のストーリーの修正で、急遽曲を差し替えたところもあります。

 さてさて、そんなこんなで時間だけは流れ、「まだ未完成だよなぁ」と思いながら前夜を過ごした当日の朝。どんよりした空を見上げながら、もし開演までに雨が降り出したら、「今日はお足元の悪い中、おいで頂きましてありがとうございます。日頃の私の行いがいかに悪いのか〜」なんて付け加えた方がいいかなぁ、なんて思い巡らせながら県劇へと車を走らせるan弾手でした。

(続く→随時更新)

an弾手(andante)

■Q&Aコーナーのご質問を募集しています。
 随時、このコラムの中で取り上げてみようと思います。このコラムはコード奏者超初心者から中級の入口位の方を想定していますので、その範囲ならどんな内容でも結構です。メールお待ちしています!
piano-roman@kumamoto-bunkanokaze.com

ちょっと、ひと言。

 我が家の隣には、広ーいさつまいも畑が広がっています。数週間前に端の方で収穫が始まったと思ったら、その後作業は止まったまま。畑の広い部分はまだ葉っぱが茂ったままです。あれはテスト収穫だったのかな。本格的な収穫も、もうすぐでしょう。
 朝夕はもちろん、日中も随分しのぎやすくなりました。9月も半ばを過ぎて、いよいよ本格的な秋の到来ですね。

 
−an 弾手−

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